取次営業は絵に描いたような板挟みに苦悶しています。書店と社内(スタッフ)です。
例えば、バラモン(仕入配本系スタッフ)は出版社と取次営業の板挟みになっているように想像できますが、そうではありませんね。シュードラ(奴隷=取次営業)を蹴ればいいだけの話ですから。蹴られた取次営業は書店を蹴ることができるしょうか。逆に蹴られますよね。つまり、袋叩きDEATH。
また、常態化した物流事故・遅延による書店クレーム対応は、非常に強い精神的苦痛を伴います。「あるのかないのかわからない。なかったらどうしよう。」という不安を、商品が"あるまで"持ち続けなくてはならないからです。
取次営業という職種における鬱病の発症リスクは決して低くないと考えています。
そこで今回は、一緒に鬱病の自己診断テストをしてみましょう。
使用するのは、講談社現代新書「うつ病をなおす」より野村氏の作成した診断テストです。
私も一時期オカシナ状態になってしまったことがあるので、【私の場合】として、自分の体験を付記いたします。
①次のうち最近2週間のあなたに当てはまるものに○をつけてください。
・ほとんど毎日、一日中ひどくゆううつを感じる(悲しい、むなしい、空虚)
【私の場合】特に朝です。朝の鬱は筆舌に尽くしがたいものがありました。ただ、悲しい空しいというより、ひたすら"嫌だ"という気持ちでした。
・ほとんど毎日、一日中何をやっても、つまらないし、喜びというものを感じない
【私の場合】これは今もそうです。
○が一つもつかなければ、あなたは鬱病ではありません。
○が一つでもついた方は、次の診断に進みます。
②次のうち、いつもと違って最近2週間のほとんど毎日、あなたに認められるものに○をつけてください。
・ひどく食欲がないか、逆にひどく食欲がありすぎる
【私の場合】2週間で4キロ体重が落ちたことがあります。辛いものを食べることが特に困難でした。また、アルコールを摂取することもできませんでした。
・ひどく眠れないか、逆にひどく眠りすぎる
【私の場合】早朝覚醒が酷かったです。眠りが浅い上に、朝5時前に目が覚めてしまいます。
・イライラして仕方ないか、動きがひどく低下している
【私の場合】正直何もしたくない(袋叩きに遭いたくない)ので、ノロノロ人間になってしまいます。
・ひどく疲れやすい、だるさが極端
【私の場合】眠ることができないため、疲れやだるさは抜けません。休日は布団から出られませんでした。(でも眠ることはできなかったです)
・「自分はどうしようもない人間だ」「悪い人間だ」と自分を責める
【私の場合】これは今でもそう思います。
・考えが進まず、集中力、決断力が落ちた状態が続く
【私の場合】不安や心配事で思考回路がオーバーフローしてるような感覚で、感情や反射が鈍磨していたように思います。
・自殺を繰り返し考える
【私の場合】「死にたい」という言葉を一日100回以上吐いていたと思います。無意識に呟いてしまっていたので、同僚に聞かれないかとても心配でした。ただ、これは自殺願望とか希死念慮というよりも、とにかくこの苦痛から逃れたいという感覚だったと思います。自死の具体的方法についてある程度調べたりもしましたが、本気でそれを考えていたとは思えません。
○が3つ以下の場合(①で2つに○がついていた場合が2つ以下)、あなたは鬱病ではありません。
4つ以上に○がついた場合(①で2つに○がついていた場合は3つでも)、次の診断に進みます。
③以上の症状のために、ひどく苦しみ、仕事や家事、学業に著しい支障が出ていますか
出ていなければ、あなたは鬱病ではありません。
出ていれば、鬱病の可能性が高い。
ということです。私の場合、一時的にオカシクなったのですが休職には至らず、徐々に回復していきました。不思議DEATH。
次に、血腥い話ですが、自殺ついても危険因子を確認しておきたいと思います。
以下は、講談社+α新書「あなたの「死にたい、でも生きたい」を助けたい」第3章、働き盛りの自殺予防からの抜粋です。
自殺が迫る状況/「職場」における危険
●常軌を逸した長時間労働が続き、ほとんど休養がとれない。
→これはないですね。残業なんてたいした時間じゃありません。書店イベントとか、販売応援とかで一時的に休日出勤が重なることはありますね。
●仕事に意義が見出せない。
→まあ、そうでしょうね。でも、それでいいんじゃないですか。仕事なんですから。
●努力しても評価されない
→どう評価されているのか尻ません。ただ、言えるのは努力項目が不明だということDEATH。
●長期的な目標が示されない
→数字の目標はありますね。具体性はありませんね。
●仕事の裁量権がない。
→取次営業には、全ての権限が蟻ません。
●能力を生かせる仕事を与えられない。
→仕事がいただけるだけでありがたいと思います。
●意見を言っても取り上げられない
→現状を否定する意見は取り上げられない、ということじゃないかと思います。体制批判になりますから。北の将軍様と同じDEATH。
●情報が不足している
→圧倒的に不足しています。取次営業に目隠しをすることで利益を得ている人間が必ずいます。
●扱い(業績評価、人事)に不公平感を覚える。
→どう評価されているのか尻ません。ただ、昇格人事に偏りがあることは否めないでしょう。そして、社内カースト制度は厳然として存在します。
※過去記事:取次会社のカースト制度
はじめから達成することができないことが明らかな目標を立てさせられ、目標が達成できないことに対して責任を問われる。
→それ以前の問題です。取次営業の売上目標はコントロール不能です。
※過去記事:取次営業の売上目標
●仕事上の大失敗をする。
→大失敗をしたスタッフの尻を拭うのが、取次営業の仕事です。
●適性に合わない配置換えを命じられる。
→取次営業に適性なんてあるんですか。
●心理的な虐待(いじめ)を繰り返し受ける。
→スタッフ、書店のモンスター化によって、凄惨な状況が現出することもあります。
●上司に能力がない。
→部下を守る自己犠牲タイプなのか、部下のせいにする保身タイプなのか、運命の別れ道DEATH。
●上司と部下の板挟みになる
→ヒラの取次営業には関係ありません。
●職場での権力闘争に巻き込まれる。
→ないです。権力そのものが。
●不本意な転勤を命じられる。
→希望退職に応じない取次営業は地方行きでしたよね。
●会社の将来に強い不安を感じる
→ε=(・д・`*)ハァ…
●職を失う
→リストラなう
取次営業の皆さん、ご自愛を。
※参考文献
高橋祥友「あなたの「死にたい、でも生きたい」を助けたい」講談社+α新書
笠原嘉「軽症うつ病」講談社現代新書
野村総一郎「うつ病をなおす」講談社現代新書
野村総一郎「うつ病の真実」日本評論社
下園壮太「うつからの脱出」日本評論社
例えば、バラモン(仕入配本系スタッフ)は出版社と取次営業の板挟みになっているように想像できますが、そうではありませんね。シュードラ(奴隷=取次営業)を蹴ればいいだけの話ですから。蹴られた取次営業は書店を蹴ることができるしょうか。逆に蹴られますよね。つまり、袋叩きDEATH。
また、常態化した物流事故・遅延による書店クレーム対応は、非常に強い精神的苦痛を伴います。「あるのかないのかわからない。なかったらどうしよう。」という不安を、商品が"あるまで"持ち続けなくてはならないからです。
取次営業という職種における鬱病の発症リスクは決して低くないと考えています。
そこで今回は、一緒に鬱病の自己診断テストをしてみましょう。
使用するのは、講談社現代新書「うつ病をなおす」より野村氏の作成した診断テストです。
私も一時期オカシナ状態になってしまったことがあるので、【私の場合】として、自分の体験を付記いたします。
①次のうち最近2週間のあなたに当てはまるものに○をつけてください。
・ほとんど毎日、一日中ひどくゆううつを感じる(悲しい、むなしい、空虚)
【私の場合】特に朝です。朝の鬱は筆舌に尽くしがたいものがありました。ただ、悲しい空しいというより、ひたすら"嫌だ"という気持ちでした。
・ほとんど毎日、一日中何をやっても、つまらないし、喜びというものを感じない
【私の場合】これは今もそうです。
○が一つもつかなければ、あなたは鬱病ではありません。
○が一つでもついた方は、次の診断に進みます。
②次のうち、いつもと違って最近2週間のほとんど毎日、あなたに認められるものに○をつけてください。
・ひどく食欲がないか、逆にひどく食欲がありすぎる
【私の場合】2週間で4キロ体重が落ちたことがあります。辛いものを食べることが特に困難でした。また、アルコールを摂取することもできませんでした。
・ひどく眠れないか、逆にひどく眠りすぎる
【私の場合】早朝覚醒が酷かったです。眠りが浅い上に、朝5時前に目が覚めてしまいます。
・イライラして仕方ないか、動きがひどく低下している
【私の場合】正直何もしたくない(袋叩きに遭いたくない)ので、ノロノロ人間になってしまいます。
・ひどく疲れやすい、だるさが極端
【私の場合】眠ることができないため、疲れやだるさは抜けません。休日は布団から出られませんでした。(でも眠ることはできなかったです)
・「自分はどうしようもない人間だ」「悪い人間だ」と自分を責める
【私の場合】これは今でもそう思います。
・考えが進まず、集中力、決断力が落ちた状態が続く
【私の場合】不安や心配事で思考回路がオーバーフローしてるような感覚で、感情や反射が鈍磨していたように思います。
・自殺を繰り返し考える
【私の場合】「死にたい」という言葉を一日100回以上吐いていたと思います。無意識に呟いてしまっていたので、同僚に聞かれないかとても心配でした。ただ、これは自殺願望とか希死念慮というよりも、とにかくこの苦痛から逃れたいという感覚だったと思います。自死の具体的方法についてある程度調べたりもしましたが、本気でそれを考えていたとは思えません。
○が3つ以下の場合(①で2つに○がついていた場合が2つ以下)、あなたは鬱病ではありません。
4つ以上に○がついた場合(①で2つに○がついていた場合は3つでも)、次の診断に進みます。
③以上の症状のために、ひどく苦しみ、仕事や家事、学業に著しい支障が出ていますか
出ていなければ、あなたは鬱病ではありません。
出ていれば、鬱病の可能性が高い。
ということです。私の場合、一時的にオカシクなったのですが休職には至らず、徐々に回復していきました。不思議DEATH。
次に、血腥い話ですが、自殺ついても危険因子を確認しておきたいと思います。
以下は、講談社+α新書「あなたの「死にたい、でも生きたい」を助けたい」第3章、働き盛りの自殺予防からの抜粋です。
自殺が迫る状況/「職場」における危険
●常軌を逸した長時間労働が続き、ほとんど休養がとれない。
→これはないですね。残業なんてたいした時間じゃありません。書店イベントとか、販売応援とかで一時的に休日出勤が重なることはありますね。
●仕事に意義が見出せない。
→まあ、そうでしょうね。でも、それでいいんじゃないですか。仕事なんですから。
●努力しても評価されない
→どう評価されているのか尻ません。ただ、言えるのは努力項目が不明だということDEATH。
●長期的な目標が示されない
→数字の目標はありますね。具体性はありませんね。
●仕事の裁量権がない。
→取次営業には、全ての権限が蟻ません。
●能力を生かせる仕事を与えられない。
→仕事がいただけるだけでありがたいと思います。
●意見を言っても取り上げられない
→現状を否定する意見は取り上げられない、ということじゃないかと思います。体制批判になりますから。北の将軍様と同じDEATH。
●情報が不足している
→圧倒的に不足しています。取次営業に目隠しをすることで利益を得ている人間が必ずいます。
●扱い(業績評価、人事)に不公平感を覚える。
→どう評価されているのか尻ません。ただ、昇格人事に偏りがあることは否めないでしょう。そして、社内カースト制度は厳然として存在します。
※過去記事:取次会社のカースト制度
はじめから達成することができないことが明らかな目標を立てさせられ、目標が達成できないことに対して責任を問われる。
→それ以前の問題です。取次営業の売上目標はコントロール不能です。
※過去記事:取次営業の売上目標
●仕事上の大失敗をする。
→大失敗をしたスタッフの尻を拭うのが、取次営業の仕事です。
●適性に合わない配置換えを命じられる。
→取次営業に適性なんてあるんですか。
●心理的な虐待(いじめ)を繰り返し受ける。
→スタッフ、書店のモンスター化によって、凄惨な状況が現出することもあります。
●上司に能力がない。
→部下を守る自己犠牲タイプなのか、部下のせいにする保身タイプなのか、運命の別れ道DEATH。
●上司と部下の板挟みになる
→ヒラの取次営業には関係ありません。
●職場での権力闘争に巻き込まれる。
→ないです。権力そのものが。
●不本意な転勤を命じられる。
→希望退職に応じない取次営業は地方行きでしたよね。
●会社の将来に強い不安を感じる
→ε=(・д・`*)ハァ…
●職を失う
→リストラなう
取次営業の皆さん、ご自愛を。
※参考文献
高橋祥友「あなたの「死にたい、でも生きたい」を助けたい」講談社+α新書
笠原嘉「軽症うつ病」講談社現代新書
野村総一郎「うつ病をなおす」講談社現代新書
野村総一郎「うつ病の真実」日本評論社
下園壮太「うつからの脱出」日本評論社