元妻は境界性パーソナリティ障害だったのだろうか

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(21)高機能型の境界性パーソナリティ障害

2011年01月19日 | 境界性パーソナリティ障害


~ある牧師のお話し~

『牧師になって最初に洗礼を授けた女性は、精神障害を持った人でした。深夜に電話をかけてきたり、リストカットをしました。病気は、境界性パーソナリティ障害と医師に告知を受けた後、しばらくは落ち着いていましたが、ある日、突然自殺してしまいました。 (中略) 境界性パーソナリティ障害の人たちは結構身近にいます。一見するとお付き合いが難しい人たちですが、その障害を理解する事で、良い関係を築く事ができます』。

この事例は、従来型の境界性パーソナリティ障害に見られる特徴です。


~高機能型の境界性パーソナリティ障害~

最近は、高機能型の境界性パーソナリティ障害と呼ばれるタイプも増えてきているようですが、日本では高機能型について詳しく解説している本やサイトが見あたりません。

従来型(低機能型)の場合、自傷や自殺企図といった行動が伴うのですが、高機能型と言われるタイプでは、自傷や自殺企図は見られず、反対に周囲の人へ攻撃的になるのが特徴です。妻の場合、暴力というよりも、中傷、虚言で精神的苦痛を与えたり、私を取り巻く周囲の人間関係を壊しました。

境界性パーソナリティ障害の方は、幼い頃受けた心の傷により、自分自身をダメな人間、価値のない人間だと思い込んでいます。そのような心の状況は、苦しいので家族を同じ状況に引きずりこもうとします。「あなたは最低」「冷酷」「だいっ嫌い」「嘘つき」と、自分が抱えるコンプレックスを、同居する家族に投影します。そうすることで、自分の心の安定を図ろうとします。家族は中傷(脱価値化)される事が続くと、洗脳作用が働き、家族の心にネガティブなセルフ・イメージが徐々に刷り込まれるという事が起きます。こうして、同居する家族が、言いようのない精神的苦しみを味わうことになります。また、周囲に虚言をふれ巻き、家族を取り巻く人間関係を壊し、家族を孤立させることもします。私のように、うつ病に追い込まれることも珍しくはないようです。

勤務先では普通に仕事をこなし、一見社会に適応しているように見受けられます。職業も弁護士、建築士、システムエンジニアなどのスキルの必要な仕事についている場合もあります。知能の面では問題がありません。職場での人間関係のように、一定の距離を置いた人間関係では、問題が起きにくいのですが、恋愛関係、夫婦、身の上を相談できるような接近した人間関係になると、著しい不安定さが表れてきます。

妻はこの高機能型の境界性パーソナリティ障害ではないかと思います。日本ではまだ広く知られていないようですが、関係する方々には、高機能型の境界性パーソナリティ障害についての理解を深めていただききたいところです。

海外のウエブサイトには、高機能型は一つのカテゴリーとして解説されています。家族に対する支援活動をしている団体が立ち上げているウエブサイトに高機能型についての解説が載っていたので、以下私訳させていただきました。


~英文サイトより(1)~

質問
境界性パーソナリティ障害とはどのような病気ですか?

回答
境界性パーソナリティ障害には、二つのタイプがあります。一つは、低機能型と言われるもので、これは自傷行為をして病院に担ぎ込まれるようなタイプで、数多く研究され臨床医が扱ってきた一般的な症例です。もう一つは、高機能型の境界性パーソナリティ障害です。この方たちは、どう見ても普通の人にしか見えません。中には著名な人さえいます。マーサ・スチュアート(タレント実業家)、次にダイアナ妃が高機能型を持つことで知られています。

高機能型では自傷行為をして病院に担ぎ込まれることは、まずありません。ところが、自分の家族に譬えようのない苦しみを与えることをします。家族は、自分が抱える苦しみを周りの人に打明けても、信用してもらえないということもあり、周囲に理解されないことにより、孤立が深まります。加えて、この高機能型は、診察においても、病識なしと誤診されがちで、治療支援に結びつかないケースが少なくないのです。こうして、高機能型の患者さんの問題は、なかなか改善しないということがあります。
(私訳)

Q: What is Borderline Personality Disorder?

There are actually two things called borderline personality disorder. There are the low functioning borderline patients that are hospitalized, that cut themselves, and who are the primary focus of many of the studies and more effective therapies.
Then there are the high functioning borderline patients that to all the world seem normal, or even saintly. Princess Diana is reputed to be one of these high functioning borderlines as is Martha Stewart. High functioning borderlines are seldom hospitalized, and create a situation of unbearable suffering for their families. The reason for this is that the families are not believed when they tell friends about the suffering they go through. This leads to further isolation and an unbearable feeling of being alone. In addition, since it most often goes undiagnosed, there is no therapeutic support in most cases for high functioning borderlines, so they most often never get better.
(原文 Facing the Factsより抜粋)


~英文サイトより(2)~

高機能型の境界性パーソナリティ障害

高機能型の境界性パーソナリティ障害の特徴は、低機能型(従来型)の境界性パーソナリティ障害とほとんど同じです。ただ一つ異なるのは、自分自身を傷つけないという事です。このタイプの人は、勤勉で、社会での人間関係では問題がなく、社交的である場合さえあります。このように普通に見えるのですが、他人の言動に取り乱したり、不機嫌になり、落ち込み、人を操ろうとすることが起きます。高機能型の場合も、境界性パーソナリティ障害による葛藤があるのですが、自分が生き続けられる術を駆使するという思考のメカニズムが特徴なのです。高機能型が低機能型より、ましだという意味ではありません。元々の素顔は同じなのですが、その上に異なる仮面を付け変えているようなものでしょう。
(私訳)

High Functioning Borderline
The High Functioning Borderline Personality shares many core aspects of the low functioning borderline personality, except for the fact that they can manage their lives, appear to be productive, and generally keep their relationships civil (even diplomatic in nature). High Functioning borderlines can appear to be normal, driven people one moment; then moody, inconsolable, and manipulative the next. Somehow, there is a mechanism within the minds of High Functioning Borderlines that allows them to lead somewhat “competent” lives, despite the fact that they are in a constant battle with BPD. High functioning BPDs are no better than low functioning: it’s basically the same face wearing a different mask.
(原文 Support mental health より抜粋)

英語で書かれた他のウエブサイトでも、高機能型(high functioning)の解説があり、同じように、社会生活に適応し自傷行為をしないこと、反対に家族を苦しめるという特徴が書かれています。

英語の『high functioning』を日本語では『高機能型』と訳されてきましたが、この英語は『社会適応している』という意味です。

高機能型、低機能型にしろ、典型的なタイプの方もおられますが、それぞれの特徴を併せ持つタイプ、重ね着しているケースもあるようです。家族以外での対人関係、職場での対人関係では目立った問題は見られませんが、帰宅してから、あるいは親密な間柄の人の前で、自傷行為、過量服薬をするというような、家の外では高機能型の特徴を見せ、家の中では低機能型の特徴を見せるといった両者の側面を持ち合わせている方もいるようです。

映画『危険な情事』では、弁護士ダンと、出版社で働く才女アレックスが不貞な関係に陥ります。見捨てられたと感じたアレックスは自分の手首を切ってダンに抗議するシーンがあります。職場では良識ある振る舞いをする女性が、ダンの面前で自傷行為をしたり、ストーキングをするといったシーンを思い出させます。

ダイアナ妃について『高機能型であった』または『低機能型であった』とか憶測されていますが、報道機関の前では問題なく振る舞う一方、家庭内では口論をきっかけに自傷行為をしたとのエピソードがありますから、高機能型と低機能型の重ね着タイプといえるのかも知れません。ダイアナ妃は幼少のころ、不遇な家庭環境で育ったと言われています。


~洗脳作用で苦しむ家族~

以下、「洗脳作用」について記述されたものです。洗脳作用は、同居する家族に言いようのない苦しみを与えます。今までは境界性パーソナリティ障害を持つご本人についての、研究がなされてきましたが、こうした家族に与える深刻な問題にも、目を留めて頂きたいです。同居する家族が、心の変調を訴えたり、自殺をするという問題も、海外では報告されているようです。今後、日本でもこうした研究、家族への支援が起こされるよう望んでいます。


~英文サイトより(3)~

境界性パーソナリティ障害の方と身近な関わりを持つ人は、咎めだてや、非難をされる事で、洗脳に近い状態に陥ります。洗脳する方法はそう難しくはありません。攻撃対象とする人を周囲から切り離し、同じ言葉を浴びせかけ、ある時は睡眠を妨げ、いくばくかの苦痛をも加えます。こうすることで、知覚は混乱を生じます。常に、気持ちを緊張状態にさせておき、疲労させ、知覚を攪乱させます。

以下、洗脳のやり方を幾つか挙げます

咎めだてや非難の繰り返し

境界性パーソナリティ障害の方は、常に神経を尖らせています。例えば、買い物袋の持ち方が悪いとか、布団のシーツが重苦しいとか、些細なことを原因にして家族にあたり散らします。ある家庭の子どもは、単に食事が早食いだという理由だけで、15年もの間、家族と一緒に夕食を食べさせて貰えませんでした。こうした攻撃性は、ともすると、精神的、肉体的虐待へ発展します。

二極思考

境界性パーソナリティ障害の方は、グレイゾーン思考がなかなかできません。物事の評価が、真っ白または真っ黒、最高または最悪で、二極化しなければ物事を理解するのが困難なのです。もし、彼らの言うことに少しでも意義を唱えようものなら、自分を脅かす敵対者と見なされます。

投影

境界性パーソナリティ障害の方は、空虚さ、恒常的な欠如感、言いようのない孤独感などにより、健全な感覚が失われています。自分自身のみにくい特徴、言動、感覚を否定しようと、これらのみにくい特徴を、周囲の人に転嫁します(しばしば倫理的に反するやり方も見られます)。以下、投影の例を挙げてみましょう。(括弧内は境界性パーソナリティ障害の方の本当の気持ちです)

「私があなたをハメようと、しているとでも言うの?それは、あなたのほうじゃない。」(この人は私の手に負えそうもない。脅威に感じるわ)

「大きな声を出さないでよ」(もお、腹がたつ。怒鳴りつけてやる)

「今まで、私のこと考えてくれたことあるかしら?自分のことしか考えないくせに」(私は、今自分のことで手一杯。あなたのことなんか構っていられないのよ)

「あなたが仕事中電話を取ってくれないから、こうして朝3時、自宅に電話しなきゃならなくなるんじゃない」(あなたと話したいの。私は何てひどい事をしてしまうのかしら。)

自己中心的要求

自分が注目を浴びたり、要求することに歯止めがかからない傾向があります。例えば、誕生日パーティーのような場で自分に注目が集まらなくなると、たちまち苦境に陥ります。また、境界性パーソナリティ障害の方は、助けを必要とする人を見ても助けるということが苦手であったりします(伴侶の看病など)。

対人操作(支配的対人関係)

境界性パーソナリティ障害の方は、しばしば周囲の人を操るかのような行動を取ったり、嘘を言うことがあります。これは、感情を操り相手を脅すという方法でしか、自分の要求を伝えられないからです。これは対人操作を意識して行っているというよりは、対人関係における対処法の未熟さから生じるものです。対人操作を受けた側の人は、恐れ、義務感、罪責感に捉われ、境界性パーソナリティ障害の方の手中に落ちてしまうのです。
(私訳)

Some people who enter into relationships with borderlines feel brainwashed by the BP’s accusations and criticisms. The techniques of brainwashing are simple: isolate the victim, expose them to consistent messages, mix with sleep deprivation, add some form of abuse, get the person to doubt what they know and feel, keep them on their toes, wear them down, and stir well.

The following are some ways in which this happens.

Continual blame and criticism:
Family members have been raged at and castigated for such things as carrying a grocery bag the wrong way and having bedsheets that weighed too heavily on the BP’s toes. One son who "ate too fast" was not allowed to join the family at dinner for 15 years. The criticism often crosses the line into emotional or physical abuse.

Splitting:
BPs have a hard time seeing gray areas. To them, people and situations are all black or white, wonderful or evil. Dividing the world into good or evil makes it easier for BPs to understand. But it means that if you don't agree with everything the BP says, you are a horrible person who is against them.

Extreme Projection:
Lacking a clear sense of who they are and feeling empty and inherently defective, people with BPD feel lonely and in excruciating pain. So they may cope by denying their own unpleasant traits, behaviors, or feelings by attributing them (often in an accusing way) to someone else. For example, the borderline may say (with real meaning in parentheses):

"You think I’m controlling? You’re the one who’s so controlling!" (I feel like I’m losing control right now and it scares me.)

"Stop screaming at me!" (I am so angry that I need to scream at you right now.)

"You never consider my needs. You’re always thinking about yourself." (My needs are so overwhelming to me that I can’t think about yours.)

"If you had taken my calls at work, I wouldn’t have had to call you at three o’clock in the morning at home." (I need to talk with you so badly that I’ll do anything to reach you.)

Narcissistic Demands:
Paying attention to themselves and their own needs, often to the extreme. For this reason, BPs sometimes have a hard time when other people are the focus of attention, such as birthday parties. BPs may also have a hard time giving support when it is needed (such as a partner’s illness)

Apparent Manipulation:
People who are about someone with BPD often feel manipulated and lied to. This may be the result of BP's of trying to get what they want the only way they know how-through emotional blackmail. This usually is not purposeful. Rather, it is the result of the BP not being as skilled in relating to others. Non-BPs are often prone to the BP's use of fear, obligation and guilt and give the BP what they want.
(原文 BPD central より抜粋)


~洗脳作用、対人操作~

心理学者の中には、『洗脳』『対人操作』といった言いまわしは、境界性パーソナリティ障害に誤解を与える表現だとして、改めるべきだと仰る方もいます。境界性パーソナリティ障害の方は『洗脳』や『対人操作』を意図してやっている訳ではないからです。対人関係の築き方や、相手に自分の気持ちや、意思を伝える方法が未熟なため、結果的に『洗脳』や『対人操作』をするように見えてしまうようです。



こちらもご覧ください。クリックすると、ジャンプします。

YouTube動画 「ご家族の方へ」 こちらの記事にも境界性パーソナリティ障害の解説が載っています。


翻訳徒然草-1
-1- 「high-functioning」は、日本語で「高機能」か?
-2- 日本で「high-functioning BPD」が積極的に、取り上げられない理由




あなたの恵みを私は楽しみ、喜びます。
あなたは、私の悩みをご覧になり、
私のたましいの苦しみを知っておられました。
詩篇31編7節 新改訳








11 コメント

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Unknown (回り道)
2013-09-04 16:12:03
はじめまして。
母親がこのタイプのようです。
私が、もっと若い頃に気付いていれば(でも最近でもまだまだ認知度は低いですね…)人生変わっていたかもしれませんね…。

世間では、大人がボーダーと関わってボロボロになると、被害者として扱われるのに、成人した子供が、「親がボーダーだったせいかも」と言うと、いい年して親のせいにするなと言われ、また子供が悪者になるんですよね。

結果、問題の原因が的外れになって、いつまでも苦しいんです。一度は、自分は被害者だったと認識しないと、先に進めないと思います。


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回り道さま (ぶどうの木)
2013-09-08 01:43:56
コメントをいただき、ありがとうございます。

私の好きな詩人に水野源三さんという方がいます。もう、天国に召されている方です。水野源三さんにお会いしたことはありませんが、彼が作った詩集は私の友人のような存在です。

源三さんは、小学校四年の時、地元ではやった赤痢にかかりその高熱が原因で脳性麻痺となりました。手足の自由を全く失い寝たきりとなり、話す機能まで失い、残されたのは聞くことと、まばたきでした。

源三さんは、脳性小児麻痺になったあと心が乱れ、死にたい死にたいと思い詰めていました。自殺をしたくても自分の手も足も動かないので、死ぬこともできませんでした。神を呪い、世間を呪い、暗い奥座敷で毎日を過ごしました。寝たきりの息子がいるということで、世間から白い目で見られる。そのような時代。自分から家を出ることができないので、訪ねてくる人が外の世界との唯一の接触でした。

源三さんが寝たきりになって5年後、ある牧師が寝たきりの少年がいるという話を聞き、源三さんの家を訪ねてきたのが、初めての聖書との出会いで、イエス・キリストを信じるきっかけになりました。源三さんが信仰を持ち、その後お母さん、さらにお父さんもクリスチャンとなりました。暗かった家庭が、源三さんを中心に明るい家庭に変わりました。

源三さんは家族の中心的存在となり、家族が抱える問題、悩みは、源三さんに相談をされていて、家族のアドバイザー的存在だったとのことです。

源三さんは詩や歌を作るようになり、のちにたまった詩集が出版され多くの人の目にとまることとなります。源三さんの詩集に感銘を受けた人が全国から訪ねてこられ、海外からの来訪もあったとのことです。源三さんの飾らない日常をうたった詩には、ぬくもり、希望があります。私は元気のない時に読むと元気がでます。

毎日寝たきりで話すこともできない源三さんが多くの人に生きる力を与えました。神様は、不思議なことをなさるお方です。

話すこと、書くことのできない源三さんがどうやって詩集を作ったかというと、源三さんのお母さんがあいうえお50音表のボードを作り、お母さんが50音表を指さし、源三さんがまばたきをして、一字が決まるというやり方です。まばたきで一文字一文字を紡ぐようにして詩を作ったということです。

水野源三さんの詩をご紹介します




「ただ感謝するだけ」

私は
家族

主のために
何も出来ない


家族の豊かな愛を
ただ感謝するだけ
ただ感謝するだけ




「悲しみよ」

悲しみよ 悲しみよ
本当に ありがとう
お前が 来なかったら
つよく なかったなら
私は今 どうなったか

悲しみよ 悲しみよ
お前が 私を
この世にはない 
大きな 喜びが
かわらない 平安がある
主イエス様の みもとに
つれて来て くれたのだ




水野源三さんは、首から下の体の機能を失い、生きることのつらさで神をも呪いました。その源三さんが、のちに多くの人にイエス・キリストの愛、希望を伝える働きに用いられたのです。源三さんはクリスチャンとなったおかげで、体の障害がなくなったでしょうか?源三さんはご自身の体が回復するように祈っていたのではないかなと思うのです。もし私が源三さんのような立場だったらそのように祈ります。体の回復という祈りは答えられることはありませんでしたが、その不自由な体のまま神さまは祝福された器として用いられました。体は動かないままでしたが、希望や感謝でこころが満たされるように変えられたのです。この源三さんの姿に、人間とは何なのか?人の価値とは何なのか?生きるとは何なのか?という問いへの答えを垣間見ることができると思うのです。

聖書に次のような話があります。イエスが3年にわたる旅の終盤、エルサレムを訪れた時の話です。

イエスはエルサレムに上られた。さて、エルサレムには、羊の門の近くに、ヘブル語でベテスダと呼ばれる池があって、五つの回廊がついていた。その中に大ぜいの病人、盲人、足のなえた者、やせ衰えた者たちが伏せっていた。{彼らは水の動くのを待っていた。}{主の使いが時々この池に降りて来て、水を動かすのであるが、水が動かされたあとで最初に入った者は、どのような病気にかかっている者でもいやされたからである。}そこに、三十八年もの間、病気にかかっている人がいた。イエスは彼が伏せっているのを見、それがもう長い間のことなのを知って、彼に言われた。「よくなりたいか。」病人は答えた。「主よ。私には、水がかき回されたとき、池の中に私を入れてくれる人がいません。行きかけると、もうほかの人が先に降りて行くのです。」イエスは彼に言われた。「起きて、床を取り上げて歩きなさい。」すると、その人はすぐに直って、床を取り上げて歩き出した。
ヨハネ福音書5:1~9 新改訳聖書

この箇所を読んでおや?と感じるところがあります。イエスが「よくなりたいか」と聞いているのに38年間寝たきりの男は「はい。よくなりたいのです」とは言わず「主よ。私には、水がかき回されたとき、池の中に私を入れてくれる人がいません。行きかけると、もうほかの人が先に降りて行くのです。」と、はぐらかすように答えています。

人は、時に変化を恐れます。38年寝たきりの男は38年間働くことができませんでしたが、エルサレム神殿を訪れる多くの人たちから施しを受け、食べたり着る物を手に入れることができました。初めのうちは泉が湧き上がる瞬間を待ち、奇跡の泉に体を沈め普通の体に回復したいと願っていました。しかし1年が過ぎ、5年が過ぎ、38年の歳月が過ぎると、この男は池のほとりに伏したまま、人の施しを受けて生きることに安住の地を見出していたのではないでしょうか?

「よくなりたいか。」というイエスの問いかけに、自分自身を振り返り動揺したことでしょう。「40歳を過ぎた今、この体がよくなったとして手に職もない自分が、社会人一年生としてスタートに立つのは大変だ。今まで通り池のそばで人の施しを受けて生きる方がよっぽどいいや」と。生きることへの失望、あきらめ、そして生活の変化を恐れる気持ちがあったがゆえ「はい。よくなりたいのです」とは答えられなかったと思うのです。

「こんなみじめな自分は厭だ」と思いつつも、一方でそんな自分に安住し変化を恐れるということが人にはあるのですね。

この同じ聖書の箇所を引用して、心理臨床家ヨハンズさんがご自身のブログの中で次のように述べておられます。

パーソナリティ障碍の方の精神医学的ないしは臨床心理学的な援助というのは、患者さんなりクライエントさんなりの自覚――「私は良くなりたい」という本気の思い――を前提としたその方による臨床への協力的姿勢や主体的な参加を俟つ部分がとりわけ大きいと言えるのですね。その意味でも、ベテスダの池でイエス・キリストが発した「よくなりたいか」という父性的な言葉は、パーソナリティ障碍の臨床に携わる諸賢にとっては示唆に富んだ言葉ではないかと愚考しているのです。
http://blog.livedoor.jp/johannes0108/archives/31666481.html
2013年08月15日 パーソナリティ障碍の臨床の諸問題(第一話)

こうした問題は心の病気に限ったことではなく、人間が抱える普遍的テーマのようにも思います。人を傷つけることば、人の期待を裏切る行動。罪深い自分。「よくなりたいか」と問われたとき、自分だったらどう答えるだろうかと内省させられるのです。

残念ながら私は専門家ではないので、こころに傷を抱える方がどのような過程を経て癒されるのか確かなことは申し上げることはできませんが、マーシャ・リネハン博士は「真に有効な治療法とは、理論に基づくものではなく実態に基づくものでなくてはならない」と仰っています。

私自身のことに関して申し上げるなら、本やインターネットで得られた知識や情報は知的興味を埋めることはできましたが、私が希望をもって生きる力となることはありませんでした。私の良いことも悪いこともすべてご存じでありながら、私を愛し力を与え導いてくださる父なる神さまが私の希望でした。

正しい知識を得るということも必要でしょう。学術的理論に興味を持つことも悪いことではないと思います。しかし、人は自分が支持する理論に熱中するあまり、激しい議論を交わすということもあります。こうした人間の議論はむなしいと聖書は語ります。

境界性パーソナリティ障害に関する掲示板や、2チャンネルには、詳しく勉強された方もいるようで、難しい理論や研究データを語ったり、激しい議論の応報をされるかたもいるようですが、こうした文面を読んで、生きる悩みを抱えている方にとって希望を与える力となるでしょうか?

人は理論に夢中になるあまり、しばしば実態を見失うということになるとリネハン博士は警告されていると思います。

「回り道」さんと同様、私自身かつて自分は被害者だという意識を強く持っていました。同時に妻に対する憎しみ、恨み、怒りで心が一杯でした。そんな自分がみじめでした。2チャンネルで語られる理論や議論が私に生きる力を与えてくれたことはありませんが、間違いなく、水野源三さんの詩は私に希望を与えてくれたものの一つです。これが私にとっての「実態」といえるでしょう。いろいろな情報を目にすることでしょうが、そのことばに、いのちがあるかどうかが一番大切なのではないでしょうか。

回り道さんが前に進むことができるよう、またご家族に祝福がありますようお祈り申し上げます。

私はエホバの証人(ものみの塔)、モルモン教会(末日聖徒イエス・キリスト教会)、統一教会(世界基督教統一神霊協会)とは関わりのない者です。


P.S
境界性パーソナリティ障害のことを、どのような呼称を使えばいいのか悩むところです。境界例、境界性人格障害、BPD、ボダ、ボーダーなどなどありますが、「ボダ」ということば使いをする人の文を読んでみると、境界性パーソナリティ障害を抱える方をあなどったり、中傷する内容が多いようです。「ボーダー」ということば使いをする人の文を読んでみると、中には境界性パーソナリティ障害を抱える方を見下しているような印象を受けることがあります。

英語でも Jap や Nip などということばは、日本人を見下している差別的ニュアンスを含んでいますが、ことばを短縮した形で使う場合、特に人に対してそれが使われる場合はそうした傾向があるようです。回り道さんに境界性パーソナリティ障害を抱える方を見下すような.お気持ちがないとは思いますが、ほかの人が見た場合誤解をされることがあるかもしれないので、追記とさせていただきました。私自身、境界性パーソナリティ障害について誤解や偏見を与えないようにと気を付けているところです。今後、ご配慮をいただけると嬉しく思います。



返信する
みるくさま (ぶどうの木)
2015-07-05 16:24:27
ご要望どおり、いただいたメッセージは、掲載しないのでご安心ください。

もしパソコン画面で見ているのでしたら、画面左側、タテに、最新記事、最新コメントなどがあり、もっと下がると『メッセージを送る』のボタンがあります。こちらから送っていただけると、送られたメッセージは公開されないようになっています。

みるくさまのプライバシーも考えなくてはならないので、私からの返事をブログで公開しても良いものか、しない方が良いのではないかと案じてます。フリーのメールアドレスで構わないので、送っていただけると、そちらに返信させていただきますがいかがでしょう。

お気持ちが切羽詰まっている状況ではないかと、案じています。好きなものを召しあがるとか、外の空気に触れて散歩してみるとか、リラックスできる何かかがあるといいですね。

今日は日曜日なので、教会に行ってきたのですが、次の聖書箇所の話がされました。

『わたし(イエス)の教えを聞いて、そのとおり忠実に実行する人はみな、堅い岩の上に家を建てる賢い人に似ています。大雨が降り、大水が押し寄せ、大風が吹きつけても、その家はびくともしません。 土台がしっかりしているからです。 反対に、わたし(イエス)の教えを聞いても、それを無視する人は、砂の上に家を建てる愚かな人に似ています。大雨、大水、大風が襲いかかると、その家はあとかたもなく、こわれてしまうからです。』 マタイ福音書7章24~27節

祈りつつ、ご返事をお待ちいたします。
返信する
Jeremyさま (ぶどうの木)
2016-01-19 03:00:53
コメントをいただき、ありがとうございます。

『社会福祉士を目指して(Social Work License Map's)』というサイトの『社会福祉士が覚えておきたいこと(Mental Health Statistics All Social Workers Should Be Aware Of)』という記事を引用させていただきます。アメリカの現状を数字で表したものです。

http://socialworklicensemap.com/mental-health-statistics-all-social-workers-should-be-aware-of/


****************

1年間、心の病気にかかる成人は、4人に1人の割合。
重い心の病気を抱えているのは、17人に1人。


慢性化した心の病気を抱える人のうち、その半数は14歳以下で発病。
75%の人は、34歳までに発病している。


自殺をする人は、毎年80万人。
40秒に1人の割合。


心の病気を抱える方が『社会は心の病気に理解がある』と感じているのは25%。


帰国した兵士は1日平均22人自殺をする。
その数は自殺者数全体の2割を占める。


2008年、重い心の病気を抱えながら治療を受けずにいた人は41.3%。

****************


アメリカでは心の病気の実態調査がおこなわれ詳細な数字が出されています。日本では、境界性パーソナリティ障害を抱える方が何人いるかのその人数すら分かっていないのが残念でなりません。日本で、境界性パーソナリティ障害についての研究がこんなにも遅れているのは、この病気に対する根深い偏見があり、境界性パーソナリティ障害の治療方法について取り組んでこなかったからではないかと思います。

日本で境界性パーソナリティ障害について偏見を助長するサイトが多いのは残念なことで、病気を抱えるご本人が治療に向かおうとする意欲をそぎ、同居する家族が抱える苦悩を増し加えるだけだと思うのです。

先の『社会福祉士を目指して』というサイトを見ると、心の病気については、受診につながらない傾向があり、重篤な心の病気でさえ41%の方が受診していないということです。日本でも同じ現状だと思います。

インターネットで『High-functioning borderlines』の文字が見られるようになったのが2001年以降で、それまではアメリカでも『高機能型』が定義されていませんでした。現在は2016年ですから15年が経ちました。しかし、日本の専門家の間ではいまだに高機能型について語られることがないようです。もう15年も経つのですからそろそろ日本でも高機能型について研究が行われ、同居する家族が抱える問題について対策が取られるようになって欲しいと願うものです。

日本では、うつ病と診断された方が毎年100万人いるといわれ、厚労省もその対策に努力してきましたが、境界性パーソナリティ障害は、うつ病よりも大きな問題を抱えているにも関わらずまったく見過ごされてきたといえます。境界性パーソナリティ障害がうつ病と大きく異なるのは、対人関係で問題が起こり、同居する家族も切羽詰まった状況に直面するところです。

境界性パーソナリティ障害の有病率を2%と仮定すると
日本国内で病気を抱える方は、254万人
同居する家族は、404万人
合計658万人

境界性パーソナリティ障害の方の数が254万人だとすると、同居する家族の数は404万人で合計658万人が支援を必要としているという計算になります。

『精神科医の不足 ピア・サポート 家族支援』

http://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/9180d85f602e2ebb32c0a8838061ce10


もし日本が『一億総活躍社会』を目指すのであれば、うつ病以外の心の病気についても実態調査をおこない、病気を抱える本人や家族への支援に取り組むべきだと思います。病気を抱える本人や家族とも、家庭が崩壊し、心身ともに疲れ果て、仕事を失い経済的に困窮していたり、子どもの成長への悪影響がでているという家庭は少なくないはずです。うつ病と違い、境界性パーソナリティ障害は家族単位で問題を抱えるという特徴があるといえるでしょう。

Jeremyさまがおっしゃる通り、境界性パーソナリティ障害を抱える男性の情報は少ないですね。境界性パーソナリティ障害を抱える男性が作った動画があり、このブログで紹介させていただいています。参考になるといいのですが。

『境界性パーソナリティ障害からの回復-2』

http://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/17477b842306942d1082b3ec8968bd7c


境界性パーソナリティ障害を抱える方と関わってその関係が破たんする場合を見ると、両者の間に垣根がなくなっていることが多いようです。時間やお金の使い方、好みや気持ちなどは、自分と他人では違うのが当たり前なのですが、自他の区別が曖昧な人は、他人に属するものを自分の意思でコントロールすることが起こります。コントロールされることが続くと、過大な犠牲をはらい、ストレスを溜めこみ、遂には関係が破たんするというパターンのようです。自分自身の反省を込めてですが、パートナーも自分の心の垣根を築いてこなかったというケースが多く見られます。

人と人との距離を保つなんて冷たい人だなと思われるかもしれませんが、そうではありません。人の力には限界があるのですから、際限のない要求にすべて応えることなどできないのです。健全なバウンダリーを身に付けることは大切なことです。バウンダリーについては『翻訳徒然草-1』をご参照ください。

http://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/83021f2647ea849a13da2a4a6e708ea3


Jeremyさまの心の傷が癒されるようお祈り申し上げます。

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Unknown (レモン)
2016-01-27 13:47:06
息子がこのタイプみたいです。今は別居して家に帰ってきています。相手を攻撃するのです。
追い出されて帰ってきています。それでも嫁とはたびたびあっているようです。コミュニュケーションがとれなく兄弟とも会いたがりません。仕事はきちんとしていますが、欝病もありますので なるべくおだやかに
再発しないように生活面は助けておりますがよい治療法などの情報などわかりたいです。少しでも改善してくれればよいと考えております。
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レモンさま (ぶどうの木)
2016-01-29 18:00:28
コメントをいただきありがとうございます。

頂いた文面から理解するほかないのですが、もし気にさわる内容があればご容赦ください。

コメントを読ませていただいて感じたのは、混乱されているということです。

お気持ちが動揺していたからかもしれませんが、コメントの始めに『はじめまして』とか『記事を読みコメントさせていただきます』といった挨拶文がありませんでした。私は、そのことで気を悪くしてはいるのではないのですが、少し気になりました。

人と会って話をする時でも『おはよう』『今日は時間を取ってくれてありがとう』『調子はどお?』『話したいことがあるんだけど時間はある?』とか、ことばは色々あるでしょうが、あいさつから始めることが多いと思います。

あいさつを始めに入れることで、自分の気持ちを整理したり、相手に気持ちの準備をさせるという効果があると思います。話しの始めにあいさつを入れるというのは、人間関係を築く上で大切なスキルだと思います。

もしかしたら、レモンさんはご自分の気持ちを一方的に言うだけでコミュニケーションが終わってるということはないでしょうか?自分の気持ちを相手に伝える場合、相手が理解しやすい言い方、理解しにくい言い方というのがあると思います。自分の不安な気持ちや怒りをぶちまけるような言い方では、相手に受け入れてもらえませんよね。気持ちを落ち着け、頭の中を整理して、息子さんが聞いて理解してもらえるような言い方ができているか気になったのです。

息子さんの別居のこと、仕事のこと、ご病気のことなど心配するお気持ちは分かりますが、息子さんは家庭を築き社会人として巣立っておられるのであれば、立派な社会人です。息子さんの問題は、息子さんにお任せになったらいかがでしょうか?未成年の子どもであれば、親御さんに責任もあるので、世話を焼かなくてはならないでしょうが、成人しているのであれば、息子さんの判断と責任に任せるべきだと思います。親子関係にけじめが必要で、レモンさんが息子さんの問題を抱えること自体おかしいなと、私は思います。

私も別居中で、うつ病持ちで、失業もしましたが、親の家にかくまってもらったことはありません。経済的には大変ですが、社会人として責任を持って生きるというのは、良いことも悪いことも、受け入れなければならないことですよね。自分一人で解決できないときは、頭を下げて援助を求めることも必要です。親子だからといってずるずると援助を続けることは、親御さんにも問題があり、息子さんにも問題があるように思います。親子関係にけじめはあるでしょうか?

時には心を鬼にして、手を貸さない、息子さんを信じて見守るという覚悟も必要だと思いますがいかがでしょう?親にも自立が必要だと思います。

しかし、年齢は成人を過ぎていても自分の行動に責任を持てない、内面が育っていない場合は複雑になると思います。いずれにしても、けじめのない関係を続けていてはダメだと思います。

コミュニケーションの基本だと思いますが、日常生活の中で『おはよう』『ありがとう』『失礼します』『すみません』がお互い言えているでしょうか?

会社で『おはようございます』『ありがとうございます』・・・を言えない大人が増えているように感じます。こうした大人は社会適応に苦労すると思います。あいさつが家庭でできていないとしたら、レモンさんからお手本を示してはいかがでしょう?できることから始めてはいかがでしょうか?

頂いたコメントに『仕事は続けて欲しいが、うつ病は再発させないでほしい』『息子から攻撃を受けて困っているが、支えてあげたい』とありましたが、ご自身のご希望に矛盾はないでしょうか?私もうつ病を抱えていますが、病気でつらい時は仕事をしません。体を休めないと回復できないからです。仕事のストレスを抱えながらうつ病の回復ができるのでしょうか?無理ではないでしょうか?

息子さんからの激しい攻撃を受けながら、息子さんと同居し支えたいとのことですが、これも矛盾していないでしょうか?矛盾した要求を誰かに求めても問題は解決しないと、私は思います。頭の中が混乱されてるように思います。

息子さんは仕事ができているのであれば『甘えてないで出て行きなさい』と突き放すのが正しい対応だと、私は思います。もし息子さんがレモンさんに暴力を振るうのであれば、躊躇(ちゅうちょ)せず、警察に捕まえてもらい、刑事裁判を受けさせるべきです。社会人として行動が間違っているのですから、暴力に対する責任を取らせなくてはなりません。必ずそうしてください。暴力を黙認することは、愛情でも正しい忍耐でもありません。暴力に耐え、我慢し続けた結果、もっと悲しい結末をむかえるケースがあるからです。

息子さんに問題もあると思いますが、毅然とした対応ができないレモンさんに問題はありませんか?問題をこじらせている原因の半分は、レモンさんにあるように思うのです。人間関係というのは、自分と相手がいて成り立ちます。関係に問題があるということは、関わり方に問題があるということです。成人した息子さんとレモンさんは大人同士の距離を保つべきだと思います。

息子さんが境界性パーソナリティ障害かどうか私には分かりませんが、この病気を学んで重要だなと思ったのは、『相手を変えようとするのではなく、自分を変えることから始める』ということです。相手が変わることを期待してもそうはならないものです。レモンさんが口を酸っぱくして、たしなめても息子さんは変わりません。人というのはそういうものではないでしょうか?次の記事も読んでみてください。

(32)お付き合いの仕方
http://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/205cb14018725ffe8ce94e634ae497c8

もしかしたら、的外れなことを書いたかもしれません。厳しいことも書きましたが、お気に障るようでしたらご容赦ください。愛のげんこつのつもりで書かせていただきました。

息子さんがうつ病でかかった病院があるのでしたら、そこに相談できないのでしょうか?市や県のサービスを使ってはいかがでしょう?民生委員、精神保健福祉センター、こころの健康センターがあると思います。市役所で、心の相談日などはないでしょうか?

治療法については何とも申し上げることができません。踏み込んで語ることを躊躇するテーマです。近くで信頼できる医師か、臨床心理士が見つけられることを願います。風邪や腹痛であれば、薬をのめば2,3日で良くなりますが、心の病気の場合、本人に『治療したい。治したい』という積極的な意思が必要だといわれています。息子さんが『治療してみようかな』という気持ちを持てるようにしてあげて欲しいと思います。また、同居する家族も病気に対する学習が必要になります。家族への支援もおこなってくれるところが良いと思います。

以下のサイトも参考にしてみてください。

境界性パーソナリティ障害、診断、治療、家族
http://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/45e3bd1d7d94ccd59660fd90347c1881

検索をすると、BPD家族会というところもあるようです。問題が深刻になる前に援助を求めてください。あきらめずに支援を求め続けてください。

レモンさんに信頼できるクリスチャンの友人が与えられることをお祈りいたします。

私は、エホバの証人(ものみの塔)、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教会)、統一教会ではありません。
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Jemyさま (ぶどうの木)
2016-02-06 02:44:36
丁寧なご返事をいただきありがとうございます。あいにく、こちらでコメントを訂正できないので、代わりに表示しないよう設定させていただきました。

Jemyさまが学んだ上で、ご自身の進路を決断されたことを聞き嬉しく思っています。どうぞ心も体もお大事になさってください。


詩篇119篇75~77 現代訳

主よ。私は、あなたの御教えの正しいことを、
あなたが真実をもって、私を苦しめられたことを、
知っています。

どうか、あなたに仕える者への約束通り、
あなたの変わらぬ愛が、私の慰めとなりますように。

あなたの御教えは、私の喜びです。
どうか、あなたのあわれみを私に臨ませ、
私の命に力を与えてください。
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仲直りの方法ありますか? (ジョ二―)
2016-02-09 02:51:15
大変興味深く読ませていただいております。読んでいて「アッ」と気づかされたことがあります。現在、私は、この高機能型と思われる人と不仲な状態です。その人は「どうしてこんなことで?」と思われることで、攻撃的に責めたて断罪します。聞いている私は「自分がそんなに責められるほど何か悪いことをしたのかな?」という一種の洗脳状態になりました。そのようなことがあり、現在その人とは不仲な状態です。相手との関係の修復は可能なのでしょうか?何か良い方法があるのでしょうか?もしありましたら教えていただきたく願っております。どうぞよろしくお願いいたします。
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ジョニーさま (ぶどうの木)
2016-02-09 22:06:11
以下の記事が参考になるといいのですが。

お付き合いの仕方
http://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/205cb14018725ffe8ce94e634ae497c8


YouTube動画 「ご家族の方へ」
http://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/bc063118495924057f58600a2683a6c8
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Unknown (枝ちゃん)
2020-08-04 04:37:24
初めまして。自分はきっと境界性パーソナリティ障害だろうなと思って治療中の者です。

数年前に書かれたブログなのでもしかしたらもう運営されてないかもしれませんが、この病気をとてもよく調べられていて、愛や熱を感じたのでもしかしたら私の話も聞いていただけるかも…と一縷の望みをかけてコメントさせていただきます。

(英語の文献、そちらに有力な情報があるのだろうなと翻訳された書籍などを見て思っていましたが、なかなか英文ブログなどは敷居が高く踏み出せていなかったので翻訳のご掲載、感謝いたします。)

さて、私ごとですが、現在0歳の子どもを育てている新米ママです。子どもを授かる前から感情のコントロール(特に怒り)ができず、夫と母(のみ)によく物凄い勢いで当たり散らしていました。仕事は辛くて辞めてしまったのですが、外では普通なまともな人をなんとか、演じきれていると思うので「高機能」の方だと思います。そして、原因は幼少期の父からの虐待だと思っています(殴る蹴る怒鳴る追いかけ回す)。

子どもを産んでから「なんでこんな小さくて可愛くて無力な存在を虐げることができたんだろう」と思い、気持ちが爆発しました。母が助けてくれなかったことを共犯や加担だと感じ、父がまだこわいので母をひたすら責めてしまいます。(ごめんね)父とは爆発してから一切連絡を取っていません。孫にも会わせていません。

そして、最近気づいたのですが、私は夫に対して「投影」をしているようです。"幼いころ怒られた私"を投影して「怒られちゃうからそれはやめて!!(マナーなど)」という気持ちでパニックになり、夫に当たり散らしたり、子どもに私を、夫に父を投影して、ちょっとしたことでも「怒らないであげて!!!」って感情で喚いてしまったりしてるのではないかと思っています。これは全て後で振り返ってみて気づいたことですが…。

あとは、自分自身、物を落としたり、壊してしまったり、遅れそうになったり、急かされたりすると、動悸がしてパニックになって癇癪を起こしてしまいます。これは全て幼い頃、繰り返し怒られてきたことだというのも最近気づきました。

そして、我が子を守りたくて我が子を傷つけたくない一心で、境界性パーソナリティ障害に精通してるというカウンセリングに通い始めました。(かなり遠方ですが)

自分で鬱が明けているときに本を読んだり、このようにインターネットで調べたり、自分で自分の行動を振り返ったり、次怒りが湧いてきたときにするリスト(コーピングリスト)を作って実行したりしていますが、前途は多難です。

わたしはクリスチャンでもないのですが、キリスト教の学校にちょこっと通ったことがあるので、聖書の一節や賛美歌には懐かしさを感じます。ぶどうの木さんの誠実で探究心あふれる文章についつい読み過ぎてしまいました(午前4時)。

これまでも何回かこのブログを訪ねさせて頂いたのですが、今日は満月だからか気持ちが昂ぶって、アカウントを作り、コメントを書くに至りました。

こんな私に何かアドバイスやお言葉をいただけたら幸いです。
一刻も早く(子どもに影響が少ないうちに)よくなりたいのです。

長い文を読んでくださいまして、ありがとうございました。
奥様の心の平穏と、ぶどうの木さん、お子様たちの回復を願っています。
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