東洋環境分析センタ- 現場奮闘記

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食品添加物のはなし 食品検査グループ

2011-11-10 | 技術部
 食品添加物には、食品の製造や保存に必要なもの、品質を向上させるもの、栄養を補充するものなど様々な目的があります。
 今回、ハムやソーセージなどで使用される食品添加物の発色剤についてお話します。

発色剤とは?・・・読んで字の如く、発色させる添加物(色を安定的にきれいに保つ)なのです。

 ハムやソーセージに使用されている発色剤の亜硝酸には、大きく3つの効果があるようです。(もちろん無添加製品もありますが)
1. 肉の赤い色素(ヘモグロビンやミオグロビン)に作用して、加熱・酸化による褐色化を防ぎ、きれいな赤色を形成する。
2. 肉のもつ獣臭さを消し、ハム・ソーセージ特有の風味を与える。
3. ボツリヌス菌の繁殖を抑える効果がある。


今回、ハムで亜硝酸の分析をしました。


ホモジナイズ後、お湯で抽出します。


ろ過後試薬を加えると、亜硝酸に反応し、
赤紫色となります。


今回実施したハムの検査結果は、0.005~0.053g/kgでした。
ちなみに基準値は0.070g/kgなので、問題ありません!

 食肉製品(ハムやソーセージ)以外には、鯨肉ベーコン、魚肉ソーセージ、魚肉ハム、いくら、すじこ、たらこに使用が認められています。
 今度、スーパーでハムやソーセージを手に取って表示を見て下さい。「発色剤(亜硝酸Na)」と表示されているものをみかけると思います。

 食料の安定供給を考えると、添加物の最低限の使用は必要なのかも知れません。
正しい知識のもと、上手に付き合っていきましょう。