取次営業orz

取次の営業とは何か

本のソムリエ

2010-08-05 | Weblog
【ソムリエ】レストランで客の要望に応えてワインを選ぶ手助けをする、ワイン専門の給仕人。フランスでは国家資格である。

【コンシェルジュ】ホテルの宿泊客のあらゆる要望、案内に対応する「総合世話係」というような職務を担う人の職名として使われている。宿泊客のあらゆる要望に応える事をそのモットーとしていることもあり、「(宿泊客の要望に対して)決してNOとは言わない」と言われている。

※ウィキペディアよりざっくりと抜粋


"本のソムリエ"になれとか、"本のコンシェルジュ"になれとか、経営が言っていた時期があります。まあ、なんとなくニュアンス伝わりますよね。
読者が読みたい本を見つけてあげる、本との出逢いをサポートする的なことだと思います。往来堂の文脈棚というのも、意味合いとしては近いんじゃないでしょうか。(行ったことないですけど・・・)

考え方は間違ってないでしょう。
取次なのですから、あらゆる出版社の商品情報が集まっています。バラバラのコンテンツをコンテキストにまとめ上げていくことは、不可能ではないと思います。

では、経営はそれを実現するために何をしたのでしょうか?
何もしていませんね。

まずはデータベース。
取次は書誌情報のデータベースを持っています。それが伝票発行機や、Webシステム、また各種分析等に活用されています。書誌情報の中には分類が存在します。アンパンマンなら「児童書/絵本」、勝間なら「ビジネス/自己啓発」といった感じです。

「児童書」で検索すれば児童書の商品リストを作れます。しかしこれではソムリエとはいえません。金太郎(飴)です。
例えば絵本でも、20代の母親に人気の本、孫への買い与えに選ばれる本、ビジネス街の書店で売れる本、○○が推薦する本、別の物語・小説の中に登場する本、表紙が赤い本、etc・・・、様々な切り口があり、これによってコンテキストを作ることができるです。

往来堂だったか記憶が定かでないのですが、"表紙が赤い本"だけでコーナーを作ったという話を聞いたことがあります。これが果たして良いのかどうかはわかりませんが、これは書店員の頭に"赤い本"のデータベースが無ければできないことです。

アナロジーによって、同じ本でも置かれる場所が変わります。文庫なんかは特に版元別管理が一般的なので、適宜メディア化だとか著者のコーナーとか、関連本とかで別の場所にお出かけすることがありますよね。

だから、それをデータベース化すればいいんです。でもしなかった。しようという発想があったのかさえ疑問DEATH。

次に、取次営業は日々どんな本が書店に送り出されているのか知りません。
バラモン「そんなの伝票見りゃわかるだろ!」
伝票に記載されている、版元、書名、価格の情報だけどうやったらソムリエになれるのでしょうか?
バラモン「書店行ってんだろ!モノ見れるだろうが!」
毎日書店に立ち読み行けばいいのでしょうか?今日の新刊はどれですか?って書店に聞いたらいいですか?
書店に着く前に商品情報を知りたいんDEATHけど。

私が1Q84(1)の現物を初めて見たのは、発売から1週間ほど経ってからでした。

取次営業は商品情報に疎いんです。
取次営業にソムリエとしての知識、コンシェルジュとしての技能を身につけさせるには、スタッフの仕事を変えるしかないんですヨ。


・・・・・・白痴の方がコントロールしやすいんだよねぇ。

ガ━━(;゜Д゜)━━ン!!