裁判員制度が導入されるまで、あと2年しかないわけだけど、そもそも、一般市民の裁判自体への理解度が低いのに、あと2年しかなくていいのだろうかと。
陪審制とそういえば、ちがうなあ、といま、HP見て、気がついたよ。
裁判員制度ForKIDS
このページも、読み込み中に灰色になるので、怖いけど、そのことではなく。
今月のマガジングレートの
QEDに模擬裁判で裁判員制度を、という話があったんだけど、ここで示される事態は、結構、あやうい事態だ。
裁判員制度は、ランダムに、裁判員が選ばれるらしい。
学歴、知識、職業(年収)、年齢(20~)、主婦(主夫)であるか、子供がいるか、精神状態や過去の経歴、ほぼすべてがランダム。
多分、精神病院通院歴(*1)や犯罪者、収監経験者、あと、指定暴力団関係者(どこまでが関係者だろう)ははずされるんじゃないかとおもうけど。
実際の模擬裁判員召集では、自営業は出廷拒否出来たけど、会議があった人は、拒否できなかったので、主に、会社員と主婦と、老人と学生で構成されそうである。
ところで、出廷ぶっちは、どの程度の犯罪もしくは、罰金(*2)になるのだろう。
遅刻とか、寝坊とか。
裁判員6人+裁判官3人という組み合わせ。
そして、たった9人の多数決で判定される。
裁判官3人は、とても偉い人+割と偉い人+新人に近い人で組み合わされる。
ちなみに、裁判官というのは、縦のつながりが強いので、多分、この三人は、9割がた、同じほうに挙手する。
と思う。
裁判『員』が6人全員、無罪に手を上げても、裁判『官』が全員有罪だった場合、再審理もしくは、また、話し合いになるわけだ。
裁判官が折れることはまずないだろうし、裁判員はとっとと家に帰りたいから、そうなったら、まず、意見を変えて帰るだろうなあ。
つまり、多数決といいながら、2人、裁判官と同じほうに投票した瞬間、決まる。
一般市民の3.3割以上が投票したほうに決まる。
可能性が高い。
多数決なのは、確かだけど、1票重さ問題が、裁判制度では、そのうち争われるようになるんじゃないかと思ったり。
裁判官と同じほうに投票した票は、投票しなかったほうの倍の価値があるということになる。
もっとも、怖いのは、裁判員は、裁判中に検察、弁護から提出された判断材料から、だけしか、判決のための判定をしなければならないという一点だ。
たとえば、TV、ネット、新聞などなどの情報は、なかったこととして判定しなればならない。
この制度の最も怖いところは、検察・弁護がすべての証拠・判断材料をきっちりと提示している、という前提に成り立っている、ということだ。
もちろん、普通の裁判で、そんなことはありえない。
検察は、資料集め損なっているかもしれない。
弁護は、アリバイがあるのに、アリバイを確保しそこなっているかもしれない。
弁護士に非協力的な被告人もいるかもしれない。
そして、Q.E.D.で示された事態が、裁判員が、検察が提示できなかった事実に気がついてしまった場合だ。
作中でトーマくんは、そのことを裁判員と裁判官の話し合いの時点では指摘していなかったけれど、もし、それを指摘してしまった人がいたら、どうするのだろう。
そう、裁判員の立場は、裁判官の立場に近いため、裁判員から、被告・検察に質問は出来ないし、弁護・検察から、疑問点がありますか?とも聞けない。
あくまで、弁護、検察のバトルを傍観し、そこから判定するという、大変、微妙な立場にあるのだ。
あの指摘を聞いたら、多分、全員が意見を片側に変えるだろう。
そして、裁判員の個々の立場も、実は、話し合いをする、という状況が存在する以上、違うということだ。
たとえば、無口な人ややる気のない人と、使命感に燃える人。
この人達には、明確に差がある。
つまり、意見が伝え、誘導するのがうまい人が、本気を出したら、限りなく、黒いグレーを真っ白に見せることも出来るだろう。
そんなめんどいことを、自分の裁判でもないときにわざわざするかどうかはともかく、可能である。
つまり、意見を言うのがうまそうな人に、弁護士が間接・直接、賄賂を渡す可能性も否定できない。
接触禁止といわれても、間接的に、金品を融通する方法はいくらでもあるし、前金をいきなり、渡して、後金があります、なんて一筆ついていれば、積極的にがんばる人もいるだろう。
日給たった1万円しかもらっていないのだから。
日本会社員の平均年収400万を365で割っても、1万より多いと思うのだが、なぜ、1万なのだろう?
ある意味、赤紙召集だし。
誰がうまそうに見えるかわからないというかもしれないけれど、ランダムに選ばれるという状況である限り、有名人・著名人が選ばれる可能性もあるということで、簡単に見つかる可能性もある。
さらに、裁判員候補リストが流出したら、流出に気がつかれなかったら、相当やばい。
*1:調べたら、というか、上のURLで『法律専門家』『裁判被告人の家族』『その他、公正に判断できない人(知り合い・関係者)』となっているので、多分、はずさるんだろうけど、通院歴って人によってはわからないような気もするし、精神病だけど、通院歴ない人もいっぱい、いるんだろうし、難しいなあ。
『障害があるというだけで裁判員候補者から除外されることはありませんが,裁判員の職務の遂行に著しい支障のある場合は,裁判員になることができません』
チョーあいまい。
*2:10万円以下の過料
10万くらいなら、サボるヤツ、でそうだなー。
(写真なし)