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「今に生きる」 ネット坐禅会・50

当坐禅会の今後の予定ですが、蔓延防止措置がとられた場合には、一応開催しますが、開催回数からは除外して、参禅の場のみを設けることとします。気を付けてお出かけください。休まれても欠席とはしません。また、緊急事態宣言が出された場合には完全に中止とします。

コロナ禍が教えてくれること

 私は、昨年から先日の十五日に延期となっていました總持寺授戒会法要の導師の役が、急遽感染拡大の懸念から再度延期されることとなりました。

いろいろな支援を受けながら準備を進めてきただけに、関係者に通知したり、お詫びの対応に追われていました。場合によっては、さらに一年延び、私自身の気力、モチベーションの維持を心配してくれる友人もいました。 

皆様もこのように、様々な状況の変化に対した対応が求められる場面も多いことと思います。コロナ禍では、新たな展開への対応力が試される、学びの場とも言えそうです。

アスリートの活躍に学ぶこと

 さて、ステイホーム(寺院)が続く中、特に最近のスポーツアスリートの活躍に感動することが目立ってきました。感染対策を徹底して開催された大学生の箱根駅伝や甲子園の選抜高校野球は、開催できる喜びと感謝の思いが溢れ、懸命な姿が感動を呼びました。

また、オリンピック延期に伴う、代表選手選考の、各種大会も独特の緊張感を感じさせています。モチベーションを保つという点でも、身心のコントロールは大変なことと思います。中でも、水泳の池江璃花子選手の白血病を乗り越えての活躍は、多くの人に感動と勇気をもたらせてくれました。

直接コロナとは関係がないとしても、海外においても日本人の活躍が目立ち、コロナ禍に鬱積する心を晴れやかなものにしてくれています。テニスの大坂なおみ選手、大リーグ二刀流の大谷選手、ゴルフの松山選手などなど。

これら、活躍するアスリートたちに学ぶべき生き方があります。

今に生きる

池江選手は、病気以前の実績に固執することなく、現在の自分を直視し、一歩ずつ進化する自身に喜びを感じ、驚異的な回復でオリンピックの内定を果たしました。各選手に共通することは、過去にこだわることなく、常に向上心を持ってチャレンジ精神で「今に生きる姿」を見せつけてくれていることです。大谷選手の二刀流への挑戦、内村選手の鉄棒高難度への挑戦、(近日中に、選考試合が予定されています)また、羽生結弦選手の四回転半ジャンプを追い続ける思いなど、型通りのセオリー、従来の常識を超えた果敢な挑戦の姿には、苦悩に直面する多くの人々に、感動と勇気、明日への希望をもたらせてくれていることでしょう。

前後際断・竿頭の先の一歩

 仏教は、「今にしか生きていない」ことを強調し、現実に向き合って、より有意義に人生を生き切る手立てを教える宗教であると言えます。「前後際断」が説かれている道元禅師の『正法眼蔵』現成公案の巻には、今は、過去からつながり、未来を作るいまではあるが、前後は切れていて、独立した別物のいまであることを教えています。「竿頭の先に一歩を拓く」という禅語も、明日がどうなるか全くの不透明な今を、果敢に勇気を持って踏み出す大切さを教えています。

 さて、このコロナ禍に、どう行動すべきか、アスリートたちの挑戦の姿は、不透明な「今」に生きるヒントと勇気を与えてくれているように思います。

               令和3年4月18日 参禅会NO.897資料 

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