◆『ELIBOM BC01』レビュー
前回レビューした『9 DIGITAL Lite』同様、耳を塞いだり振動面をあごに当てて音が聞こえるので、こちらもなんちゃって骨伝導イヤホンではない…と言いたいのだが、音漏れ量が大きいので振動で聞こえているのか、漏れた音が聞こえているのか判断に迷う。
普通に装着して耳を塞いでも、前回の9 DIGITAL Liteほど聞こえてくる音の大きさがさほど変わらない点が気になる…まぁ一応骨伝導イヤホンだとは思う。
仕様は説明書とAmazon表記で異なっていた。
- 説明書
10日のスタンバイ、8時間再生可、充電は要1.5時間。 - Amazon
約6日(150時間)のスタンバイ、電話音楽共に9時間再生可、充電は要2時間。 - 実計測
音量最大でほぼ10時間(実測9時間57分)の音楽再生可、充電は要2時間(同1時間56分)。
スタンバイは調べていないが、この事実から7~10日ぐらいだと予想した。
音質は前回の9 DITIGAL Liteよりは良いように感じた。
ただ低音はともかく、高音が良く聞こえるのは音漏れが原因で、シャカシャカ音が直接耳に届いているだけのような気もする。
音漏れは9 DIGITALと比較して明らかに多く、最大音量も大きいので音量を最大にすると体感で2~3倍は音漏れしているように感じた。
逆に最大音量が大きいおかげで、外音に弱い骨伝導イヤホンでも音量を大きくして強引に聞き取れるように出来る…というのはメリットかもしれない。
あとこちらは一応箱に技適マークが付いており、番号を調べてみたが偽装の可能性は低そうだった。
また説明書には記載されていないが、接続した端末の履歴を複数記憶できる『マルチペアリング』に対応していた。
(当環境で4台まで確認済み)
- 約10時間の音楽再生が可能でバッテリー容量は(この価格帯では)多め
- 音質は9DIGITALより良い(AAC対応)
- マルチペアリング対応
- 最大音量が大きい
- 一応技適認証あり
と、音漏れが大きい以外は『9 DIGITAL Lite』よりオススメできる製品となっている。
ただ通常6000~7000円程度で売られているが、そこまでの価値があるかと言われると微妙な気がする。
上記のようにクーポンやセールでしばしば4000円程度に値下がりするので、その価格帯なら買って損はないと思われる。
◆『ELIBOM BC01』のあら探しレビュー
音漏れのおかげか高音もすこし多めに、低音は9 DIGITAL Liteの様にバスドラムとスネアドラムとタムの区別がつきにくいという程ではないです。
最大音量と音漏れはこちらの方が大きいが音量を上げれば、車の多い国道沿いを散歩した時でも音が聞こえたのは便利ですね。
音漏れを気にする必要がある場所や人が多い公共交通機関などでは厳しいですが、うるさい環境でもそれなりに使える点は重宝します。
ブランドサイトは前回同様見つかりませんでしたが『ELIBOM』という商標を、スマートフォン界隈である程度実績のあるZ.T.S Internationalが音響ブランドとして取得したという所までは判明しました。
バックグラウンドがハッキリしている点は9 DIGITALよりマシでしょうか?
コーデックはSBCとAACに対応していますが、AACにすると遅延が倍ぐらいになります。(SBC 0.085秒→AAC 0.16~0.20秒ぐらい?)
計測はこの動画の目測です。
AACを必要とするほど出力側の音質は良くないので、AACに対応するよりも遅延の少ないapt-Xかapt-X LLに対応していて欲しかったですね。
購入直前に軽く調べたところ、YouTubeのレビュー動画にて技適マークが確認できたので本品を購入しましたが、開封後イヤホン本体にはマークが無いのに気付いてちょっと調べましたが、やっぱり本体に表記がないのは厳密に言うと駄目っぽいですね。
まぁここで調べた限り取得事業者も箱の会社名義も『Z.T.S INTERNATIONAL INDUSTRIAL CO., LIMITED』となっており取得年月も令和4年9月と、このBC01の初期レビューの頃と一致しており、番号偽装の可能性は低いので…大きな声では言えませんが黙認できるレベルでしょうか?
マルチペアリングについては少なくとも4台まで覚えてくれるのを確認できましたが、マルチポイント機能はありませんでした。
付属ポーチ(スポーツアームバッグ)はYouTubeの動画で見た時より、実物の方がマシに見えました。
縫製はいつものチャイナクオリティですが、ジッパーはまともで太めのしっかりしたマジックテープバンドや下部に有線イヤホン用の穴もあり、それなりに実用的に仕上がっています。
ステレオ感に関しては前回同様『パーカッションが左にあってコントラバスとか低音の楽器が右にあって…』程度であれば、容易に聞き分けられるので問題ありません。
人によってはモノラルに感じるという感想もあるようですが、少なくとも私が聞くかぎりでは左右に振ってある音色や歌声の位置の区別がつかないということはありませんでした。
ただDTMの味付けでPanにより左右交互に音色や歌声が振られる場合など、仕様上どうしても左右の音が混じる点で普通のイヤホンで聴くよりインパクトは小さめになります。
また同様に音色が左から右へ流れるように移ったり、バイノーラル録音で自分を中心に音源が一周するような『音場が移動するような音の再現』は難しいようです。
あと難癖をつけるとしたら充電や電源ON時に付くLEDが、一般的な(もしくはくっそ安い)ワイヤレスイヤホンなどと比べても見えづらいことぐらいですね。
私はBC01を運良く1900円で買えましたし、一応技適認証通っているということでこれで我慢することにしますが、根気よくさがせば4500円前後で本体に偽装していない技適マークが有り、マルチポイントあるいはapt-Xに対応している骨伝導イヤホンもありそうなんですよね…。
色々ケチは付けましたが、4000~6000円の価格帯における骨伝導イヤホンとしては悪い物ではないように思いましたので、Amazonのレビューは4000円強の骨伝導イヤホンであると想定した上で☆4つの評価としました。
ただ製品として細かく気になる点は存在しますし、より高音質を求める人はShokzやbocoの製品を買えばいいと思いますが、その後色々調べてみたところ骨伝導である以上低音の弱さとステレオ感が弱まるのはどうしようもないようです。
特にステレオ感に関しては従来の骨伝導イヤホンでは頭の中の骨を伝って左右の音が混じってしまうので、例え高価で高音質を謳うShokzなどの骨伝導イヤホンを購入しても避けられない問題です。
ただそれらの問題を克服した『軟骨伝導イヤホン』という物も存在するらしいのです。
それがaudio-technica(オーディオテクニカ)から出ている『ATH-CC500BT』で、通常の骨伝導とは異なり左右の軟骨に振動で音を伝えるため、頭骨で左右の音が混じることなく鼓膜に音が伝わるので、ステレオ感が失われず低音も従来の骨伝導イヤホンに比べるとしっかり聞こえると謳われています。
残念ながら今は手が届きそうにないですし、どの程度従来のイヤホンに近づいた音質を得られるかまでは確証は持てませんが、興味があるようでしたらこのリンクから簡易レビュー記事をご覧になられてはいかがでしょうか?
『出力先をスピーカーから軟骨伝導イヤホンに切り替えてもしばらく気付かなかった』と書いてあることが真実ならば、なかなかのものだと期待できます。
そんな訳でこの軟骨伝導イヤホンならばShokzやbocoの上位モデルよりは安価に、今までに無い高音質の骨伝導イヤホンを手に入れることが出来るわけですから、レビュワーとしては今回の『ELIBOM BC01』よりも上記audio-technicaの『ATH-CC500BT』をお薦めします。
マルチポイントにも対応し、音質は本格高級骨伝導イヤホンの老舗Shokzなどより期待でき、apt-Xやapt-X HDにも対応、再生時間は20時間(これは日本メーカーだから最大音量だと2~3割減かな?)、技適マークも間違いなく付いているでしょうから、16000円程度出せるのであれば絶対にこちらがオススメです。
◆オマケ
そういえばELIBOM BC01の保証期間は、説明書に記載されたメールアドレスにシリアルナンバーとAmazonの注文番号を送ることでさらに+2年、最大3年間の保証になります。
ちなみに問い合わせは日本語でも英語でも良いようです。
最大3年間保証すると明言している中華ブランドはあまり聞いたことがないので、これはELIBOM BC01の特筆すべきメリットであると言えるでしょう。
3年後にもELIBOMブランドが残っていればの話ですが。
なお筆者も登録し延長保証を約束してもらえましたが、ついでにAmazonで『評価の☆を5つにして欲しい』とサクラレビューを依頼されました。
私は自身のプロフィールに『絶対サクラレビューはしないよ?依頼されたらその旨を書くからね?』と記しているので、blog、Amazonレビュー共に宣言通り公表することにしました。
依頼されなくても☆4つで一応褒める内容だったのに、サクラレビューを依頼したばっかりに台無しになりましたね。