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軍産複合体が戦争を作る~Destiny考

2005年02月27日 21時31分32秒 | 世情雑感(サブカルチュア)

 昨日、放送された(一部地域では来週放送される)「。機動戦士ガンダムSEED DESTINY」第19話においてプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルは戦争の始まる根源を兵器産業の集合体――「ロゴス」――によってなされると指摘した。これは一面的には事実だ。人類史上のほぼ全ての戦争が新兵器の実験場であり、戦争とは破壊という名のもとに(広義ではその後の復興も含められるかもしれない)経済活動を遂行する一つの産業でもあるのである。別に真新しい指摘でもない。今から半世紀近く前に米国のアイゼンハワー大統領が軍産複合体として言及している事なのだ。
 しかし、デュランダル議長が言うように軍産複合体が戦争を引き起こしている訳ではない。このように書くと先の第2次湾岸(イラク)戦争はどうなのだという意見が出て来るだろう。昨年、人気を博したようで博さなかったムーア監督の「華氏911」によれば、M2ブラッドレー歩兵戦闘車を生産するUnited Diffense社を有するカーライル・グループ等は自社の利益の為にブッシュ政権を動かしているのだと言う。
 だが、これは正しい見方ではない。最早、一般経済界は戦争を望んでいないからだ。戦争、特に国民を総動員せざるを得ない戦争等はやってもらいたくないのが現状だろう。統制経済ほど資本主義社会を生きる企業にとって悪夢は無いからである(市場が何より縮小するからだ)。そして、そのような状況を民主主義国家に生きる市民は許容し得ない。このように考えるならば、恐ろしい結論が出て来てしまう。戦争の発端が軍産複合体にあるにせよ、その戦争を国民や企業は経済や自身へ影響が出ない限り支持し得るという事になりかねないのだ。第2次湾岸戦争は米国の経済社会を総動員した戦争ではない。米国政府はテロとの戦争に米国の総力を上げるとしているが、米国経済は相変わらず堅調さを保っている。つまり、米国は総力戦等行っていないのだ。
 自国が勝つと分かりきっている戦争は、軍産複合体の存在があろうと無かろうと国民の支持を得て遂行されてしまうとも言えるだろう。
 

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