元妻は境界性パーソナリティ障害だったのだろうか

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(26)境界性パーソナリティ障害、診断、治療、家族

2011年01月19日 | 境界性パーソナリティ障害
アラン・フルツェッティ博士は、境界性パーソナリティ障害、弁証法的行動療法、家族支援の研究を専門とし、長年米国内で家族支援にご尽力されてきた先生です。博士のインタビュー動画がYouTubeにありました。境界性パーソナリティ障害の診断、治療、家族支援のエッセンスともいえる内容なので紹介させていただきます。


ネバダ大学のサイトから、博士のプロフィールを引用させていただきます。

Alan E. Fruzzetti, Ph.D.
ネバダ大学のウエブサイトから引用

アラン・フルツェッティ博士の紹介
臨床心理学教授
リノ市、ネバダ大学

研究、活動
・対人関係及び家庭の精神病理学(境界性パーソナリティ障害、うつ病、自殺など)
・家庭内の人間関係が与える影響と子どもの感情コントロール 
・他者との関係づくり(夫婦間及び親子間における認証行為の意義、夫婦の心理的距離、家庭内暴力)
・弁証法的行動療法の応用 個人、夫婦、家族
・精神病における介入制度、執行官への教育、評価指導
・全米境界性パーソナリティ障害啓発連盟(NEA-BPD)会員及び顧問



~アラン・フルツェッティ博士インタビュー~

Alan Fruzzetti, interview on trx of Borderline Pers.Dis.


Q リノ市(ネバダ州)からおこしの、アラン・フルツェッティ教授にお話を伺いたいと思います。フルツェッティ教授は、ここカロリンスカ医科大学(ストックホルム)で、境界性パーソナリティ障害に関する講演をされています。『自分は境界性パーソナリティ障害ではないか』と感じている人がいると思いますが、そのような方にアドバイスがあればお願いします。

A とても良い質問ですね。一番初めにするべきことは、適切な診断をしてもらうことです。境界性パーソナリティ障害の専門知識がある、医師や臨床心理士のもとを訪ねてください。もちろん適切に診断できる医師はいますが、その一方、誤診も少なくないからです。この病気は複雑な症状を見せるので、境界性パーソナリティ障害と診断すべきところを、違う病名が付けられることがあります。例えば、双極性障害であるとか、そのほかの病気であるとか類似した障害に誤診してしまうのです。適切かつ最善の治療を受けるには、適切な診断が不可欠です。

Q では、境界性パーソナリティ障害であると正しい診断がくだされたとして、有効な治療法はあるのでしょうか?

A 幸いなことにこの20年、有効な治療法が開発されてきました。20年前には治療効果が実証された治療法が一つもなく、無作為標本研究(randomized study)のような、普遍化された手法で治療効果が実証されたものがありませんでした。現在、患者集団を対象にして行われている研究は一つだけではなく、治療効果を裏付ける研究がいくつもあります。その中でも一番大がかりな研究がされているのは、弁証法的行動療法です。この治療法はアメリカのマーシャ・リネハン博士が開発したもので、ここ20年研究が続けられてきました。この研究は、12ないし15以上の無作為標本研究(randomized Controlled study)が行われており、弁証法的行動療法と一般的精神科治療法との比較、または、弁証法的行動療法とほかの心理療法とが比較されています。その結果、現時点では弁証法的行動療法が最も優れた治療効果があると証明されています。

最近は、有効な治療法の一つとしてスキーマ・フォーカス療法が挙げられています。ある研究報告では有望な治療法だということです。治療の選択肢が増えるというのは患者さんにとって喜ばしいことです。ほかにはイギリスで開発されたメンタライゼーション療法というものがあり、ある研究報告では確かな治療効果があるということです。今後、これらの治療法も更に改良されることでしょうし、治療の選択肢が増えることは患者さんにとって良いことだと思います。ただ現時点では、弁証法的行動療法が最も有効な治療法といえます。

Q 次に、弁証法的行動療法とは、手短にいうと、どのような治療法ですか?

A 手短に説明できるかどうか自信がありませんが弁証法的行動療法を要約していうなら、境界性パーソナリティ障害の患者さんが自分の感情をコントロールできるようにする治療法だということです。弁証法的行動療法を略してDBTといいますが、境界性パーソナリティ障害での大きな問題は、自分の感情を秩序化したり感情のコントロールができないことだと捉えています。それに加え感受性の敏感さ、そこから生じる行動化、生き辛さ、日常生活の中で湧き上がるネガティブな感情にどのように対処するかという問題などがあります。DBTは、このような患者さんの感情コントロールに焦点を当てた治療法です。DBTで行われる訓練は多岐にわたります。治療の基本方針は行動療法ですが、感情のコントロールを習得するため、マインドフルネスという技法が加えられています。治療者は、こうした数々のスキル、感情のコントロールが習得できるよう患者さんを指導します。こうした指導を受け患者さんは症状を改善してゆきます。

Q 次に、境界性パーソナリティ障害を持つ方と共に暮らす人や、恋人、友人に対し、何かアドバイスをいただけますか?

A これも大切な質問です。伴侶、ご両親、きょうだいといった家族への支援を行う、とても大きな支援団体(Family Connections)があります。境界性パーソナリティ障害を持つ方と共に暮らす人だけではなく、友人や恋人といった人も生活が混乱していたり、切羽詰まった状況に直面していることがあります。こうした方々が何らかの支援に結びつき、この病気について学ぶということが何よりも大切です。家族によりけりですが、家族療法を受ける家族、支援プログラム、弁証法的行動療法などを受けるご家族があります。家族は、こうした方法で支援を受けることができます。

また、アメリカやヨーロッパに広がっている『家族から家族へ(Family Connections)』という支援団体があり、そこでは家族を支援するため特別に考案された講習を受けることができます。境界性パーソナリティ障害を持つ方の身近で暮らす方を対象にした特別の講習です。会員になると『家族から家族へ』という講習を受講することができ、境界性パーソナリティ障害がどのような病気であるか学んだり、病気の成り立ちなど色々なことを学ぶことができます。境界性パーソナリティ障害に関する知識だけでなく、問題が起こった場面での対処法などを始め様々なことを学べます。



 
あなたはわたしを多くの重い悩みに
あわされましたが、再びわたしを生かし、
地の深い所から引きあげられるでしょう。
詩篇71篇20節 口語訳


















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