東洋環境分析センタ- 現場奮闘記

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灰って? (新燃岳編) 機器分析グループ

2012-02-10 | 技術部
今回の現場奮闘記は宮崎の機器分析グループよりお届け致します。

皆さんこんにちは。
さて、こちらはなにを拡大したものか、お分かりでしょうか。


正解は、宮崎県都城市で採取した新燃岳の灰です。
昨年より新燃岳の活動が活発になり、ここ宮崎も一時は火山灰に覆い尽くされた状態でした。
ちなみに、お隣の鹿児島県の桜島で採った灰も拡大してみました。




今回採取した現物はこちらです。

      都城市で採取した新燃岳の灰



           桜島で採取した灰




そこで今回、新燃岳の灰が私達の身体や環境にどのような影響を及ぼすかについて調べました。
その中でも、影響が多くあるとみられたフッ素についてご説明いたします。

人体への影響としては、少量では虫歯予防に多大な効果があります。ですが、長期にわたり多量に摂取すると斑状歯、骨格フッ素中毒などの影響が知られています。

さて、分析に移ります。

まず試験溶液を作成します。


溶媒:水のみ
汚染地下水を飲んだ場合に健康に与える影響(水にどれだけ溶けているか)を考慮したもの

     
溶媒:水+塩酸
汚染土壌を食べた場合に健康に与える影響(胃酸でどれだけ溶けるか)を考慮したもの



溶媒:雨水
自然環境に近い条件で降灰が環境に与える影響を経時的に測定したもの
(通常雨水は用いないが、今回は特別に使用)

↓↓↓そして担当者へ・・・↓↓↓



蒸留しています


発色しています。さて、結果はどうなるのでしょうか?


結果です。

フッ素の分析結果     (基準値)
溶出 [mg/L]     1.1  (0.8)
含有 [mg/kg]     48   (4000)


フッ素の雨水への溶出-経時変化- (タンクリーチング試験に準拠)
静置期間               5日後  10日後  15日後
フッ素及びその化合物 [mg/L]   0.9    1.1    1.5


ふっ素の値は基準値をわずかに超える程度で健康に大きな影響を与えるとは考えにくいです。しかし有害性を示す物質として定量し注目をしていく必要があります。
今回の分析方法は環境分析の観点から見る為に、土壌汚染対策法を参考に行いました。
弊社は、環境大臣より土壌汚染対策法に基づく指定調査機関として指定されている分析機関です。
                               
土壌分析はもちろん、その他の物質の調査などもお問合せ下さい。 
お近くの東洋環境分析センターまでご連絡をお待ちしています。
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