始祖の作者スターン師は251年前に、とっくに亡くなっています。
そして、何となくお気付きかもしれませんが、
前篇のメイン制作者も、2年程前に「この世とオサラバ」してしまいました。
享年50歳、20代の頃からの長い闘病後の静かな死でした。
その後を私が引き継いだのですが、
死の直前に受けた、その指示の細かい事といったら―。
しかし、かの人も分かってはいた事でしょう。
「モーツァルトは、どんなに人真似をしてみても、始まりから最後までモーツァルトだった」
と言ってたくらいなので。
つまり、私がどれだけ前の作者(更にはスターン師)を真似て、
できる限りの整合性を保って物語を繋ごうとしても、
いずれ、私から湧き出る個性で、私の物語へと置き換わってしまう事を。
ひょっとしたら、「ばら物語」の
ギョーム・ド・ロリスとジャン・ド・マン級の大差となって現れるのでは?
と楽しみにしております。
それは、さておき――
前の作者はフルートが吹けました。
リコーダーでは物足りなくなり、そっちへ向かったようです。
20代の後半には、ヴァイオリンも習いましたが、
発病により、やがて楽器を構える事すら、激痛で困難になりました。
しかし、ハリソン氏描写への足しには、なったのかもしれません。
「フルート吹くようになったら口笛が吹けなくなった」は
前の作者から聞いた話が元となっています。
フルートと口笛では、息の通し方が違う。
よって口と口の周辺の、どこに力を入れるかが全く違っている。
口が形状記憶をしてしまい、
「口笛を吹ける口の形が分からなくなった」という事なのでしょうか?
おかみさんは、近所のローヌ川端辺りで牧人のWワーカーしてると
いう訳ではないので、口笛は必要ありません。
お嬢さんは、お行儀が悪いと言っています。
日本では「口笛を吹くと蛇が出る」と言いますが、
フランスでは、どうなのでしょう?
「妖怪蛇女、メリジェーヌが来るゾ!」という脅し文句は無かったのでしょうか?
妖怪といえば、当時の現実上のプロヴァンスでは、
神出鬼没の妖獣「ベート」が恐れられていました。
フィクション上では、香水作りに励む余り、
猟奇連続殺人続行中の「パフュームの鼻男」が彷徨っていました。
そんなトコ、よく通り抜けようと思ったもんだな~。
モンセニ峠経由とか、他にも道はあったろうに。
ここの所は説明受けてないし、聞くのも忘れてた!
以上で22話完、23話は8月以降となります。
第1~21話は
「漫画 ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN -フランス通過編-
で、ご覧になれます。