[2020年4月6日 更新]
◆転入(転学)とは
他の高校に在籍したまま、別の高校に入学すること。都立高校では「転学」という。
このサイトでは「転学」を用いる。
マンガなどで見る転校生がイメージしやすいだろう。
前の高校で取得した単位を引き継ぐことで、2年次や3年次に転学することもできる。
同級生らと一緒に卒業することもできる。
都立高校では転学の機会として、学期ごとに補欠募集を実施している。
時期によって転入できる学科が異なる。
日程は2018年度のもの
【1年の二学期】
在籍している課程・学科とは異なる課程・異なる学科への出願が可能
(例:普通科→工業科、全日制高校→定時制高校 など)
【1学の三学期以降】
原則、在籍している課程・学科と同じ課程・同じ学科への出願となる。
転入には3つの理由によるカテゴリー分けがある。
(都立高校では2つの区分になっている)
1.転勤・転居 (都立高校は募集区分1)
2.海外からの帰国 (都立高校は募集区分1)
3.その他 (都立高校は募集区分2)
2.海外からの帰国 (都立高校は募集区分1)
3.その他 (都立高校は募集区分2)
3は主に「学業不振」「人間関係」が原因である。
◆都立高校編入試験の合格率は22%
2018年度3学期の、募集区分2の受検状況をすべて載せた。
一般入試と違い、必ず定員まで合格するわけではない。
高校側の求める基準に達していなければ、1名も受からないことはざらである。
23区内の都立普通科で36学級での募集があったが、25学級で合格ゼロ名。
◆編入とは
他の高校をすでに中途退学(中退)した生徒が、改めて別の高校に入学すること。
都立高校では、各学年の初めである4月から編入できる。
◆合否はどうやって決まるか
原則国語、数学、英語の学力テストと面接を実施する。
なお、最大2回受験機会がある。
どうしても都立に編入したいのなら、1回目の編入試験に落ちた場合はより低いレベルの高校に出願するべきである。
テストの内容は高校によって違う。私の経験上、「高校で実施した定期テスト」を使ったものが多い。高校に電話で「どんな勉強をしておけばいいですか」と聞くと教えてくれるところもある。
以前、板橋高校に電話で聞いたときは「定期テストのような問題」と教えてもらえた。
ただし、「詳しくは言えませんが、基本的な問題を中心にしています」などとぼやかして答える高校の方が多かった。
学力面では「一般入試でなんとか受かる」レベルではまず受からない。
その高校に余裕で受かるレベルでなければきつい。
「どうしても都立高校に編入したい」というのであれば、2~3ランク下の高校に出願すべきだ。
「編入は自分の偏差値マイナス10の学校が基準」という言葉もある。
◆面接の方が重視される
一般入試と違い、点数の公開はされない(転入希望者の保護者に依頼し、高校に尋ねたことがあるが点数は教えてもらえなかった)
合格・不合格の基準も公表されていない。
つまり、テストは全教科満点でも、高校の先生が「こいつは入れたくない」と判断したら落とされるということだ。
実際に「テストは間違いなくできた」という子でも落ちている。生徒自身の判断なので、実はできていなかった可能性はあるがね。
高校の先生が最も恐れるのは、生徒が問題や事件を起こすこと。いじめや校内暴力なども含む。
次が「留年、中途退学されること」であろう。
前の学校を辞める理由が「学校生活で何らかの問題があり、辞める」場合は周りにも原因がある場合、その生徒自身に問題がある場合の両方が考えられる。
転居以外で転入・編入を希望する生徒には、問題がある可能性がある。と高校側は考えるだろう。
そういう子はまた学校を辞めようとする、とも考えよう。
よって、面接では”はきはきとしゃべり新しい環境に打ち解けられそう”な生徒なら高評価を得られる。
都立一般入試にはない面接も、編入試験ではかなり重く見られると言ってもいいだろう。
なお、これらは公表されたわけではなく、私の周りの編入試験を受けた生徒の状況から判断した私の推測であることは承知いただきたい。
◆私立高校にも転入・編入はある。しかし…
続いて私立高校も見てみよう。
転入・編入にはその理由に応じて受け入れ枠が決まっている。
1.転勤・転居
2.海外からの帰国
3.その他
2.海外からの帰国
3.その他
の理由のうち、1,2の募集は比較的多い。
「その他」は転居以外の事情。まぁ学校生活・集団生活していればいろいろあるよね。
例えば2018年度3学期の募集は117校にのぼる。
高校入試を実施しない完全中高一貫校でも、転入を受け入れているところがある。
表の灰色の網掛けが完全中高一貫校である。
しかしその内訳のほとんどが「転勤転居」か「海外からの帰国」である。
「その他」で受け入れてくれるのは聖ドミニコと女子聖学院のみ。この2校ははっきり言うと、中学入試レベルが平均以下の学校である。
私立中下位校は、面倒見がよく不登校などの子も受け入れてくれるのではないか。
とお思いになるかもしれない。
残念ながら私の見解は「No」である。
私は何度か、私立校にも「これこれこういう生徒がいるのですが、今年の編入について教えていただきたい」と電話で問い合わせたことがある。
むろん、私の名前と塾名は告げた上である。
その時の回答は、一言でいえば「編入試験はやっています。でも不登校の子はあまり来てほしくありませんね」といったニュアンスだった。
あくまで私がそう感じた、というだけでT女子学園高校の担当者が断言したわけではないよ。
◆もう一つの選択肢が実はお薦め
不登校やいじめなどを経験した子を受け入れてくれる高校もある。
それが通信制高校だ。
通信制といっても、家で勉強するスタイルもあるが毎日高校に通うこともできる。
毎日はきついが、週1~3回の通学でOKなんてところもある。
先に述べた都立・私立高校への編入に比べ、入学しやすいのが最大の利点。
暴力的であるとかよっぽどの問題児でない限り、入試に不合格になることはない。
(私の係わった子には一人も不合格者はいない)
学校の規模も、普通の高校並のところから1ケタ人数のところまで様々。
40人近いクラスに新たに飛び込むのは不安、と思う子には向いている。
通信制高校でももちろん高卒となるし、大学受験もできる。
デメリットは3つ。
1.せまい
2.友達を作りにくい
3.自己管理が必要
2.友達を作りにくい
3.自己管理が必要
残念ながら校舎やグラウンドは狭い、もしくはほぼないという所も多い。
小規模な学校が多いので、これはやむをえない。
部活や生徒会がなく、授業も生徒によって違う。
終わったらすぐに帰るので、友達ができにくい。まぁ人によるものだが。
最近はLINEグループを作ったり、ツイッターでつながったりする子も多いので昔よりはマシになっている。
3つ目が実は大事で、一般的な高校と違って校則などもゆるい。
よって、自分で自分を管理しなければどんどんだらしなくなっていく。
高校に入った目的を忘れず、自身の意思で卒業しよう。
無理して、「いわゆるフツーの高校」に行く必要はない。
キミが行ける範囲で考えればいい。
一つの意見としてみてほしい。
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