
中国、きょう尖閣念頭に演習

【北京=川越一】中国海軍が19日、東シナ海で国家海洋局や農業省漁政局の監視船などと合同演習を行うことが明らかになった。国営新華社通信が18日、伝えた。海軍東海艦隊の艦船など11隻と航空機8機が参加予定で、領土主権と海洋権益の擁護に向けた連携強化が目的としている。沖縄県・尖閣諸島を念頭に置いた合同演習であることは明らかで、同通信は演習の課題として「海軍兵力の支援で、海洋・漁業監視船による権益擁護や法執行をたすける」ことや緊急対応能力の向上などを挙げている。
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「尖閣問題は外交で解決を」米太平洋艦隊司令官
朝日新聞 2012年10月16日19時53分
【編集委員・加藤洋一】米第7艦隊を指揮下におくヘイニー太平洋艦隊司令官(海軍大将)は16日、東京都内で記者会見し、「尖閣諸島問題は、何よりもまず外交的に解決されることを願っている」と語った。
司令官は「米国政府は、領土紛争でどこの国の味方もしない」「いかなる国の武力行使にも反対する」などと語り、中立的な立場から「平和的解決」を求める姿勢を強調した。日中間で軍事紛争に発展した場合、米海軍にはどのような支援を期待できるかとの質問には「仮定のシナリオには答えない」と回答を避けた。
この日、中国海軍の艦船7隻が沖縄・与那国島沖の接続水域内を航行したことについて見解を求められると、「中国のような台頭しつつある国家が海洋能力を持つことは驚きではない。ただ、その行使に当たっては透明性を確保してほしい」と述べた。そのうえで「中国は米国と同様、公海上を航行する権利がある」と指摘し、特に問題視する姿勢は示さなかった。
米軍の再編とはグアムへの戦線後退、即ち“撤退”
在日米軍の再編に伴米軍の在沖縄海兵隊のグアムへの移転は、米国の「アジア回帰」と表裏の関係にある。第2次世界大戦の前にも後に米軍は日本と韓国に駐留していたのであり、アジアから“脱出”したことは第2次世界大戦の前にも後になかった。 米国の「アジア回帰」とは、中国の強大化に伴い米中の力関係が変化したため、米国が、仕切りなおし”をする。米国の都合で戦線をグアムへ後退させ態勢を再編成するだけのことである。アジアに“戻ってくる”というとらえ方は、正確ではない。
在沖縄米海兵隊のグアムの“撤退”オスプレイの沖縄への配備は、中国、北朝鮮に対する牽制や抑止力を高めるとの見方もあるが、それは一面的な見方といえる。今までの米軍の態勢は、中国の首根っこを絞めているような配置であったが、中国の脅威が軽減できる後方へ距離をとり、遠巻きに中国を包囲する態勢に移行する。この結果、米国の中国や北朝鮮に対する包囲の輪が従来より緩くなるため、中国、北朝鮮から見れば米国の抑止力向上とは必ずしもいえない。むしろ、日韓両国の戦略的地位は、米国の庭先に構築された“外柵”のような縁辺的地位になる。日本は米中のハザマで孤立化が強まることは否定できない。
新たな「日米防衛協力のための指針」では、「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」として 「日本に対する武力攻撃に際しては、日本が主体となって防勢作戦を行い、米国がこれを補完、支援する。」 とある。尖閣諸島をめぐる武力対決に際し、日本が主体となって防勢作戦をおこなうが、「米国の補完、支援する。」とは、どの程度なのか、期待できるのかできないのか、日米中3カ国の綱引きで決まる。幻想を持ってはならない。
(参照)小沢はアメリカの本音“第7艦隊だけ”を代弁した のだ! 2009-06-06 07:45:19
米軍の再編成、即ち在沖縄海兵隊がグアムへ”撤退”するということ
マスコミは報道しないが中国包囲の”輪が緩くなる”、日本防衛体制の弱体化に繋がる
オスプレイの航続距離は3700キロ、沖縄配備は米国の戦略遂行上の要請が優先。

「在沖米海兵隊のグアム移転について」6ページ (平成24年5月 防衛省 グアム移転事業室)
米中は長期的視点に立って新たな米中関係を構築する
米国は西太平洋における“最も重要”な同盟国・日本を守るため、肝心な時には日本を支持することを選ぶとは限らない。米国政府関係者は、「領土の帰属においては特定の立場を取らないが、日米安保条約に適用にも言及する」という姿勢で一貫している。
東シナ海の離島のために日中間で武力衝突が生起した場合、米国が参戦すると考えるのは日本側の思い込みに過ぎない。地図を広げて太平洋の地図を見たらいい。米国が参戦する価値があるとみるか。参戦しなければ同盟関係を軽視したと批判される可能性があるが、米国が参戦する前に中国が尖閣諸島を占領した場合、米国議会が「日本の支配下にある」と判断するか。第2次世界大戦の開戦に際しては、日本軍による真珠湾攻撃の衝撃があったが、今は、中国が米国にそのような衝撃を与えることは無い。米国議会が日本の側に立って参戦すべしと議決する可能性は極めて低い。
太平洋艦隊司令官の「米国政府は、領土紛争でどこの国の味方もしない」「いかなる国の武力行使にも反対する」との発言は、重く受け止めねばならない。
日本は過去10年間、日米同盟の強化、自由国家同盟の構築、ユーラシアの「自由と繁栄の弧」の構築などに取り組んだが、念頭にあったのは中国の脅威に対抗することであったが、長期的展望にったった戦略が無かった。首相が交代すれば、ハイそれまでよ!、長期的視点にたった戦略が欠けていた。中国の台頭に対する米国内の対応は多面的である。「中国脅威論」はその中の1つの傾向であるが、オバマ政権は「アジア回帰」を進め、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉を推進する一方で、中米上層部の連携や中米戦略・経済対話を重視している。これは米中両国が21世紀の新しい大国間関係の構築という明確な長期的展望・目標に向けて動いていることを示している。日本が長期的展望に立った戦略を伴わず、中国との関係を米国頼みの場当たり外交委を続けるならば、将来、米中2カ国が東アジアの安全保障に関する秩序を構築した場合、日本は決められた秩序を受け容れざる得ない屈辱的状況に追い込まれる可能性がある。
自民党・安倍総裁や2人閣僚の靖国参拝や11月に予定されている離島奪還訓練などは、日米中関係に関する長期的展望に立った戦略の一環としてなされるのか、“現在”のことだけを念頭に行われるもたのではないかとの印象を受ける。中長期的戦略を持たずに米中の動きに反応していれば、自民党政権が復活しても米中の戦略ゲームの中で漂流することになる。”次期”政権は状況に対処できず短命に終りそうである。
(参照)尖閣諸島、中国漁船の領海侵犯事件は毅然と対応すべきだが10年後の米軍撤退後の防衛体制の構築も急務だ! 2010-09-23 22:27:48