トゥルーデは俺の嫁(trudebraut)のチラ裏blog

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【オススメできる?】骨伝導イヤホン『ELIBOM BC01』レビュー【中華無線イヤホン】

2022年11月16日 07時18分06秒 | レビュー

◆『ELIBOM BC01』レビュー

前回レビューした『9 DIGITAL Lite』同様、耳を塞いだり振動面をあごに当てて音が聞こえるので、こちらもなんちゃって骨伝導イヤホンではないと言いたいのだが音漏れ量が大きいので振動で聞こえているのか、漏れた音が聞こえているのか判断に迷う
普通に装着して耳を塞いでも、前回の9 DIGITAL Liteほど聞こえてくる音の大きさがさほど変わらない点が気になる…まぁ一応骨伝導イヤホンだとは思う。

仕様は説明書とAmazon表記で異なっていた。

  • 説明書
    10日のスタンバイ、8時間再生可、充電は要1.5時間。
  • Amazon
    約6日(150時間)のスタンバイ、電話音楽共に9時間再生可、充電は要2時間。
  • 実計測
    音量最大でほぼ10時間(実測9時間57分)の音楽再生可、充電は要2時間(同1時間56分)。
    スタンバイは調べていないが、この事実から7~10日ぐらいだと予想した。

音質は前回の9 DITIGAL Liteよりは良いように感じた。
ただ低音はともかく、高音が良く聞こえるのは音漏れが原因で、シャカシャカ音が直接耳に届いているだけのような気もする。

音漏れは9 DIGITALと比較して明らかに多く最大音量も大きいので音量を最大にすると体感で2~3倍は音漏れしているように感じた。
逆に最大音量が大きいおかげで、外音に弱い骨伝導イヤホンでも音量を大きくして強引に聞き取れるように出来る…というのはメリットかもしれない。

あとこちらは一応箱に技適マークが付いており、番号を調べてみたが偽装の可能性は低そうだった。

また説明書には記載されていないが、接続した端末の履歴を複数記憶できる『マルチペアリング』に対応していた。
(当環境で4台まで確認済み)

  • 約10時間の音楽再生が可能でバッテリー容量は(この価格帯では)多め
  • 音質は9DIGITALより良い(AAC対応)
  • マルチペアリング対応
  • 最大音量が大きい
  • 一応技適認証あり

と、音漏れが大きい以外は『9 DIGITAL Lite』よりオススメできる製品となっている。

ただ通常6000~7000円程度で売られているが、そこまでの価値があるかと言われると微妙な気がする。

上記のようにクーポンやセールでしばしば4000円程度に値下がりするので、その価格帯なら買って損はないと思われる。


◆『ELIBOM BC01』のあら探しレビュー

音漏れのおかげか高音もすこし多めに、低音は9 DIGITAL Liteの様にバスドラムとスネアドラムとタムの区別がつきにくいという程ではないです。
最大音量と音漏れはこちらの方が大きいが音量を上げれば、車の多い国道沿いを散歩した時でも音が聞こえたのは便利ですね。
音漏れを気にする必要がある場所や人が多い公共交通機関などでは厳しいですが、うるさい環境でもそれなりに使える点は重宝します。

ブランドサイトは前回同様見つかりませんでしたが『ELIBOM』という商標を、スマートフォン界隈である程度実績のあるZ.T.S Internationalが音響ブランドとして取得したという所までは判明しました。
バックグラウンドがハッキリしている点は9 DIGITALよりマシでしょうか?

コーデックはSBCとAACに対応していますが、AACにすると遅延が倍ぐらいになります。(SBC 0.085秒→AAC 0.16~0.20秒ぐらい?)
計測はこの動画の目測です。
AACを必要とするほど出力側の音質は良くないので、AACに対応するよりも遅延の少ないapt-Xかapt-X LLに対応していて欲しかったですね。

購入直前に軽く調べたところ、YouTubeのレビュー動画にて技適マークが確認できたので本品を購入しましたが、開封後イヤホン本体にはマークが無いのに気付いてちょっと調べましたが、やっぱり本体に表記がないのは厳密に言うと駄目っぽいですね。

まぁここで調べた限り取得事業者も箱の会社名義も『Z.T.S INTERNATIONAL INDUSTRIAL CO., LIMITED』となっており取得年月も令和4年9月と、このBC01の初期レビューの頃と一致しており、番号偽装の可能性は低いので…大きな声では言えませんが黙認できるレベルでしょうか?

マルチペアリングについては少なくとも4台まで覚えてくれるのを確認できましたが、マルチポイント機能はありませんでした。

付属ポーチ(スポーツアームバッグ)はYouTubeの動画で見た時より、実物の方がマシに見えました。

縫製はいつものチャイナクオリティですが、ジッパーはまともで太めのしっかりしたマジックテープバンドや下部に有線イヤホン用の穴もあり、それなりに実用的に仕上がっています。

ステレオ感に関しては前回同様『パーカッションが左にあってコントラバスとか低音の楽器が右にあって…』程度であれば、容易に聞き分けられるので問題ありません。
人によってはモノラルに感じるという感想もあるようですが、少なくとも私が聞くかぎりでは左右に振ってある音色や歌声の位置の区別がつかないということはありませんでした。
ただDTMの味付けでPanにより左右交互に音色や歌声が振られる場合など、仕様上どうしても左右の音が混じる点で普通のイヤホンで聴くよりインパクトは小さめになります。
また同様に音色が左から右へ流れるように移ったり、バイノーラル録音で自分を中心に音源が一周するような『音場が移動するような音の再現』は難しいようです。

あと難癖をつけるとしたら充電や電源ON時に付くLEDが、一般的な(もしくはくっそ安い)ワイヤレスイヤホンなどと比べても見えづらいことぐらいですね。

私はBC01を運良く1900円で買えましたし、一応技適認証通っているということでこれで我慢することにしますが、根気よくさがせば4500円前後で本体に偽装していない技適マークが有り、マルチポイントあるいはapt-Xに対応している骨伝導イヤホンもありそうなんですよね…。

色々ケチは付けましたが、4000~6000円の価格帯における骨伝導イヤホンとしては悪い物ではないように思いましたので、Amazonのレビューは4000円強の骨伝導イヤホンであると想定した上で☆4つの評価としました。

ただ製品として細かく気になる点は存在しますし、より高音質を求める人はShokzやbocoの製品を買えばいいと思いますが、その後色々調べてみたところ骨伝導である以上低音の弱さとステレオ感が弱まるのはどうしようもないようです。
特にステレオ感に関しては従来の骨伝導イヤホンでは頭の中の骨を伝って左右の音が混じってしまうので、例え高価で高音質を謳うShokzなどの骨伝導イヤホンを購入しても避けられない問題です。

ただそれらの問題を克服した『軟骨伝導イヤホン』という物も存在するらしいのです。
それがaudio-technica(オーディオテクニカ)から出ているATH-CC500BTで、通常の骨伝導とは異なり左右の軟骨に振動で音を伝えるため、頭骨で左右の音が混じることなく鼓膜に音が伝わるので、ステレオ感が失われず低音も従来の骨伝導イヤホンに比べるとしっかり聞こえると謳われています。

残念ながら今は手が届きそうにないですし、どの程度従来のイヤホンに近づいた音質を得られるかまでは確証は持てませんが、興味があるようでしたらこのリンクから簡易レビュー記事をご覧になられてはいかがでしょうか?
『出力先をスピーカーから軟骨伝導イヤホンに切り替えてもしばらく気付かなかった』と書いてあることが真実ならば、なかなかのものだと期待できます。

そんな訳でこの軟骨伝導イヤホンならばShokzやbocoの上位モデルよりは安価に、今までに無い高音質の骨伝導イヤホンを手に入れることが出来るわけですから、レビュワーとしては今回の『ELIBOM BC01』よりも上記audio-technicaの『ATH-CC500BT』をお薦めします。

マルチポイントにも対応し、音質は本格高級骨伝導イヤホンの老舗Shokzなどより期待でき、apt-Xやapt-X HDにも対応、再生時間は20時間(これは日本メーカーだから最大音量だと2~3割減かな?)、技適マークも間違いなく付いているでしょうから、16000円程度出せるのであれば絶対にこちらがオススメです。


◆オマケ

そういえばELIBOM BC01の保証期間は、説明書に記載されたメールアドレスにシリアルナンバーAmazonの注文番号を送ることでさらに+2年、最大3年間の保証になります。
ちなみに問い合わせは日本語でも英語でも良いようです。
最大3年間保証すると明言している中華ブランドはあまり聞いたことがないので、これはELIBOM BC01の特筆すべきメリットであると言えるでしょう。
3年後にもELIBOMブランドが残っていればの話ですが。

なお筆者も登録し延長保証を約束してもらえましたが、ついでにAmazonで『評価の☆を5つにして欲しい』とサクラレビューを依頼されました。

私は自身のプロフィールに『絶対サクラレビューはしないよ?依頼されたらその旨を書くからね?』と記しているので、blog、Amazonレビュー共に宣言通り公表することにしました。

依頼されなくても☆4つで一応褒める内容だったのに、サクラレビューを依頼したばっかりに台無しになりましたね。


【オススメしない】骨伝導イヤホン『9 DIGITAL Lite』レビュー【中華無線イヤホン】

2022年11月14日 17時31分09秒 | レビュー

◆安価骨伝導イヤホン『9 DIGITAL Lite』のレビュー

まず前提として、骨伝導イヤホンと普通のイヤホンの違い

  • 耳の穴を塞がないので遮音性が全くない(≒うるさい場所では使い物にならない)
  • どうやっても音漏れする(機種によって大小はある)
  • 音がこもりがち、かつ低音の再現性が悪い
  • 個人差はあるが骨を伝って音が混じるのでステレオを感じにくい(≒バイノーラル録音などによる音場の再現性が低い)

これらは骨伝導である以上、仕組み上ほぼ避けられないと思って欲しい。

レビューはそれらを踏まえて購入した私の視点による物となる。

『9 DIGITAL Lite』という名前だが、ブランドが『9 DIGITAL』で型番が『Lite』なのか?

一応なんちゃって骨伝導イヤホンではない。

初めての骨伝導イヤホンだが想像していたよりは音は悪くない。
こもりがあるのを差し引いて500~980円ぐらいの有線オーバーイヤーヘッドホンぐらい、500円ぐらいのカナルイヤホンには負ける。

仕様では音楽再生6時間、充電に2時間となっていて、実際は音量最大で音楽再生6.5時間、充電に1.5時間、通話時間と待機可能(スタンバイ)時間は未計測。
再生時間、充電時間などは一応仕様通りだが、スタンバイ20日(480時間)は体感的にはあり得ないと思う。

振動する部分がほぼ体に触れる部分の面だけで、横面が振動しない分音漏れは弱め
ただこれは最大音量が小さい事も要因の一つにあるので、電車の中などうるさい環境では使い物にならないと思われる。

技適マークが無いので法律上日本で使えない。

うん、最後のが一番致命的だ。

なので私はちゃんと技適マークがある骨伝導イヤホンを買い直す事にした。

 


◆『9 DIGITAL Lite』はなぜオススメできないか?その詳細

売値は5000円でしたが一時期2500円ぐらいで買えたのでその値段で考えれば悪くない品でしたが、技適マークが無いので日本では使えません。
レビュー終わり。

…ではあんまりなので、一応補足しておきます。

まず説明書に記載の公式サイトが『403 Forbidden』となっており、製品に対する詳細な情報(正しい仕様やブランドサイトの規模や傾向)を見る事が出来ません。
またサイトのドメインを利用しているE-mailアドレスも、十中八九機能しないだろうと思われるのでサポートはAmazon経由頼みとなります。

骨伝導イヤホンはこれが初めてでしたが、(セール時の価格帯から)想定していたよりは音は良いと感じましたね。
そもそも音が曇って聞こえるだとか音質がクソっていう感想は、骨伝導の仕組みを考えたら普通のイヤホンには勝てっこないのでレビューに書くのは的外れでしょう。

だって側頭部の骨に振動を伝えることで音を伝える仕組みだけれど、骨に直接振動が伝わる訳じゃなく柔らかい外皮ごしなんだから音がくぐもって当たり前です。

振動は結構しっかりしており、固いテーブルなど振動が伝わりやすい物の上に置くと音が大きくなって聞こえました。
なんだったら紙コップの底に振動部分を当てれば、紙コップが簡易的なスピーカー代わりになってくれます。
紙コップでも100均で買える電源不要の(アンプの無い)パッシブスピーカーよりはちゃんと音が聞こえる…感じがする程度には振動を感じます。
装着して自分の耳を塞げば遮音性が高まり音が良く聞こえるようになったり、あごに当てて耳を塞ぐと同様に音が聞こえたり等、一応骨伝導であることを名乗って問題ないとは思います。
まぁ高い骨伝導イヤホンを使った事がないので、それとどこまで違うかまでは分かりませんが、ドライバーから音が漏れてそれが耳の穴に入る事で音が聞こえるだけの『えせ骨伝導イヤホン』でなかったのは確かです。

ちなみに音量最大でも音漏れは少なく、他人の頭部が恋人並みに自分のそばになければ感じないレベルです。

その後別の骨伝導イヤホンを購入したのですがそれと比べたら、この品はちゃんとした骨伝導イヤホンであるという以外は、2500円相応の品だと思います。
定価の5000円の価値は無いですね。
中華骨伝導とはいえ、ちゃんと技適マークの入っている4000円台の品物がAmazonで簡単に見つかりますし。
(まぁ技適番号偽装の品もありそうですが…)

言うまでもなく音を伝える仕組みが通常のイヤホンやヘッドホンと違い高音質にしづらい骨伝導イヤホンで、どうしても一定以上の音質を望むのなら骨伝導イヤホンに於いて一定の評価がある『Shokz (旧AfterShokz)』や『boco』のとか買った方が良いでしょうね。
安いのは1万円台からあるようですが『Shokz OpenComm』なんか2万円前後するらしいですし、それでも骨伝導という仕組みである事、遮音性が無い点でどうやっても限界はあるので過度な期待は禁物です。

その他機能については複数の接続機器を記憶する『マルチペアリング』や、スマホとタブレットに同時に接続できるような『マルチポイント』には非対応でした。
通常売価が5000円を超えることを考えたら2~3台程度のマルチペアリング機能か、タブレットとスマホに同時接続可能なマルチポイント機能は欲しかったですね。


通話を8時間というのは計れませんでしたが、音楽の再生時間や充電に掛かる時間などを計測した限りでは概ね説明書通りでした。
でも箱や説明書にある『20日のスタンバイ可』ってのはさすがに嘘だと思いますわ。
付属の耳栓を付けることで遮音性が生まれ、うるさい環境でも音楽を聞くことはできますが、こもりが大きくなって音質が低下しました。
外の音が聞こえるように骨伝導イヤホンを使いたい人が大半でしょうから、耳栓を使用するのはその意図に反する最終手段だと思って使いましょう。

私の体感ですが掃除機をかける時に、各イヤホン&ヘッドホンで聞き取れる具合(≒遮音性)は以下のような感じですね。
ノイズキャンセリング付カナル>耳栓有り骨伝導>普通のカナル>オーバーイヤーヘッドホン>オンイヤーヘッドホン>>>耳栓無し骨伝導
遮音性はカナルより本品付属の耳栓の方が良いのですが、ノイキャンとカナルの組み合わせならある程度音質を保ったまま小さな音量で聞ける点が最高でした。
なので音質が落ちるのが分かっていて『耳栓をしてまで掃除機を掛ける時に音楽を聞きたいか?』と問われると答えはNoです。
骨伝導イヤホンを買ったのは、あくまで『外の音をしっかり聞きながら音楽やラジオをながら聞きする』ためなのですから。
実際に散歩する時や天ぷら揚げる時は便利に使えてますよ?

ここまで9 DIGITAL Liteのレビューを書いてはみましたが、私同様に半額の2,500円で買えるとしても、技適も間違いなく通っていて、なおかつAACコーデックに対応しているGEOの2,980(税込3,278)円の『GRFD-BCH200B300』買った方が多分良いように思います
(なお『骨伝導イヤホン(GRFD-BCH200B300)は、2023年1/11(水)まで税抜2,480円(税込2,728円)で販売しております。』との事…何故でしょう?)

ちなみにGEOは黒、赤、青のカラーリングを選べますが『IPX4(防塵非対応)』で『バッテリー容量は180mAh』となっており『音量50%で音楽再生7時間』『待機時間200時間』との事。
9 DIGITAL Liteは仕様を信じるなら『IP54の防塵&防水性能』で『バッテリー容量は200mAh』で『音量100%で音楽再生約6.5時間(ここは本当)』『待機時間480時間(多分嘘)』だから、一応スペックは9 DIGITAL Liteの方が上ですがね。
骨伝導で音質が低くなるという仕様での『AACの高音質』はあまり意味が無い気がするのはもちろん、場合によってはAACで繋ぐと遅延が増えることもあるのでAAC対応はそれほどのメリットではないかもしれません。
9 DIGITAL LiteはAACには非対応で建前上日本国内では使えませんが、2500円で買えるならGEOのよりは良いと言えます…が、建前上オススメはできません。

複数のWebレビューを見るとGEOの方は値段相応のようですし(叩かれているレビューもありましたが…3000円切る初めての骨伝導なら悪くないというのが総評の様です)、9 DIGITALはサクラチェッカーでサクラ判定されていたのでここを含めて他人のレビューなど信じずにご自身の直感に従って購入するのが良いと思われますよ?
技適番号詐欺もあるので中華イヤホンの仕様表記なんてあてになりませんし、日本の仕様表記ではバッテリー持続時間は盛ってることがほとんどですし。

これが骨伝導では無く従来の技術の熟れたイヤホンやヘッドホンで、ハズレを引かなければ中華イヤホン類もそれほど悪くはないと思うのですよ。
初めての骨伝導イヤホンとして1万円以上するShokzとかは、私を含め流石に手は出しづらいですし。

ここまでレビューを書いてなんなんですが良心あるレビュアーとしては、少々スペックは低下するも技適の通ってるであろうGEOの骨伝導『GRFD-BCH200B300』の方をオススメしておきます。


【今更】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||の視聴完了【レビューっぽいチラシの裏】

2022年11月07日 17時11分08秒 | チラシの裏

◆シンエヴァを見た結論

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』面白かった。

TV版エヴァを見る前あるいは途中まで見た頃なら、エヴァンゲリオンに求めていた物語や結末は『シンエヴァ』の内容そのものだったんだろうなぁと思い返した。

でもTV版を見終わりその意味不明さを理解しようと考察を読みあさったり、旧劇場版にTV版の答を求めて見たものの庵野監督にだまくらかされて何かよく分かんないものを見せられて…。

でもそのだまされる事すら(愛國戰隊大日本を作るような)尖っている庵野監督だからと受け入れて、なかば詐欺師にだまされるのを喜ぶような心持ちで序とか破も見た。

だからQやシンエヴァもやっぱりそういう気持ちになると覚悟しながら見てみたら、Qやシンエヴァは普通に面白い作品だった。

だが面白くて最後まで見てしまったものの、私は内心尖っていると思っていた庵野監督も(つまんない)大人になってしまったんだなぁ」とも思ってしまったのだ。

じゃあ『見て後悔したか?』というともちろんそんなことはない。

『つまんない大人の作品だ』『物語やアニメとしてはすごい楽しかった』というアンビヴァレンツな心の葛藤が、私の中で強くせめぎ合うだけの衝撃は与えてくれた。

とにかく長年追いかけてきた甲斐のある作品だったのは確かだ。


◆今日の結論までのチラシの裏

先に言っておきますが私はにわかファンでしかないので、本記事にはエヴァに関する考察とかはまったくありませんのであしからず。

では以下本文です。

とあるゲームがプレイしたくて、今まで殊更遠ざけてきたAmazonプライムの無料体験に入り目的のゲームは無事入手したのです。

でも折角プライムに入会したのだからPrime Videoで何か見ようと期間終了間際、たまたま目に入った『ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q』と『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を見たのです。

正直『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』とか『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を映画館で見た頃は「あぁ庵野監督の事だからどうせ観客を韜晦させてお茶を濁すんだろうな…」と考えて、まぁ実際の内容もその期待に外れないような感じでした。

でもその尖った監督による作品の内容は決して万人向けではなかったものの、ずっと追いかけてきた個人としては好きでしたし、それを劇場で見たという体験自体も楽しかったのです。

TV版のラスト付近や旧劇場版よりは理解しやすく、にわかファンの私が見ても面白かったですしね?

で今回Qとシンエヴァを見て良かったとは思ったんですよ?…思ったんですけど『普通に面白いつまんない大人の作った作品になっちゃったなぁ』というのが最終的な感想です。

別の例として新海誠監督の映画があります。

氏の初期の映画は目を惹きつける映像美、それに反する様な美しくない救いの無い物語、見終わった視聴者側の虚無さ加減は映画の内容はともかく体験として強い印象を残してくれたんです。

ですが新海監督の最近の作品は、普通に見られるエンターテイメント映画に仕上がってるんです。

映像は初期の頃と比べると特筆するほどではありませんが、他と比べれば充分以上に美しいままそこに割くエネルギーを物語に回した分、楽しめる映画になったのです。

多分彼を支えたり万人が楽しめるよう軌道修正してくれる人達が彼の周りについてくれたんでしょうね、宮崎駿監督で言うところの鈴木敏夫さんにあたるような人が。

今の作品は面白いし次回作も楽しみなのですが、初期のような見終わった後になんとも言えない感覚に陥る映画はもう多分見られないでしょう。

じゃあ新海監督の初期の映画は楽しかったか?というと、そんな事はなく「くそつまんねー映画を見た!」って事はもう無いと思うので朗報だとは分かってるのですが。

でも「新海監督に求めてるのはコレじゃねーんだよ…」という一抹の寂しさは覚えるのです。

で、同じ感想を今回のシンエヴァを見た後に思ったのです「庵野監督とエヴァに求めてるのはコレじゃねーんだよ…」と。

冒頭に書いたとおりTV版エヴァを見る前あるいは途中まで見た頃なら、エヴァンゲリオンに求めていた物語や結末は『シンエヴァ』の内容で合っていたのです。

エンターテイメントたっぷりで厨二要素もあり、主人公が成長してご都合主義ながらも大団円を迎えるお話です。

シンエヴァが面白い作品だと感じたのは尖った庵野監督が丸くなったからでしょうし、私自身が歳を経て大人の視点でものを見られるようになった事もあるでしょう。

でも私個人としてはエヴァに救いやご都合主義な大団円は求めていなかったのです。

でも一方では作中で大人となり荒廃した世界でも生き続ける鈴原トウジや相田ケンスケの様な視点で、シンジ君を見つめたり諦観を覚えたりそういった共感もありました。

でも一番共感を持ったのは、かつてイヤホンをつけることで外界と自分を断絶させ内にこもる碇ゲンドウだったというオチには少し苦笑いしました。

大人になって丸くなり皆が納得できる成果を上げられるようになった庵野監督、コミュニケーションを嫌い外界と自分を断絶させ続けはしたが最後まで自らを貫き続けた碇ゲンドウ。

私はどちらかにもなれなかった故、二人の存在は眩しかった。

閑話休題

まあ客観的にはQやシンを見て良かったと思いましたし、むしろ当時のエヴァを知らない方が序破Qシンを楽しめるのではないでしょうか?

 

そういえばQの空飛ぶ戦艦型エヴァであるヴンダー発進のシーンは、同じく庵野監督が手掛けた『不思議の海のナディア』のN-ノーチラス号発進シーンを彷彿させてくれました。

元は言わずもがな宇宙戦艦ヤマトの発進シーンのオマージュなんでしょうが、エンターテイメント的な外連味はエヴァっぽくないとは思いつつ「あーやっぱこの発進シークエンスはたまらんなぁ…」と思いました。

別にヤマトを知らない世代でも、SF好きだったら心が沸き立つ感覚を覚える人も多いのではないかと思います。

ちなみに私宇宙戦艦ヤマトは再放送で見ているだけなので、その世代ではないですよ?

まぁそんなわけで冒頭の『つまんない大人の作品』という私の感想はさておき俯瞰的に見れば、多くの人の心を揺さぶるエンターテイメント映画には仕上がっているので、興味が湧いたなら是非『ヱヴァンゲリヲン劇場版:序』『破』『Q』の三作と『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の視聴をお勧めします。

TV版や旧劇場版はまぁ気が向いたら見る…ぐらいの気持ちで良いと思います。

コアな人は「いやこれはTV版からのループ物となっていてTV版から見ないと…」と文句も出るかもしれませんが、ライト層なら見ていて楽しい新劇場版だけで良いんですよ。

当時私たちが味わった苦痛を与えてまで、今の人にTV版や旧劇を見せるこたぁないのです。