元妻は境界性パーソナリティ障害だったのだろうか

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(31)YouTube動画 「ご家族の方へ」

2011年01月19日 | 境界性パーソナリティ障害
~境界性パーソナリティ障害 ご家族の方へ~

Borderline Personality Disorder - Information for the family


Borderline Personality Disorder - Information for the family
Bpdfamily 制作


著作権の関係でYoutubeの動画は、サイレントになってしまいました。サウンド付きの動画はBpdFamily.comのサイトで見ることができます。次のリンクをクリックしてご覧ください。

リンク先
http://bpdfamily.blogspot.jp/2010/09/video-what-is-borderline-personality.html


動画スタート


こんなにも理解に苦しむ、人間関係があるのだろうか?


制作
Facing the Facts 
真相を知る
もし、大切な人が境界性パーソナリティ障害だったなら・・・
http://www.bpdfamily.com


境界性パーソナリティ障害という病気をご存知ですか?


「どうして、家庭内でこんな事が起こるのか分からない」
「薄氷を踏むような、張りつめた日々を過ごしている」
「正しい事が、ねじ曲げられる」
「何をやっても、報われない」

こうした状況であれば、境界性パーソナリティ障害と関わりがあるかも知れません。


「たまたま、その時が不機嫌だった」 のでしょうか?
そうでは、ないかも知れません。


アメリカ精神医学会では、境界性パーソナリティ障害の特徴である、275にのぼる項目を作成しています。


低機能型の境界性パーソナリティ障害の場合、自傷行為や自殺願望といった行動が伴い、明らかに正常ではないことが分かります。

境界性パーソナリティ障害は様々な姿を持ちます。高機能型と言われるものは、問題が表面化することがないよう、巧妙にその姿を隠します。それで「隠れた境界性パーソナリティ障害」とも呼ばれています。


「境界性パーソナリティ障害は、理解しにくい障害です」

家庭内でしか問題が起こらないと言った場合もあり、密室での病気とも言えます。

あのダイアナ妃の気性の激しさは、境界性パーソナリティ障害に因るものではないかと指摘する専門医もいます。

境界性パーソナリティ障害の方は、家の外では優れた評価を受ける場合もあるのですが、一方で、私生活が破たんしています。


境界性パーソナリティ障害とは、どのようなものでしょうか?


外見は大人であるにも関わらず、情緒など内面に未発達さがあります。

病気の原因は幼児期にまでさかのぼり、何らかの苦痛に満ちた体験が、情緒の発達を阻害した為であると言われています。

境界性パーソナリティ障害の方は、自分が大人であるとの認識を持っていても感情や行動に幼さを表します。

こうした特徴が常に見られるということではありませんが、影を潜めている時でも、依然物の考え方や、感じ方に変わりはありません。

家庭内で起こる何らかの緊張をきっかけとして、表出される事が多いでしょう。


「恋愛では、出会って早々に深い関係に陥ります」

境界性パーソナリティ障害の方が、恋愛関係に入ると次のような事が起こります。
相手を理想化する。
賞賛する。
出会って早々に、深い関係になることを求める。
無理な事までも引き受け、全力で相手に尽くそうとします。
こうする事で、恋愛感情の極みに浸っているのです。

やがて境界性パーソナリティ障害の方は、非現実的な過大な要求をするようになります。相手がそれに応えられないと、先ほどの賞賛する態度からさげすみへと一転します。

こうなると境界性パーソナリティ障害の方は、怒り、敵意を表し、ののしり、復讐心すら見せるのです。


「感情を抑制する力の弱さ」

境界性パーソナリティ障害の方は、普通の人にはない感情の起伏があります。僅か数分間でも極端に感情がアップ・ダウンします。

感情表現(芸術など)において、ひと際だったものを持つという場合もありますが、家庭内においてその感情のコントロールができないという側面があります。幼い子供のように、喜び、怒り、不安などを、開けっぴろげに表します。

境界性パーソナリティ障害の方は、分をわきまえない要求をすることがあります。
相手ができないような、過大な要求をする。
自分の主観に合うよう、事実を歪める。
いらついた気持ちのはけ口に、他人を利用する。
時には、爆発させるような怒り方もします。


「物事を、真っ白か、真っ黒かで分ける両極端な見方」

境界性パーソナリティ障害の方は、人物や物事の評価を最高か、最低かの両極で判断をします。

物事にはそれぞれに、程度や度合と言うものがあるのですが、こうした中間の見方ができません。

事実に基づくのではなく、自分の感情に基づいた認識をするので、コロコロと評価が変わります。

また、話し合って取り決めをする事や、譲歩をすることを苦痛に感じます。こうした事を強要されると、裏切られた、騙された、侮辱されたなどと感じます。


「見捨てられる事への恐れ」

境界性パーソナリティ障害の方は、見捨てられる事を恐れています。例えば、あなたが友人と共に終日仕事で出張しただけで、「自分は見捨てられた」と感じるのです。

この見捨てられ不安は極めて強く、仕返しに不貞行為をすることもあります。また、敗北感を味わう事を恐れるあまり、威圧的な態度を取る傾向があります。こうした事が起こるのは、親密な間柄においてです。

こういう訳で、長くお付き合いを続けたり、人間関係を深めたり、信頼を築き上げるということが、難しいという特徴があります。


「ネガティブな感情の投影(転嫁)」

境界性パーソナリティ障害の方は、自分ができなかった事、間違ったことをしたとしても、責任逃れをして他人に転嫁(投影)することがあります。

責任転嫁せずにはいられないほどの、強い羞恥心を覚えるからです。

境界性パーソナリティ障害の方には、相手の過ちを強く糾弾する傾向があるのですが、内心では、自分に咎めを感じているのです。

境界性パーソナリティ障害の方は、周囲に影響を与えているように見えるのですが、実はそれ以上に内面では、周囲からの影響を強く受けています。


では、どのように対応したら良いのでしょう?


「次の事を心がけましょう」

先ずは、ご自身が強くなって下さい。
健全な感覚を持っているのはあなたです。あなたが導き手となるのです。

ご自身を大切にしてください。次に、他の家族に援助をして下さい。
腰を据え、将来の展望を持ちましょう。

境界性パーソナリティ障害の方が主役のドラマに、家族が引きずり込まれない様にしましょう。


「次の事を心がけましょう」

多くの資料に目を通して下さい。
手っ取り早く解決できるとか、楽に解決できる方法はありません。できるだけ多くを学んでください。そして、やっていい事と、やってはいけない事の区別をつけましょう。

例えば、心の病気であると告知することは、破壊的行動を引き起こすことになります。


「次の事を心がけましょう」

専門医にアドバイスを求めましょう。
ご自身の周りに、心の病気を扱う専門医がいないか、あたってみて下さい。
こうした特徴が見られるからと言って、必ずしも境界性パーソナリティ障害とは限りませんが、
ここで申し上げることは大切な事です。十分理解をして下さい。

こうした症状は、家庭のような密室で生じるので、掛かりつけのお医者さんや、一般のセラピストには理解してもらえない場合があります。もし、境界性パーソナリティ障害の可能性を疑われるようでしたら、境界性パーソナリティ障害を扱う専門医にご相談ください。


「次の事を心がけましょう」

各支援機関と連絡を取ってください。
この病気との取り組みは、専門医でさえもそれ相応の覚悟を持って臨むのです。ご家族であれば尚の事でしょう。

各関係機関と連絡を取る事。また、自分自身のケア・サポートも取り付けておく事。これは絶対条件です。

当支援団体BPDFamily.comも、きっとお役に立てることと存じます。


「次の事を心がけましょう」

無益な口論に付き合わない事です。
議論の応報、延々と続く言い訳、怒鳴り合い。こうした事は望ましくない結果を招きます。仮に、あなたの主張に筋が通っていたとしてもです。

次の事に心を配りましょう。忍耐を持って語りかけること、コミュニケーション技術を確立すること、限界設定を設けること、環境を整えていくことです。


「次の事を心がけましょう」

あなた自身の力で、病気を治す事はできないのです。
治療に向かうかどうかは、境界性パーソナリティ障害の方ご本人の意思が決めることです。

あなたは現実を受け入れ、境界性パーソナリティ障害の方との生活の一翼を担えばいいのです。

簡単に問題は解決しないでしょうが、常に希望はあるのです。

Facing the Facts
www.bpdFamily.com

以下、キャスト紹介は省略します
動画終了


 
あなたはわたしを多くの重い悩みに
あわされましたが、再びわたしを生かし、
地の深い所から引きあげられるでしょう。
詩篇71篇20節 口語訳





2 コメント

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とても参考になりました (井藤美勝)
2013-02-19 04:31:03
対処の仕方、具体案ないものですかね。現状把握はできるものの、また、その種の内容を書いた本や論文は多いものの、それを何度見ても一緒です。そこから先、ではどういう治療方法が?となった時、あまりに遅れた現状に希望を失いかけます。今の日本の精神医療はお粗末すぎます。これは言い過ぎでしょうか。
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井藤美勝 さま (ぶどうの木)
2013-02-24 06:16:24
境界性パーソナリティ障害の方は、非常に敏感なところ、傷つきやすいところがあるようですから、その場の空気を読んであげながら、あるいは表情に注目をしながら臨機応変に対処しなくてはならないところがあると、私は思います。具体的な対処法を求めるよりは、問題行動の背後にある根っこの部分を理解しながら、臨機応変に対処するくらいのことしか、私には分かりません。私の場合ですが、関係を悪化させないため『やってはいけないこと』を集めてきました。関係において『不認証を再現しないこと』というのは、大きなテーマだと思います。それぞれに生育の歴史がありますから、何が不認証となるかは、個人個人違うとことがあるかもしれません。境界性パーソナリティ障害の方の行動、爆発的怒りはパターン性があるので、そのパターンを理解すれば、回避することもかなりできると思います。

マーシャ・リネハン博士が弁証法的行動療法(DBT)を確立されたのが、1980年代後半、その後、アメリカの臨床家たちにDBTが広まったのは、1993年のことで、博士が弁証法的行動療法の解説書『Skills Training Manual for Treating Borderline Personality Disorder』『Cognitive-Behavioral Treatment of Borderline Personality Disorder』を出版されたことがきっかけです。日本で弁証法的行動療法の解説書が出版されたのが最近のことですから、単純に言えば20年近くの遅れがあると言えるかもしれません。1990年代にはアメリカ以外のほかの国でも、弁証法的行動療法を治療に取り入れてきた国があります。

個人の治療者が治療法の参考として学ぶことができるでしょうが、弁証法的行動療法は医療スタッフがチームとなって治療に当たることが前提になっているので、ある程度以上の規模の大きい病院の方がスムースに導入できるようです。一方、アメリカでも個人のクリニックで弁証法的行動療法を取り入れ、治療にあたっているところもあるようですから、日本の個人のクリニックでも、これを参考にして導入できると思います。

今後、日本で有効な心理療法が広まるためには、大学、大学院でこうした心理療法の研究、教育がされること、患者の診療費の負担をどのように軽減するか、心理療法が保険診療点数として認められるかなど、環境面で整備されなくてはならない問題もあるようです。また、境界性パーソナリティ障害という病気に対する社会や治療者のスティグマを無くしていくことも、大切なことのようです。

『臨床家の立場よりBPDを再考する Rethinking BPD: A Clinician's View』という動画があって、マーシャ・リネハン博士が臨床家向けに、弁証法的行動療法の治療法を講演しているものがあります。この講演の冒頭、博士は、ある一人の患者さんとの親交を語っています。

よその病院で長いこと入退院を繰り返していた患者さんがいて、自傷行為、自殺企図がひどく、一向に回復の兆しが見えず、治療が頓挫していた時、リネハン博士の治療を受けてみるということになり、彼女はリネハン博士のもとに送られてきました。1年以上にわたる治療を受けた結果、大学卒業まで果たし、自立し教師として職を得て働くまでに回復されました。しかし、残念ながら、その後、彼女は統合失調症を発症し、教師の仕事を辞めざるを得なくなったのです。リネハン博士のところに、ロサンゼルスに住む彼女から何度か近況を知らせる連絡もあり、博士にとって、彼女は大切な存在だったので、リネハン博士はロサンゼルスに赴き、昼食を共にし、彼女の身に起こったつらいできごとを聞き、涙で頬を濡らした・・・という内容のおはなしです。

臨床家たちを目の前に、博士はどうしてこんな話をしたのでしょうか?このリネハン博士の行動を『一人の患者に、随分入れあげてるな』と眉をひそめる専門家もいたかもしれません。ここでリネハン博士が伝えたかったのは、治療者は偏見の目を捨てて患者と向き合っているだろうか?彼らも友人となりえるかけがえのない存在だということ。また、治療法のスキルといった知識のみならず、暖かい血の通った態度が治療者に必要不可欠なんですよと訴えているものと、私は理解しています。

境界性パーソナリティ障害は偏見に満ちた見方をされてきました。これは海外でも同じようです。リネハン博士の弁証法的行動療法は、広く伝えられましたが、オーストラリア精神病院(SANE Australia)も、弁証法的行動療法を採用しているところです。この病院が立ち上げてるウエブ・サイトを見ると、この病院は『Stigma Watch』という活動をしています。これは報道機関、テレビ、映画などで心の病気について偏見を助長するような表現がされていないかチェックをし、必要であれば是正を申し出る働きのことです。リネハン博士の治療理念はこうした形で育っているんだなと感慨深く感じました。日本で境界性パーソナリティ障害についての前向きな研究が遅れてきたのは、治療者自身が抱く偏見、社会が抱く偏見も原因の一つではないだろうかと思わされるのです。

日本で、境界性パーソナリティ障害についてのウエブ・サイトを検索してみると、境界性パーソナリティ障害に誤解や偏見を与える内容の多いことに、がっかりします。中には精神科医や臨床心理士を名のる方が書かれたものもあります。日本で境界性パーソナリティ障害の治療を進めていく上で、真に有効な情報、理解を深められる情報、スティグマを無くしていく情報を発信していただきたいものです。

聖書にはこんな言葉があります。神様がユダヤ民族に与えた戒めの一つです。『あなたは耳の聞こえない者を侮ってはならない。目の見えない者の前につまずく物を置いてはならない。あなたの神を恐れなさい。わたしは主である』

自戒を込めてですが、境界性パーソナリティ障害の方を、侮った内容のウエブ・サイト、つまずきを与えるようなウエブ・サイトは、神様のみ心ではないと思うのです。


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