まず先に『NUARL』は『エム・ティ・アイ株式会社』という会社のブランド名で、本業は主に中国・台湾らとの貿易を通じてOEM/ODM製品を扱う会社となっています。
扱いとしてはパソコン、テレビ、オーディオ関連等々、多様な電子機器やアクセサリをOEMやODM形式により安価で販売しているエレコムとかサンワサプライに近い会社です。
公式サイトを見てもらえれば分かりますが、エレコムやサンワサプライやそれらサブブランド製品のように『安価でそこそこの品質路線』ではなく、NUARLというブランドに相当力を入れているのはうかがえます。
ですが決して大手音響機器メーカーではない事を前提の上、以下レビューをご参照ください。
なおこのページの私が撮影した写真以外は、Amazon.co.jpより画像を引用しています。
またAmazon価格は2021年7月15日現在のものかつAmazon.co.jpの販売&発送のもの、あるいは公式ストア販売&Amazon.co.jp発送のものとなっています。
NUARL NT01A (通常価格 10,890円、Amazon価格 5,980円)
◆仕様
質量:本体:約5g/充電ケース:約35g
連続再生時間:約10時間(SBC/AAC再生時)・約7時間(aptX再生時)
合計再生時間:充電ケースとの組み合わせで最大35時間
連続通話時間:約15時間
充電時間:約1.5時間
接続方式:Bluetooth 5.0/マルチペアリング4台/マルチポイント非対応
対応プロファイル:A2DP、HFP、HSP、AVRCP
対応コーデック:aptX、AAC、SBC
ドライバー径:6mm
再生周波数帯域:20~20,000Hz
マイク:全指向性(cVcノイズキャンセリング搭載)
耐水性能:IPX4相当
カラー:2色/ブラックゴールド、ディープネイビー
◆付属品
イヤーピース(NUARL標準):L/M/S×2
固定用イヤーループ:L/S×2
充電用ケース
充電用USBケーブル
ユーザーズガイド(日本語・英語・中国語)
バッテリーケースからとりだした場合、右と左のイヤホンのうちバッテリー残量が多い方が自動的に親になって、端末と接続を担当する仕組みとなっています。(手動で指定も可)
実際にはどの程度バッテリーが持つのかを音量最大で試したところ、aptXで7時間41分、SBCで10時間10分連続再生できました。
音量最大だと爆音で耳が痛くなるので、適切な音量50~60%程度まで絞った状態かつaptX接続という条件でも9時間持つのを確認しました。
連続再生時間の表記に偽りは無い上、ペアリングをしていない子側イヤホンのバッテリーは親のバッテリーが尽きても30~40%残っていたので、交互に親になるように接続すればさらに再生可能時間は伸びそうな気がします。
イヤーループが地味に有効で、正しく装着すれば激しく上半身を動かさない限り外れたりはしません。
なのに説明書に装着方法が書いてないのはマイナスです。
外れないように装着するには耳にしっかりイヤホンを押し込んだ後、イヤホンを前側に回しイヤーループを耳のヒダに押し込む必要があります。
ただケースに入れるときもしっかりイヤーループを溝にはめこむ必要があり、装着と充電にコツが必要な点はせっかちな人にとってはデメリットかもしれません。
音質は手持ちのドライバー径10mmのワイヤレスイヤホンと比べるとこもった感じが拭えません。
(どんなイヤホン・ヘッドホンでもドライバー径が小さくなるほど高音の出がイマイチで、全体的にこもった感じになりがちです)
ただ完全ワイヤレスイヤホンは初めての購入なので、他の6mm径のものとどの程度違いがあるのかは断言できません。
しかし極一部の製品を除いて完全ワイヤレスイヤホンのドライバー径は6mm程度が標準なので、とくにNT01Aだけがこもった音になるという訳ではないと思っています。
とは言えAACやaptXで接続すればある程度の音質は担保されるので、後はプレイヤーアプリ側で高音ブースト&お好みの音に調整すれば大抵の人は満足できるでしょう。
そもそも中国メーカーの格安製品を除くと、税込6,000円前後でaptXに対応する完全ワイヤレスイヤホンの選択肢はほとんど無く、これかYAMAHAの型落ち品(TW-E3B)ぐらいしかありません。
また普通のaptX対応ワイヤレスイヤホン(遅延0.15~0.20秒 上記画像で右の3~4の間)と比べると、倍程度である約0.25~0.30秒ほど(右の6~7の間)の遅延がありました。
aptXの低遅延を目的に購入したので最もガッカリした部分ではあるのですが、おそらくNT01A以外の完全ワイヤレスイヤホンも大差ないものだと思います。
考えてみれば当たり前の話ですが、完全ワイヤレスイヤホンは再生時に左右同期の手順を踏むため、その手間の分だけ遅延は避けられません。
同じコーデックに対応した(非完全)ワイヤレスイヤホンに比べると、どうしても遅延が大きくなるのは理解した上で買うべきでしょう。
以下オーテクのATH-SQ1TWは『SBCコーデックのみ対応にもかかわらず低遅延』を謳っていますが、実際の遅延がどの程度なのか個人的に非常に気になるところです。
より低遅延を謳うaptX LLに対応する数万円の完全ワイヤレスイヤホンの遅延が、実際どの程度なのかも気になります。
…買って確かめる事はまず無いでしょうけれど。
マットブラックの充電ケースやイヤホンの見た目は10,000円と言われればそう思えるような高級感はあります。
私個人としては音質は実売価格である6,000円相当だと思いますが、aptX対応・再生時間の長さ・イヤーループなどの総合点では6,000円以上の価値はあると思いました。
以下は下調べで購入候補だったもの一覧です。
比較参考に公式サイトとAmazonへのリンクを張っておきますので、良ければどうぞ。
リンクから買ってもらえるとアフィリエイト収入の足しになるのでなお感謝です。
audio-technica ATH-SQ1TW (通常価格 9,680円、Amazon価格 7,902円)
◆仕様
質量:イヤホン:左右約5.2g/充電ケース:約34.2g
連続再生時間:約6.5時間
合計再生時間:19.5時間
連続通話時間:不明
充電時間:イヤホン:約1.5時間/充電ケース:約2時間
接続方式:Bluetooth 5.0/SCMS-T対応
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP
対応コーデック:SBCのみ (ただし低遅延の謳い文句あり)
ドライバー径:5.8mm
再生周波数帯域:20~20,000Hz
マイク:MEMS型/100~10,000Hz
耐水性能:IPX4
カラー:6色/ブラック、ホワイト、ネイビーレッド、ピンクブラウン、ブルー、マスタード
◆付属品
イヤピース:XS/S/M/L×2
充電用USBケーブル
充電ケース
コメント:SBCのみ対応にもかかわらず低遅延を謳っているのが「わたし、気になります」
高性能チップでの復号化や転送遅延の軽減処理などがなされているのであれば負荷のために再生時間が短くなるのですが、これは再生時間が6.5時間とそこまで短くないんですよね…。
YAMAHA TW-E3B (通常価格 10,450円前後、Amazon価格 6,495円)
質量:5.0g
連続再生時間:6時間
連続通話時間:不明
合計再生時間:24時間
充電時間:約2時間
Bluetooth接続:5.0/マルチペアリング3台/SCMS-T対応
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP
対応コーデック:SBC、AAC、aptX
ドライバー径:6mm
再生周波数帯域:20Hz~20,000Hz
マイク:詳細不明
耐水性能:IPX5
カラー:6色+限定コラボ1色/ブラック、グレー、スモーキーグリーン、スモーキーピンク、スモーキーブルー、バイオレット/ラベンダー、ライトブルー(ゆるキャン△コラボモデル 志摩リンオリジナルカラー )
◆付属品
イヤピース:XS/S/M/L×2
充電ケース
USB給電ケーブル
コメント:当初は最有力購入候補でした。
価格が安いのは『型落ちである事』『一つ前のモデルの評判が非常に悪かった事』が原因で、この製品ではおおむね解消されているというレビューもありました。
aptX対応で大手メーカー製で7,000円を切る機種の選択肢はほぼ無いので、NUARL NT01Aが楽天で50%ポイント還元していなければ、おそらくこちらを買っていたでしょう。
JVCケンウッド HA-XC50T(通常価格10,890円 Amazon価格 6,813円)
◆仕様
質量:5.6g/充電ケース 約50g
連続再生時間:4時間
合計再生時間:14時間
連続通話時間:不明
充電時間:約2時間、充電ケース:約3時間
接続方式:Bluetooth 5.0/マルチペアリング7台/SCMS-T対応
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP
対応コーデック:SBC、AAC
ドライバー径:不明
再生周波数帯域:20Hz~20,000Hz
マイク:未記載
耐水性能:IP55(防塵対応)
カラー:4色/ブラック、グレー、ターコイズブルー、レッド
◆付属品
イヤーピース:S/M/L×2個
充電ケース
充電用USBケーブル
コメント:JVCは嫌いでなく値段も悪くないのですが、目的のaptXが非対応な事と再生時間が少なめな点から最終候補から外しました。
aptXの低遅延が思っていたほど恩恵がなかった事を考えると、音質だけならAACに対応しているこちらでも良かったかもしれません。
同じ価格帯の『HA-A50T』はドライバー径10mm、ノイズキャンセリング対応、タッチ操作、再生時間もイヤホンのみで8時間、ケースと合計で32時間再生可能となっています。
なのでHA-XC50Tを買うよりは2000円ほど足して、HA-A50Tを買った方が幸せになれるような気がします。
Jabra Elite 65t(通常価格9,790円 Amazon価格 8,072円)
◆仕様
質量:右イヤホン6.5g/左イヤホン5.8g/充電ケース67g
連続再生時間:5時間
合計再生時間:15時間
連続通話時間:15時間(ケースと合計)
充電時間:2時間(クイック充電15分で1時間)
接続方式:Bluetooth 5.0/マルチペアリング8台/マルチポイント2台
対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HSP、HFP、PBAP
対応コーデック:AAC(SBCは未記載)
ドライバー径:6.0×5.1mm
再生周波数帯域:20Hz~20,000Hz
マイク:MEMS型 100Hz~10,000Hz
耐水性能:IP55(防塵対応)
カラー:3色/コッパーブラック、ゴールドベージュ、チタニウムブラック
その他:ノイズキャンセリング機能あり
◆付属品
イヤーピース:3サイズ
充電ケース
Micro USBケーブル
クイックスタートガイド
保証および警告リーフレット
TAラベル
コメント:マルチポイント(音楽再生用&電話用端末との同時接続)やノイズキャンセリングに対応しているのは良いですね。
ただその所為で消費電力増によりイヤホンのみだと5時間、ケースと合わせても15時間しか電池が持たない、8,000円を越えた事から候補落ちしました。
あとは田舎住みなので電車に乗る機会が無く、ノイキャンの使い所がない点です。
今までノイキャンが一番役に立ったのは、掃除機掛けながら音楽聴いていたときぐらいですかね?