目覚ましが鳴り、まだ寝ている息子を起こした。
寝ぼけ眼でぼんやりと僕の顔を見ているうちに
『う゛わ゛ぁ゛ぁ゛~ん゛』 といきなり物凄い剣幕で泣き出してしまった。
『どうした、ひっくん?』 と尋ねると
『嫌な夢を見たぁぁぁ』 と顔をグシャグシャにしながら泣き叫ぶ。
最近学校で辛い思いをしたみたいだったので、それを思い出したのかな、と尋ねてみた。
『おどうさ゛んがしんじゃっだぁぁぁぁぁ~』
そりゃぁ、嫌な夢だなぁ、確かに。
『分かったよ、ひっくん。お父さんちゃんと生きているぞ。きっと通勤の自転車気を付けてって心配してくれたんだよな。お父さん、気を付けるよ。』 と慰めると
『ちがうよ。おとうさん、児童センターの体育館でたおれていたんだよ~。う゛わ゛ぁ゛ぁ゛~!』
さっき風呂で聞いてみたら、まだ続きがあったらしい。
『ブラックジャックがね、僕を助手にしてくれてね、お父さんをほっとけないから、病院に連れて行ったんだよ。』
なんだ、ハッピーエンドじゃないか ・ ・ ・
『で、お父さんは助かったのか。』
『そこで終わったからわからない・・・』
君と、とわちゃんと、そのまた子供達と一杯飲るまで、お父さんは頑張ります。
でも、しばらく児童センターには近寄らないでおこう。