鶴見和子著「きもの自在」という本。
「きものは心身をすこやかにする」のなかで書かれていたこと。
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きものと踊りとはきりはなすことができない。(中略)二代目徳太郎師は、踊りが上手になると、「胸がすうっと開く」といわれる。たしかに、胸が開くと、かたちがよくなる。それにはどうすればいいか、体で納得するよりしかたがない。
尾てい骨をきゅっと立てると、背骨がすっと伸びる。そして、なるべく左右の肩甲骨が背中で背骨にむかって近づくようにして、両肩を下げる。そうするとおのずから胸が開く。
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ここまで読んで、「あーーーー」と思った。
これっていつも、バリ舞踊の時に言われていることと同じだ…と。
で、この文章は、こう続いている。
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しかし、こういう姿勢を保つことができるのは、気がたしかな時にかぎる。疲れていたり、気がめいったり、ぼんやりしている時は、腰がまがって、前かがみになってしまう。そうすると、どんなに立派な気持ちを着ても美しくみえない。逆に、気をたしかに保っている時は、体にも力がみなぎって、洗いざらしの浴衣を着ていても、さわやかに見える。
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はあぁぁー。そうなんです。
バリ舞踊のお稽古のとき、サロンを巻いて、ウエストにステップレスという太いゴムベルトを締める。それは、なんだか着物に帯をつけたときの感覚にとても近いと思っていた。
平面の布を巻き、肚をおさえる感覚とでもいうのだろうか、それが、湿気の多い日本やアジアの地域では、身体を開放しつつ、守っているのだと、気づいた。
衣はもちろんのこと、食でも、住まいでも、その土地に合ったものが、最終的には残っているのですね。その残ってきたものの本質をとらえ、今の自分の暮らしと照らし、取捨選択していくのが、今を生きる私たちに出来ることなのだろう。(20060917)
「きものは心身をすこやかにする」のなかで書かれていたこと。
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きものと踊りとはきりはなすことができない。(中略)二代目徳太郎師は、踊りが上手になると、「胸がすうっと開く」といわれる。たしかに、胸が開くと、かたちがよくなる。それにはどうすればいいか、体で納得するよりしかたがない。
尾てい骨をきゅっと立てると、背骨がすっと伸びる。そして、なるべく左右の肩甲骨が背中で背骨にむかって近づくようにして、両肩を下げる。そうするとおのずから胸が開く。
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ここまで読んで、「あーーーー」と思った。
これっていつも、バリ舞踊の時に言われていることと同じだ…と。
で、この文章は、こう続いている。
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しかし、こういう姿勢を保つことができるのは、気がたしかな時にかぎる。疲れていたり、気がめいったり、ぼんやりしている時は、腰がまがって、前かがみになってしまう。そうすると、どんなに立派な気持ちを着ても美しくみえない。逆に、気をたしかに保っている時は、体にも力がみなぎって、洗いざらしの浴衣を着ていても、さわやかに見える。
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はあぁぁー。そうなんです。
バリ舞踊のお稽古のとき、サロンを巻いて、ウエストにステップレスという太いゴムベルトを締める。それは、なんだか着物に帯をつけたときの感覚にとても近いと思っていた。
平面の布を巻き、肚をおさえる感覚とでもいうのだろうか、それが、湿気の多い日本やアジアの地域では、身体を開放しつつ、守っているのだと、気づいた。
衣はもちろんのこと、食でも、住まいでも、その土地に合ったものが、最終的には残っているのですね。その残ってきたものの本質をとらえ、今の自分の暮らしと照らし、取捨選択していくのが、今を生きる私たちに出来ることなのだろう。(20060917)