ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

童謡「月の光」にまつわるエトセトラ&c. 〜白い服のピエロ〜

2023年09月18日 | 各話開始前エッセイ


♪Pierrot répondit:
 ― Je n'ai pas de plume,
 Je suis dans mon lit.
 Va chez la voisine,
 Je crois qu'elle y est,
 Car dans sa cuisine
 On bat le briquet.


 ピエロ : 
僕はもう眠ろうとしてたんで
火は消してしまったし、
ペンも近くに無いんだ。

隣の家に行ってみたら?
あの家は晩の食事が遅いから
女主人の侍女が台所で
まだ火を使ってる筈だよ。

 リュバン :
分かった。
そうしてみるよ、有り難う。
では、おやすみなさい。

(リュバン一旦退場)

 ピエロ : 
(呟き)火を分けるくらいなら
あの家の者でもしてくれるだろう。
そこまで非情じゃ無い筈だ!


 原語で歌う国では
子供だとこの2番でストップ。
明かりとペンを借りに来たリュバンが
ピエロに断られる所で
La FIN
 
 です。

 ――でも、
実はその続きがあるのでした。

 この歌ができたと
思われる頃のピエロは
白い服着てて、
「ホラー」だの「度が過ぎた狂気」だのとは
無縁の道化者でした。