としおんのぺえじ

愛犬パズーとの戯れや日々の出来事などをつらつら綴ります

椿三十郎 その2

2007年10月04日 | 映画
すでにテレビやネットのニュースなどで紹介されまくってますが、先日、三重県の椿大神社で行われた『椿三十郎』の試写会&プリント奉納式&ヒット祈願に、僕も実は行ったりしてました。取材の話をもらった時は正直、面倒臭ぇ……と思っていたんですけど、実際、行ってみるとなかなか良い場所で、ちょっと癒されちゃった僕なのでした。

当日の内容は、ネット&テレビやらでたくさん出てるので、あえてここでは書きませんが、なかなか面白かったこのイベント。配給会社の方々をはじめとした裏方の方々は大変そうでしたけど、仕事ってことを忘れて楽しませてもらいました。写真は、なんでも写真を撮ると恋愛が成就するだの願うが叶うだのと言われているらしい滝。まぁ、やはりと言うか何というか、これを撮った後に何か良いことがあったかというと、見事なくらい何もないんですけどね…。

んなことより、この日、織田さんの記者会見も行われたんですけど、なかなか興味深いお話を聞くことができました。こないだのにも、オリジナルとあまりにも同じなのが気になった的なことを書いちゃったんですけど、どうやら意図的にそうした模様。あの傑作をヘタにいじっちゃったりしたらいかん、ってことがあったみたいなんです。あぁ、なるほど、だからなのね、やっぱそうすべきだよな、と妙に納得しちゃう僕。オリジナルを先に見て凄さに圧倒された身としては、そうしてもらった方が嬉しいよなぁ、と思っちゃったのでした。

一方、この日、織田さんは「三船さんの三十郎を目指しても、僕も三船さんの一ファンになっちゃうくらい(オリジナルは)凄いですから(笑)。僕なりの三十郎でいくしかない」みたいなことを言ってたんです。まぁ、違うって言えば違うけど、ボンクラな僕の目には、やっぱり三船さんの影がチラついちゃったりしたことは事実だったりして…。でも、「(オリジナルと)比較しても適わないですからね。両方、楽しんでほしいです。今回の作品を見て、オリジナルを見てみよう、っていう人が増えてくれると嬉しいですし」ってなことも仰っていたので、あぁ、なるほどな、と思ったのでした。

そう、オリジナルとまんま同じなら、リメイクする意味ってねぇんじゃねぇの?って思ってたんですけど、そうだよなぁ、そこに意味があるんだ、と、あらためて目から鱗状態になっていたんです。だから、わざと三船さんの影をちらつかせて、その違いを楽しませる、ってことだったのかも…ってのは、飛躍しすぎの邪推かもしれませんが。

なにはともあれ、ヒット祈願の時も、糞暑い境内の中、汗をぽたぽた垂らしながらも真摯に臨んでいた織田さんの姿を見て、そのカッコ良さにあらためて痺れてしまった僕。織田さんのファンって熱狂的な方が多いみたいですけど、その人たちの気持ちがちょっとだけ分かったような気がした、暑い1日でした

ヘアスプレー

2007年10月03日 | 映画
最近、夜中にダンス甲子園みたいな番組やってるじゃないですか。ブレイクダンスっていうんでしょうか、クネクネしたりしてるやつ。何を隠そう、僕はあの手の番組が嫌いだったりします。あと、ど○つり。意識して見ないようにしてるんですけど、偶然見ちゃったりすると、なんかムカムカしちゃうんです。ダンスが嫌いな訳じゃないんです。映画でも『シカゴ』とか『サタデー・ナイト・フィーバー』とか大好きだし。もちろんブレイクダンスだって、クルクル回ってバシっと決めてる人のを見ると爽快だし、どっちかと言うと好きな方です。

で、何でムカつくんだろう?って考えてみたんですけど、ある答えにぶつかりました。それは演者たちのオナニーを見せつけられるから。こんなに頑張ったんです。こんなに苦労したんです。だから僕を見て!私を見て!っていう演出って言えば分かりやすいかなぁ。出演者たちって言うよりは、そうやって感動を押しつけようとする演出にムカついてしまうんです。

人様に自分の表現を見せ、楽しんでもらう。それは素晴らしいことだと思います。でも、その後に泣き出したり、仲間同士でじゃれあったりする姿を見せたら、いくら表現が素晴らしくても興醒めしちゃうんじゃない?って思うんですよね。プロとは行かないまでも、人様に見せる以上は、技を磨かなきゃいかんと思うし。もしそうじゃなく、自分たちが楽しみたいだけだったら、公共の電波でやったり公道を封鎖してやるんじゃなく、どっか会場を貸し切ったりして勝手にじゃれあっててくれ、と思ったりする僕がひねくれてるだけ、かもしれないんですが…。

そんな中で見た、10/20(土)から公開される『ヘアスプレー』は素晴らしかった。ちょっと太めの女の子が、憧れだったダンスコンテストに向けてがんばるっていうストーリーなんですが、主役を演じる女の子がカワイイんですよ。決してデ○専ではないんですけど、終止、楽しそうに笑顔で歌って踊る彼女に、めっちゃ癒されてる僕がいました。きっと舞台裏では、あの体型でバリバリ動くのは大変だったと思うんだけど、それを微塵も感じさせずに、笑顔で踊る彼女。やっぱりプロはこうじゃなくては。彼女のはちきれんばかりの笑顔を見て、あらためて実感したりする僕なのでした。

突然、歌い出したりするミュージカルが苦手だったりするので、見る前はどうかなぁ、と思ったりしていたんですが、そんな不安は杞憂に終わりました。主役の子の他にも個性的な面々が歌ったり踊ったりするんですけど、もう素晴らしいの一言。60年代のノリの良い音楽に自然にリズムを取っちゃったりするなど、プロの技って奴を堪能させてもらいました。まぁ、この作品の宣伝の目玉っぽく扱われてる元祖ダンス俳優ジョン・トラボルタの女装はどうかなぁ、と思ったりしないでもないですが…。彼の登場シーンだけは、なんか気持ち悪くてドン引きした僕なのでした。

なにはともあれ、やっぱりプロは凄ぇ、と思わせてくれたこの1本。ダンスを志す人もそうでない人も見てほしいなぁ、と思ったりした次第です。とくにどま○りで中途半端な踊りを踊ってる方々、是非これを見て精進していただきたい!

…偉そうですいません、阿呆の戯れ言なので右から左に受け流してね

ヘアスプレー」10月20日(土)より公開
TM & (C) MMVII New Line Productions,Inc.All Rights Reserved.

椿三十郎

2007年10月02日 | 映画
末端も末端、はしっこギリギリなんですが、映画に携わる仕事をしているわりには映画を見ていないことを反省し、最近は暇を見つけては試写はもちろん、劇場に足を運んだり、DVDを見たりする今日、この頃。つまんないのから面白いのまで、とりあえず見てみる、っていう習慣をつけようと、日々、格闘する毎日です。

そんな中、最近のマイブームは“温故知新”。今更ながらなんですが、黒澤明の作品にハマったりしてます。正月に森田芳光監督、織田裕二主演で『椿三十郎』がリメイクされるので、まだ末見だったオリジナルをチェックしておこう、と思ったのがきっかけなんですが、三船敏郎演じる三十郎の迫力に圧倒され、休む間もなく『七人の侍』『生きる』『用心棒』などを立て続けに見ちゃいました。

実は、恥ずかしながら『椿三十郎』を筆頭に、すべて今回が初鑑賞。端っことはいえ、映画業界に身をおく者として『七人の侍』を見てないってどうなのよ? って感じですが、なかなか見る機会がなかったんです。で、いざ見てみて、「なんでもっと早く見なかったんだ…」と落ち込み、もっと見なきゃと、あらためて闘志を燃やしたりしておりますです。

と、前置きがえらく長くなってしまいましたが、先日、期待のリメイク版『椿三十郎』を試写で鑑賞してきました。その感想は、う~ん…。なんて言うんでしょうか、期待しすぎたかなぁ。森田監督が、あの傑作をどう料理するのかって思ってたんですけど、ほぼオリジナルを忠実に、って感じだったんです。物語はもちろん、じっくり見比べた訳じゃないので違ってるかもしれないけど、セリフや屋敷のセット、役者の立ち位置に至るまで、ほぼ同じだったような気がするし…。その中でも如実だったのが、織田さんの演技でした。

森田監督がどう演出するかってことと同様に、織田さんがどんな椿三十郎像を見せてくれるのか、ってことにも期待していたんですが、いざ見てみると、三船敏郎の大きな影に包まれているような感じがしたんです。セリフ回しや立ち回りなどなど、織田さんが意識して似せたのかどうかは分からないんですが、少なくとも僕の目には、三船“椿三十郎”敏郎をトレースしているように見えてしまったんですよね…。

もちろん、全体的にあの偉大なオリジナルに忠実なせいか、面白さが損なわれているっていうことはありません。モノクロの椿の花も鮮やかな紅白で映し出されているし、パワーアップしているって言えばしていると思います。ただ、僕の期待は視覚的なそこではなく、森田&織田がオリジナルをどう咀嚼し、新しい“椿三十郎”を見せてくれるのか、っていうところにあったので、腑に落ちない部分があった、という訳なのです。

まぁ、オリジナルを知らなければこんな不満はなかっただろうし、椿初体験っていう人には、織田さんもこれまでにない感じの演技を見せてるから、新鮮さを感じられて良いかもしれないっすね。で、是非、オリジナルも見て、クロサワの世界にハマってみてみてはどうでしょうか?

椿三十郎』12月1日(土)より全国東宝系で公開
C 2007「椿三十郎」製作委員会