元妻は境界性パーソナリティ障害だったのだろうか

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(32)お付き合いの仕方

2011年01月19日 | 境界性パーソナリティ障害


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「Facing the Facts」
Articles---Article4より


第4特集 ★★★★★ より良い関係を築く第一歩 (新規掲載)


関係改善を図る第一歩は、それ以上関係をこじらせないことです。その為、あなた自身が一役買うのです。本稿の内容は「ご自身の対応を改めること」と「破壊願望の抑制」に要約することができます。破壊願望の制御がきかない言動は、二人の関係を回復できないほど壊します。この第4特集では、関係悪化を食い止める対処法をご紹介します。

黙っていたままでは何も変わりませんね。ですからご自身が変わる事から始めるのです。初めに、ご紹介するのはご自身の健康管理です。境界性パーソナリティ障害との関わりは、とても精神的に消耗します。続いてコミュニケーション・スキルの学習、限界設定の学習、ご自身のバウンダリー(責任範囲など)の学習です。意欲的に取り組んで下さい。


注 バウンダリーの意味を『翻訳徒然草-1』に載せました。ご参照ください。


この特集内に3分のビデオを掲載しました。Alan Fruzzetti博士提唱の対処法を、分かりやすく紹介したものです。また当スタッフの一員の「こうして関係改善ができた」という、体験談も紹介しています。あなたにも関係改善はできます。

注 特集内のビデオは別の記事にあります。YouTube動画「怒りのコントロール」をご参照ください。


「より良い関係を築く第一歩」

「関係改善を急ぐ前に、それ以上相手との関係をこじらせないこと」

その為にはご自身が先手を打ちます。これからお話しするテーマは以下の通りです。
・ご自身が関係悪化をさせないと誓うこと。
・今までの対応を振り返り、改めるべき点とその改善方法について。
・ご自身の破壊願望(衝動性)の抑制方法について。

衝動的破壊行為は、二人の関係を修復できないくらい壊してしまいます。


「今後、関係をこじらせないと誓う」

先ずは誓いを立てましょう。頭に血が上り自制できなくなり、相手の気持ちを逆撫でする事を言ってしまった事はありませんか。ご自身がこのような状態では、折角学んだ理論や対処法は全く生かされません。

これから学ぶ対処法がしっかりと身に付くまで、この「誓い」が当面の規範となります。感情の抑制を失いかけた場合この「誓い」を思い出して下さい。「誓い」がご自身を律するものになります。

過去に僅か3キロしか走った経験がないのに、いきなりフル・マラソンをやろうとしても無理ですね。このようなコンディションでは走ろうと思っても体が付いて行きません。本気で競技に臨むなら、毎朝早起きをし何カ月も練習し本番に備えます。固い決意があればこそ、足が痛む時でも走る事ができます。

優れた才能に恵まれていても、意欲に欠けていては力を発揮できません。

折角対処法を身に付けても、心が強い陰性感情(破壊願望など)に支配されるなら、学んだ対処法も発揮できません。こうした精神状態では、憂き目に会うだけです。

苦痛を感じている状況に捕らわれてしまってはいけません。一度心を落ち着け、これからあなたが目指す新たな目標に思いを向けるのです。困難な状況でも対処できるよう訓練をしましょう。


「正義の主張をやめる」

たとえ相手から嫌がらせをされ約束を破られ非難をされたとしても、ご自身も同じ仕返しをするなら互いの関係をこじらせるだけです。この事を理解して下さい。

相手に仕返しをするという対応は正しいのでしょうか?相手は報復を受けて当然なのでしょうか?

相手に嫌がらせで対抗することは、良い結果をもたらしません。先ず、あなた自身が思いやりある態度を示しましょう。そうすれば、いつかは相手も同じ態度を取るようになります。

「復讐をして当然だ」と互いが主張するならば、思いやりある関係は築けません。あのガンジーが言った様に「目には目を。この復讐律は世界中の人を盲人にしてしまう」のです。

相手を傷つける事が本当の目的でしょうか?

ご自身が傷つくことが目的でしょうか?相手を傷つけ自分も傷つけられる苦しみが、繰り返されていくのです。

これを食い止められるのは、あなたです。


「口論の土俵を降りる」

「降りかかる火の粉は払わねばならぬ」と言われますが・・・

二人の関係を守る為に喧嘩を避ける事は、決して敗北ではありません。仮に相手を言い負かしたとしても、あとで自分が言い負かされる事になります。口論をしないことは勇敢な行為です。それは、ご自身が打ち負かされる事の無いよう戦うことです。

勝ち敗けを争うなら、両者に敗北を招きます。攻撃をしない事こそが、お互いに勝利をもたらします。ご自身の自尊心を守り、二人の関係を守り、相手が傷つく事から守るのです。つまり誰も敗者になりません。

「義を見てせざるは勇なきなり」と、やられっ放しでは、敗北感や屈辱を感じるものです。しかし、争いを止めるという事は勇気を必要とし、強い意志や賢明さも必要です。決して不名誉に値する事ではありません。


「怒りで自分を見失わないために」

先ほどの箇所で「口論になっても互いの関係をこじらせない」と誓いました。続いては十分に訓練を積みましょう。

今までは、中傷されると怒りで自分を見失いご自身も言い返してきました。ところで、この状況は予め予測を立てる事が可能です。今まで何度も口論を繰り返してきたと思います。傷つけられた言葉、気持ちを逆なでされた言葉を幾つも覚えていますね。これらの言葉を思い出し書き出しましょう。あなたが仕返しをしようと頭に血を上らせた、その相手の言葉を「引き金」と名づけます。文字通りご自身が怒りを爆発させた「引き金」だからです。


「自己制御の事前練習」

「引き金」とあらかじめ立てておいた対処法とを頭に入れておき、相手が「引き金」を引き始めた場面で対処をします。多くの「引き金」を頭に入れましょう。いつ相手が「引き金」を引いてきても冷静に対応ができ、相手に仕返しする事がなくなります。「引き金」をコントロールし主導権を握るのはあなたです。

できるだけ多くの「引き金」を頭に入れましょう。

ご自身が「引き金」に左右されない事が重要です。今まで繰り返されてきた口論は「売り言葉に買い言葉」と言った無意識のパターンが身に染みてしまった結果です。これからは「売り言葉に買い言葉」ではない別の対応をするのです。

次に冷静な対応に必要な、リラックス法をご紹介します。

弁証法的行動療法(DBT)より、心的苦痛をやわらげる方法をご紹介します。

・口論の場を離れ気持ちを静めるため、散歩に出かける、本を読む、運動をする、のんびりと時間を過ごすなどの行動的方法。

・祈りを捧げる、自分の長所を思い浮かべるなどの精神的方法。

・静かな音楽を聴く、好きな物を食べる、好きな本や詩を読むなどの五感的方法。

・友人と電話で話す、メールを送るなどの社交的方法などです。

すぐにできるものもありますが、支度が必要なものもあります。ただし、相手との関係をこじらせる事なくきちんと話を切り上げたあとに取りかかって下さい。

自分の感情をストレートに言葉にする事も時には必要ですが、思慮深く、落ち着き、目的や純粋な気持ちなどを相手に伝える事こそ真実な態度です。相手を咎める言葉はふさわしくありません。



---囲み記事---------------------------------------------------


典型的な引き金と対処法を頭に入れましょう。次にこの両者を統合します。

「引き金」を思い出して下さい。

次の項目をイメージして下さい。

・関係をこじらせるのが目的ではない事。
・ご自身にとって、相手はかけがえのない存在である事。
・ご自身が対応を誤り関係をこじらせてしまった状況。
・自尊心を保ちつつ、かつ相手を尊重できた状況。

「いがみ合うカップルへ」より引用 Alan Fruzzetti博士 著

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「破壊願望の管理」

誓いを思い出し対処法を訓練する事で自制する事ができます。次に、相手を傷つけんばかりのどうしようもない怒りがこみ上げた時の対処法をご紹介します。

好物のスイーツをもっと食べたかったけれど、我慢したという経験はありませんか?或いは、仕事をサボりずっと寝ていたいと思ったことはないでしょうか?誘惑に負けてしまった事もあるかも知れませんが、健康や生活に支障が起きないようご自身の欲求をコントロールしてこられたはずです。

このように、欲求や本能を抑制する力は重要です。今までは防衛本能が昂じてしまい口論を繰り返してきましたが、これからは感情をコントロールし相手を傷つけたり、口論に巻き込まれないようにします。

怒りで自分を見失いそうな時、次に紹介する3つの対処法が役立ちます。難しくはありません。

A)不幸な結果をイメージする

体が疲れぐっすり寝込んでいるところに、目覚まし時計が鳴り響いたとします。アラームを切り、再び眠りにつきたいという気持ちが涌き上がります。ところが今日仕事を休めば上司に迷惑をかけ、且つ休んだ仕事の穴埋めで続く数日が大変になると思案します。数分後には起きて身支度を始める事でしょう。

つまり、安易に自分の欲求に従うなら不幸な目に会うと予想し行動を決定しています。これから長きにわたり、自身の言動を舵取りすることになりますが、この対処法が役立ちます。

B)客観的に自分自身を観察する

目覚ましが鳴った後、ずっと寝ていたいと言う欲求に負け仕事をサボるならまずい結果になると予測し、自分のなすべき事を正しく決定しました。自分を客観的に観察した時点で、すでに欲求は収まっています。

客観的に自分自身を観察するだけで、欲求を静められるのです。

C)希望ある未来をイメージする

「仕事をサボりずっと寝ていたい」と言う欲求が起こった時、自分の未来を考えたところがポイントです。譬えるなら、マイ・ホーム購入を目指し頭金を目標に貯金を始めたようなもの。関係改善に向けた希望ある一歩です。

「希望ある未来をイメージする」という対処法は、未来を形作る力となります。先ほどの「不幸な結果をイメージする」という対処法は、不幸な結果を避ける力となります。二つの対処法がひとつとなり効果を発揮します。


「これは誇りある務めです」 

二人は互いに納得した上で問題解決に協力し合い、緊張した関係は影を潜めます。二人の間の溝を埋める作業に共同で取り組み、今まで繰り返してきた口論は止みます。お二人は関係改善に向け歩き始め、同じ目標を持つ方々の模範となるのです。


この特集記事は、当BPDFamily.comのスタッフでもあるAlan E. Fruzzetti博士の著書「いがみ合う二人へ-弁証法的行動療法-口論を止め、思いやりを持ち、相手を受け入れる方法」からの引用です。

Alan E. Fruzzetti博士はこの分野での第一人者で、著書「いがみ合うカップルへ」は簡潔に分かりやすく書かれています。どうやって二人の溝を埋めたら良いのか悩んでいるお二人にお勧めの本です。著書では「境界性パーソナリティ障害」などの言葉を使っていないので、安心して境界性パーソナリティ障害の方へもお勧めして頂けます。

境界性パーソナリティ障害の方の攻撃性は、お二人の関係の中に根本的原因があります。「上手なお付き合い」や「親密度をUPさせる方法」などの月並みなアドバイスでは、お二人の関係は改善しません。


読者投稿文より

「ご自身が変わる事から始めましょう」

始めにご自身が変わりましょう。次の事を学んでください。

健康を回復し保つ事。

コミュニケーション・スキルを上達させる事。

限界設定を理解する事。

ご自身がやるべき事と、相手がやるべき事の線引きをする事。

ご自身がやるべき事をきちんと実行する事。

ご自身の感情抑制をする事。

ご自身が抱く感情を否定しないと共に、相手が抱く感情をも否定しない事。

ご自身の生活が支障を受けないと共に、相手の生活にも支障を与えない事。

重箱の隅をつつくような真似はしない事。

苦しさから逃れようと自らの命を絶たない事。 

自分を取り戻せる時間や場所を作ると共に、相手にも自分を取り戻せる時間や場所を与える事。

以上の事によりご自身は精神的健康を保ち、関係改善に取り組む事ができます。

人は自分を変える事ができても、他人を変える事はできません。

「ステファニーさん」の投稿記事より引用。

(以上、私訳)



↓英原文は、リンクをクリックしてご覧下さい。長文なので掲載しませんでした。

見出し記事 http://www.bpdfamily.com/tools/articles4.htm

本文 http://www.bpdfamily.com/bpdresources/nk_a104.htm 



以下の記事も参考に見てください。お付き合いの仕方が解説されています。

YouTube動画 「怒りのコントロール」

YouTube動画 「ご家族の方へ」




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