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原作:南郷弁護士シリーズ

2008年06月16日 | 【上映会】
今回上映する「南郷次郎探偵帳 影なき殺人者」の原作者は、TVドラマ「事件記者」の脚本家としても知られる島田一男氏。

酒と女が大好きな推理の鬼・南郷次郎弁護士が活躍するシリーズは下記リストによれば10数冊あるようです:
島田一男 文庫著作リスト(謎宮会さま)
http://tokyo.cool.ne.jp/meikyu/art00/smd0003.html

そのうち(いちおう時系列になっているらしい)次の5冊

「上を見るな」・・・長崎の旧家の遺産相続問題
「その灯を消すな」・・・平家の末裔が絡む郷土ミステリ
「悪魔の系図」・・・都会と田舎を行ったりきたり
「冥土の顔役」・・・汚職事件がらみ
「屍蝋の市場」・・・映画原作

を読んでみましたが、横溝正史テイストだったり江戸川乱歩テイストだったり、話によって雰囲気ががらっと変わるのが面白いです。ただ、似たようなシチュエーションだと話も似たりよったりになって(たとえば「冥土・・・」と「屍蝋・・・」は『先生、助けて!』の電話で急行→死体に出くわし、先生容疑者扱い?という導入がデジャブを誘います)すぐにどんな筋だったか忘れてしまう、というようなライトさも。

上2冊では妻子持ちだった南郷先生、やはりこれでは助手の京子さんや渦中の女性陣と絡み辛かったのか、「悪魔の…」になると奥さんと死別したことになっています(子供がどうなったのかは不明)。京子さんとは実に良いパートナーなのですが、彼女が先輩弁護士の忘れ形見であるため、保護者的な感情が働いてストイックにならざるを得ないあたりの南郷先生のもどかしさ、これからの進展具合も、読み進める上での楽しみのひとつです。

電子文書でも読めます:
ビットウェイブックス

*上映会詳細はこちら↓

コメント (2)
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