（34）心理学-2 アタッチメント

アタッチメント理論（愛着理論）は、心理学の中で人の心の仕組みを理解する大切な理論として今日も引用されています。弁証法的行動療法を学ぶ医師や心理療法士、治療を受ける患者もアタッチメント理論を学んでいます。現在子育て中の方、これから親になる方にも参考になると思います。ニュースで児童虐待が報道されるのを見るにつけ、学校の理科か保健体育の時間に、アタッチメント理論の授業を取り入れた方が良いのではないか . . . 本文を読む

（35）心理学-3 44名の少年犯を調査

この記事は『心理学-2　アタッチメント』の続きです。その中で、母子関係阻害説と、感情喪失型心理障害という聞きなれない言葉がでてきました。 母子関係阻害説（マターナル・デプレベイション　maternal deprivation）は、母親が育児することこそ最善だという考えに基づいています。言い換えると『育児はお母さんが担うものだ』『育児の成否はお母さんの責任だ』ということです。 感情喪失型心理 . . . 本文を読む

（36）心理学-4 赤ちゃんの脳と危険な育児 サイレントベビー

この記事は、赤ちゃんが母語を獲得するしくみ、幼児に与える英語教材の問題、サイレントベビー（silent baby）、トラウマの形成について記述します。 英会話教室の広告を見ると『小さいうちから英語のシャワーを浴びましょう』『幼い時に英語耳を作りましょう』といったものがあります。生後間もなく英語のビデオや音声教材を与える親御さんがいると思いますが、その学習効果はないどころか、かえって子どもの成長に . . . 本文を読む

（37）心理学-5 ストックホルム症候群

引用サイト ・BBC NEWS What is Stockholm syndrome? ・Counselling Resource Love and Stockholm Syndrome ・stockholm syndrome resources ・What is Stockholm Syndrome? (Mental Health Guru) ・PATTY HEARST KIDNAPPI . . . 本文を読む

（40）マーシャ・リネハン博士、闘病体験を公表 英字新聞より

マーシャ・リネハン（Marsha M. Linehan ）博士は『弁証法的行動療法』を確立したことで有名な方です。ニューヨーク・タイムズでは、『心理療法の権威、闘病体験を公表』との見出しを掲げていますが、ＮＹＴ紙が記事として取り上げる前から、博士ご自身が、境界性パーソナリティ障害を抱えてこられたことは既に知られていました。ＮＹＴ紙が、『公表』と表現しているのは、博士の病歴の公表に留まらず、博士がク . . . 本文を読む

（41）マーシャ・リネハン博士、闘病体験を公表-2

『責務を果たす』 『自殺企図のもっとも深刻な患者さん、最悪の症状の患者さんが私の治療対象です。世の中にこれ以上哀れな人はいないでしょう。自分は邪悪で、常に自分はダメなんだと思い込んでいます。しかし、それは違うのです』と博士は語る。『私は患者さんの苦しみをよく理解できます。私もその地獄の苦しみを経験し、そこから逃れられるとは思ってもみませんでした。』 現在、博士は主に境界性パーソナリティ障 . . . 本文を読む

（42）エクスポージャー法（暴露療法） パニック障害などへの治療

～エクスポージャー法　乗り物恐怖症に効果を発揮～ Intensive Exposure Therapy 　 ～動画あらすじ～ 乗り物恐怖症を抱えるサダラさんは、2年前から全く地下鉄に乗ることができなくなり、1年前にはエレベーターに乗ることもできなくなった。そのほか、バスに乗ること、自動車の運転も。サダラさんは、ボストンの心理療法士のもとでエクスポージャー法という治療を受ける。心理療法士 . . . 本文を読む

（43）精神科医の不足 ピア・サポート 家族支援

アメリカでは精神科医が不足していると叫ばれていますが、日本ではどうなのだろうか？そんな思いから統計を調べてみました。どうも日本の精神科医は、その絶対数が不足しているようです。治療者を育成し数を増やすことも必要ですが、それだけでは追いつかないのが現実ではないでしょうか。ピア・サポート・システム（※）の導入が、一つの対策として浮かび上がります。 ※　ピア・サポート・システム 知識や技術を持つ専門 . . . 本文を読む

（44）境界性パーソナリティ障害からの回復

～治療を受け回復する方たち～ 境界性パーソナリティ障害について、研究者、治療者の方が立ち上げる英語のウエブサイトは数多くあります。それに比べると、境界性パーソナリティ障害を抱えるご本人が立ち上げるウエブサイトはそれほど多くはありません。人によっては文字を起こしてブログ（blog）にするのに長けている方がいれば、自分が語ることをビデオに録画しブログ（vlog）にする方もいます。あえて自分の身分 . . . 本文を読む

（45）境界性パーソナリティ障害からの回復-2

～Tim Cracknellさんの動画～ Out Of The Darkness: Borderline Personality Disorder & Me 暗闇を照らす光 境界性パーソナリティ障害の私 子どものころは、無邪気で楽しかった ところが、おとなになって私は壊れた なぜなのか、分からない 極端な感情の変化に、振り回される 怒り 逆上 恐怖心 幸福感 落 . . . 本文を読む

（46）境界性パーソナリティ障害からの回復-3

アメリカ、アーカンソー州に住むジョーダンさんを紹介させていただきます。ジョーダンさんは、境界性パーソナリティ障害を抱えるクリスチャンです。真っすぐに聖書のみことばと向き合い病気と戦う姿に、教えられるものがあります。 境界性パーソナリティ障害の不安定な認知と行動化について語っているくだりがあります。境界性パーソナリティ障害を理解するための参考になると思います。ジョーダンさんが回復の道を歩むお話 . . . 本文を読む

（50）妻の育った家庭環境

～家庭の緊張～ 不遇な家庭環境が即病気につながる訳ではないのですが、それでも大きな誘発要因と考えられています。妻のお父さんはお酒の好きな方で、アルコール依存でした。「自分のおやじも、のん兵衛だった」と仰っていました。お父さんは几帳面、生真面目で、神経質な方でした。暴力を振るうまでの様子はないのですが、常に攻撃的な言葉遣いをする方で、近所の住人と口論をしたり、自宅に来た営業マンに、長い時間絡む . . . 本文を読む

（51）妻との生活-1

～言語化が苦手～ 妻は、言葉で人に何かをお願いする事ができませんでした。「申し訳ないんだけど、○○やってくれない？」と言う言葉を、結婚してから、一度も聞いたことがありません。境界性パーソナリティ障害の方は心の中に強い劣等感がある為、少しでも自分がおとしめられると感じると、激しく抵抗します。自分が人よりシタテに出て、何かをお願いをする事は、自分をおとしめる事だと感じてしまうのでしょう。それで相 . . . 本文を読む

（52）妻との生活-2

～不妊と性病～ 私たち夫婦は長い間、子どもに恵まれませんでした。不妊治療をしてみようと話し合い、病院で検査を受けました。妻からクラミジアという性病が見つかり、不妊の一因が分かりました。妻は浮気相手から性病を移され、妻を通して私にも性病が移されていました。 ところで、妻を見てきて感じるのは、健気さ、真面目さで、ふしだらという感じではないのです。強い愛情飢餓があり、健気に人を信頼したいという一 . . . 本文を読む

（53）むすび

～ご家族へのサポート～ 私は、別居に至るまで、誰にも相談できませんでした。おかしな話ですが、自分が深刻な状況に陥っているのに、頭が混乱しているため、何を相談していいのか分からないのです。妻に心の病気があるとは、微塵も思っていないので、私たちは普通の夫婦で、どこにでもある夫婦喧嘩なんだと思っていました。このつらい思いも誰もが経験するつらさであって、我慢するべきものだろうと考えていました。友人や . . . 本文を読む