◆安価骨伝導イヤホン『9 DIGITAL Lite』のレビュー
まず前提として、骨伝導イヤホンと普通のイヤホンの違い
- 耳の穴を塞がないので遮音性が全くない(≒うるさい場所では使い物にならない)
- どうやっても音漏れする(機種によって大小はある)
- 音がこもりがち、かつ低音の再現性が悪い
- 個人差はあるが骨を伝って音が混じるのでステレオを感じにくい(≒バイノーラル録音などによる音場の再現性が低い)
これらは骨伝導である以上、仕組み上ほぼ避けられないと思って欲しい。
レビューはそれらを踏まえて購入した私の視点による物となる。
『9 DIGITAL Lite』という名前だが、ブランドが『9 DIGITAL』で型番が『Lite』なのか?
一応なんちゃって骨伝導イヤホンではない。
初めての骨伝導イヤホンだが想像していたよりは音は悪くない。
こもりがあるのを差し引いて500~980円ぐらいの有線オーバーイヤーヘッドホンぐらい、500円ぐらいのカナルイヤホンには負ける。
仕様では音楽再生6時間、充電に2時間となっていて、実際は音量最大で音楽再生6.5時間、充電に1.5時間、通話時間と待機可能(スタンバイ)時間は未計測。
再生時間、充電時間などは一応仕様通りだが、スタンバイ20日(480時間)は体感的にはあり得ないと思う。
振動する部分がほぼ体に触れる部分の面だけで、横面が振動しない分音漏れは弱め。
ただこれは最大音量が小さい事も要因の一つにあるので、電車の中などうるさい環境では使い物にならないと思われる。
技適マークが無いので法律上日本で使えない。
うん、最後のが一番致命的だ。
なので私はちゃんと技適マークがある骨伝導イヤホンを買い直す事にした。
◆『9 DIGITAL Lite』はなぜオススメできないか?その詳細
売値は5000円でしたが一時期2500円ぐらいで買えたのでその値段で考えれば悪くない品でしたが、技適マークが無いので日本では使えません。
レビュー終わり。
…ではあんまりなので、一応補足しておきます。
まず説明書に記載の公式サイトが『403 Forbidden』となっており、製品に対する詳細な情報(正しい仕様やブランドサイトの規模や傾向)を見る事が出来ません。
またサイトのドメインを利用しているE-mailアドレスも、十中八九機能しないだろうと思われるのでサポートはAmazon経由頼みとなります。
骨伝導イヤホンはこれが初めてでしたが、(セール時の価格帯から)想定していたよりは音は良いと感じましたね。
そもそも音が曇って聞こえるだとか音質がクソっていう感想は、骨伝導の仕組みを考えたら普通のイヤホンには勝てっこないのでレビューに書くのは的外れでしょう。
だって側頭部の骨に振動を伝えることで音を伝える仕組みだけれど、骨に直接振動が伝わる訳じゃなく柔らかい外皮ごしなんだから音がくぐもって当たり前です。
振動は結構しっかりしており、固いテーブルなど振動が伝わりやすい物の上に置くと音が大きくなって聞こえました。
なんだったら紙コップの底に振動部分を当てれば、紙コップが簡易的なスピーカー代わりになってくれます。
紙コップでも100均で買える電源不要の(アンプの無い)パッシブスピーカーよりはちゃんと音が聞こえる…感じがする程度には振動を感じます。
装着して自分の耳を塞げば遮音性が高まり音が良く聞こえるようになったり、あごに当てて耳を塞ぐと同様に音が聞こえたり等、一応骨伝導であることを名乗って問題ないとは思います。
まぁ高い骨伝導イヤホンを使った事がないので、それとどこまで違うかまでは分かりませんが、ドライバーから音が漏れてそれが耳の穴に入る事で音が聞こえるだけの『えせ骨伝導イヤホン』でなかったのは確かです。
ちなみに音量最大でも音漏れは少なく、他人の頭部が恋人並みに自分のそばになければ感じないレベルです。
その後別の骨伝導イヤホンを購入したのですがそれと比べたら、この品はちゃんとした骨伝導イヤホンであるという以外は、2500円相応の品だと思います。
定価の5000円の価値は無いですね。
中華骨伝導とはいえ、ちゃんと技適マークの入っている4000円台の品物がAmazonで簡単に見つかりますし。
(まぁ技適番号偽装の品もありそうですが…)
言うまでもなく音を伝える仕組みが通常のイヤホンやヘッドホンと違い高音質にしづらい骨伝導イヤホンで、どうしても一定以上の音質を望むのなら骨伝導イヤホンに於いて一定の評価がある『Shokz (旧AfterShokz)』や『boco』のとか買った方が良いでしょうね。
安いのは1万円台からあるようですが『Shokz OpenComm』なんか2万円前後するらしいですし、それでも骨伝導という仕組みである事、遮音性が無い点でどうやっても限界はあるので過度な期待は禁物です。
その他機能については複数の接続機器を記憶する『マルチペアリング』や、スマホとタブレットに同時に接続できるような『マルチポイント』には非対応でした。
通常売価が5000円を超えることを考えたら2~3台程度のマルチペアリング機能か、タブレットとスマホに同時接続可能なマルチポイント機能は欲しかったですね。
通話を8時間というのは計れませんでしたが、音楽の再生時間や充電に掛かる時間などを計測した限りでは概ね説明書通りでした。
でも箱や説明書にある『20日のスタンバイ可』ってのはさすがに嘘だと思いますわ。
付属の耳栓を付けることで遮音性が生まれ、うるさい環境でも音楽を聞くことはできますが、こもりが大きくなって音質が低下しました。
外の音が聞こえるように骨伝導イヤホンを使いたい人が大半でしょうから、耳栓を使用するのはその意図に反する最終手段だと思って使いましょう。
私の体感ですが掃除機をかける時に、各イヤホン&ヘッドホンで聞き取れる具合(≒遮音性)は以下のような感じですね。
ノイズキャンセリング付カナル>耳栓有り骨伝導>普通のカナル>オーバーイヤーヘッドホン>オンイヤーヘッドホン>>>耳栓無し骨伝導
遮音性はカナルより本品付属の耳栓の方が良いのですが、ノイキャンとカナルの組み合わせならある程度音質を保ったまま小さな音量で聞ける点が最高でした。
なので音質が落ちるのが分かっていて『耳栓をしてまで掃除機を掛ける時に音楽を聞きたいか?』と問われると答えはNoです。
骨伝導イヤホンを買ったのは、あくまで『外の音をしっかり聞きながら音楽やラジオをながら聞きする』ためなのですから。
実際に散歩する時や天ぷら揚げる時は便利に使えてますよ?
ここまで9 DIGITAL Liteのレビューを書いてはみましたが、私同様に半額の2,500円で買えるとしても、技適も間違いなく通っていて、なおかつAACコーデックに対応しているGEOの2,980(税込3,278)円の『GRFD-BCH200B300』買った方が多分良いように思います。
(なお『骨伝導イヤホン(GRFD-BCH200B300)は、2023年1/11(水)まで税抜2,480円(税込2,728円)で販売しております。』との事…何故でしょう?)
ちなみにGEOは黒、赤、青のカラーリングを選べますが『IPX4(防塵非対応)』で『バッテリー容量は180mAh』となっており『音量50%で音楽再生7時間』『待機時間200時間』との事。
9 DIGITAL Liteは仕様を信じるなら『IP54の防塵&防水性能』で『バッテリー容量は200mAh』で『音量100%で音楽再生約6.5時間(ここは本当)』『待機時間480時間(多分嘘)』だから、一応スペックは9 DIGITAL Liteの方が上ですがね。
骨伝導で音質が低くなるという仕様での『AACの高音質』はあまり意味が無い気がするのはもちろん、場合によってはAACで繋ぐと遅延が増えることもあるのでAAC対応はそれほどのメリットではないかもしれません。
9 DIGITAL LiteはAACには非対応で建前上日本国内では使えませんが、2500円で買えるならGEOのよりは良いと言えます…が、建前上オススメはできません。
複数のWebレビューを見るとGEOの方は値段相応のようですし(叩かれているレビューもありましたが…3000円切る初めての骨伝導なら悪くないというのが総評の様です)、9 DIGITALはサクラチェッカーでサクラ判定されていたのでここを含めて他人のレビューなど信じずに、ご自身の直感に従って購入するのが良いと思われますよ?
技適番号詐欺もあるので中華イヤホンの仕様表記なんてあてになりませんし、日本の仕様表記ではバッテリー持続時間は盛ってることがほとんどですし。
これが骨伝導では無く従来の技術の熟れたイヤホンやヘッドホンで、ハズレを引かなければ中華イヤホン類もそれほど悪くはないと思うのですよ。
初めての骨伝導イヤホンとして1万円以上するShokzとかは、私を含め流石に手は出しづらいですし。
ここまでレビューを書いてなんなんですが良心あるレビュアーとしては、少々スペックは低下するも技適の通ってるであろうGEOの骨伝導『GRFD-BCH200B300』の方をオススメしておきます。
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