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横手「旅館平利」

2005-09-10 | 読み物

 最近は、よくデジカメで写真を撮る機会が増えたので休日などに撮りためたファイルを整理することが多くなった。先日も整理をしていたら2年前、角館(秋田)へ花見に行ったときのものが出てきた。あの年は、花見の時期がめっちゃ忙しく花見をすることなど願うべくもなく。ひたすら花の散る時期が少しでも遅れてくれる様に願うのみだった。しかし、そこはさすがに潔い桜のこと、未練など決して残さず惜しまれつつ北上して行った。どうしても花見がしたかった小生は、桜を追って北上することにした。折り悪しく、時期はゴールデンウィークの最中、新幹線と帰りの飛行機は押さえたものの、泊まりたい角館市内の宿は何処も彼処もいっぱいだった。しかたがないので旅行会社(JTB)経由で横手市にある「旅館平利」と云う旅館を紹介してもらった。「旅館平利」は、遠き昔かつて隆盛を博した羽州街道沿いに面して建つ明治元年創業の純和風建築の老舗旅館で、竹久夢二がこよなく愛した宿ということでも知られており、国登録有形文化財にもなっているとのこと。期待と不安を抱えながら宿に着くと、まずその伝統的和風建築の重厚さに圧倒されました。波をモチーフにした懸魚という飾りが施されている玄関の独特な曲線が、入母屋造りの建物にアクセントを与え、正面の格子窓と白壁が障子のような明るい日本風な印象を与えてくれています。案内された2階へと続く階段は、黒塗りの重厚でガッシリしていて足の裏にあたる板目の感じが心地良かった。旅館平利では看板の部屋だと云う二間続いた書院造りの床の間がある和室に案内された。ビードロから作ったようなカンジのする表面がザラザラの2階縁側の窓からは、横手川沿いの満開の桜並木が見えて、とても雰囲気のいい落ち着いた部屋だった。NHKのドラマのロケで竹内結子さんや加賀まりこさん達も泊まったとか。おかげで風情ある和風老舗旅館の雰囲気を満喫することができました。


似たタイプの部屋(イメージ)

  角館での花見も最高でした。やっぱり桜はいいですね。満足して帰京して、月日は流れ、とうに花見のことや旅館のことなど忘れかけていた翌年のバレンタインデー(平成16年2月)に「旅館平利」の名前を再び耳にすることになりました。雪まつり「かまくら」の前夜祭で賑わう14日夜、国登録有形文化財である満室状態の老舗旅館「旅館平利」が突然火に包まれた。火は瞬く間に拡がり全焼、隣り合う旅館は外壁を焦がした。宿泊客は、着の身着のままで逃げ出し、全員無事だったとのこと、古い木造で火の回りが早かったにも関わらず誰も死傷者が出なかったことは幸いだった。また泊まりたいと思っていた旅館だけにこの世からなくなってしまったことは、とってもショックでした。明治末期から大正にかけての面影を姿を残す建物として竹下夢二を筆頭に、数多くの文人墨客に親しまれてきた由緒ある旅館が、そしてあの和室で、夢二が触ったであろう文机や寛いだであろう、あの部屋の調度品を触ることは、もうできないと思うと残念で堪らない。秋田県内には94点の国の有形文化財(建築)が登録されているが、火事による焼失は初めてらしい。最後におまけですが、横手は何故か「焼きソバ」の町ということで売り出しています。「横手の焼きそば」は、薄いウスターソース、太く真っ直ぐな茹で角麺、そして紅しょうがの組み合わせの懐かしいシンプルで素朴な焼きそばです。


現在の「旅館平利

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