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自治会の在り方⑤

2022-11-29 23:31:53 | 地域から学ぶ

自治会の在り方④より

 自治会の会則改定委員会は、その後3回開かれて終了した。4回を最後にして終わる予定であったが、急遽5回目が開かれたよう。わたしはその5回目には急だったこともあって参加できなかった。もともと高齢によって脱退される方がおられる中、どのようにそうした脱会者を繋ぎとめることができるか、が課題であったが、議論は認可地縁団体という地方自治法の制約の中の「会員」の在り方に集中した。もともと「家」が存在した地域社会にあって、認可地縁団体の「会員」の基本となる「個人」の考えを、なかなか理解できないことが発端であった。

 5回の委員会を経て、自治会員に説明するための最終打合せのようなものが本日あって、自治会長から出席するよう要請があった。何を意図されたものかよくわからなかったが、正規な委員会ではないことは、委員全員の参加ではなかったことで分かっていた。そして、つまるところ自治会への説明の打ち合わせに過ぎなかったわけで、わたしの参加は必要なかったというわけだ。

 従来の地域社会の任意団体が、従来通り認可地縁団体として継続できるか、というところのすり合わせに終わった会則改定委員会。現実的には何も変わらない、という姿が見え、住民の意識を変えるまでの内容にはたどり着かなかったのが現実である。自治である以上すべての権利を有する者に意見をすることが可能だが、相も変わらず戸主優先であるし、男性優先である。日本社会の縮図がここにあるわけで、どれほど女性の参画が叫ばれようと、最後までそれが成し遂げられないのが、きっと地域社会なのだろう。

 事例であげてみよう。市町村議会議員に女性をもっと増やそう、という流れはある。しかし、なかなかその比率が上がらないが、それでも昔に比べれば女性は多くなった。地方自治の議員なのだから、地域社会のさまざまな問題を経験してもらいたいわけだが、実際はその議員ですら地域社会の活動に参加するのは限定的だ。地域社会が男性によって構成されているうえに、「家」の「代表者」制であるからだ。故に認可地縁団体の「会員」にはすべての住民が成り得る条文が掲げられるが、現実はちょっと違う。そもそも会員全員が集まれるような会場はないし、全ての会員に自治組織の情報が共有されることをあまり意識していない。したがって回覧だけで情報を得たとしても、経験値として自治組織の実際を積み重ねることはできない。わたしに言わせてもらえば、年齢や男女の違いなく、自治組織の会議を体験してもらいたいものだ。とはいえ、総会なるものは年に1度か2度。ここで言うほど、そこで経験することは重大ではないかもしれない。内容もたいしたものではないかもしれない。しかし、地方自治の末端で、このような組織が利用されているという実感は、参加しないとわかないもの。もちろん誰も好き好んで役員など「やりたくない」ものだから、いつまでも変わらない社会組織になり果てる。矛盾だらけだが、そうした矛盾を理解する場面でもある。

 最低限必要なことが改定されれば今回は良いのだろう、そうわたしは理解した。意識を変えるまでに至らなくとも、それが地域社会だと理解するしかないのだろう。住み良い社会、とは、永遠の課題なのである。

終わり


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