僕は信号無視野郎に轢かれて、命は助かったけど障害者にされた・・・。
高次脳機能障害その他症状てんこ盛り障害者にされたけど、今は復職して、日々頑張り続ける公務員。
許認可事務だから、許可取り屋みたいな悪い奴がたくさん来る。
でも、今日は素敵な出会いがあった。
許認可事務だけど、許可取り屋じゃない人もたまに来るけど、困ったクンが物凄く多い。
今日来た人は、昨日の作戦会議で、何か腑に落ちない点があった。
だから今日は、そこを突っ込んでみよう、ということになってた。
でも、今日来た人は、悪い奴じゃなかった。
むしろ、許認可事務の職場には不似合いないい人だけど、何か気になる。
記憶障害の僕は、その人とどこかで会ったような記憶があった。
でも、名前を見てもピンとこなかった。
それで最後に、「あ、あの、あの、あの~、全然関係ないこと聞いちゃって失礼ですけど~」と僕が声をかけてみた。
そしたらその人は、「いいですよ」って言ってくれたから、「昭和何年生まれですか?」と僕が続けて聞いてみると
驚いたことに、僕と同い年ではないかと思った瞬間僕は、「あ!あ!思い出した~!!!」と叫んじゃった。
「僕だよ!僕!!覚えてない?!僕だってば!!」と言うと、その人も「あああ~~~!!!」と思い出してくれた。
その人は、僕の同級生で幼稚園もいっしょで、中学校も一緒だった人だった。
でも、その人は、「僕のこと嫌いだったでしょ?」って聞いてきた。
その人は中学校の頃ジャイアンと一緒にいるスネ夫みたいな感じで、弱い者いじめをしていた子だった。
いじめ問題のニュースを見るたびに、後悔していたんだと言ってくれた。
僕は中学校の頃から正義感が強かったから、弱い者いじめをする奴をやっつけていた。
僕も、自分がやってたこともいじめじゃなかったのかな?って思ってた。
だから「今のいじめみたいな陰湿なものじゃなかったから、嫌いじゃなかったよ」と言ってみた。
あとから考えてみれば、僕もとっさに気が利いたことが言えてなかったなぁ・・・。
でも、僕は、ジャイアンみたいなのもやっつけたんだよな・・・。
あ、「やっつけた」っていうか、暴力じゃなくて、楽しく過ごせる方向に誘っていったんだ。
だから、最終的には嫌いじゃなくなってた。
僕は、「カズオ!!カズオだよね!!!」って、中学校の頃みたいに呼んでいた。
でもカズオは、「僕、脳こうそくになって障害者にはならなかったけど、片目が見えなくなったんだ」って言った。
僕は、(それって障害者だよ)って思いながらも、「すごいね、すごいね!!」って言った。
そのあとで、僕が信号無視野郎に轢かれて高次脳機能障害その他症状てんこ盛り障害者にされたことを教えたあげた。
っていうか、これは外見でもわかるから、教える必要もなかったのかな。
でも、カズオは、中学生の頃、弱い者いじめしたことが今も忘れられないらしかった。
それで、「助かった命、今度は誰かのためになることをしたいんだ!!」って言ってくれた。
僕も、「僕も、拾ったような命だから、誰かのためになることをしたいんだよ!!」って答えてた。
なんだか、「人間、生死の境をさまようと、物凄く成長するんだね!!!」って、感激し合ってた僕ら。
僕らは子供の頃、お互いが敵対関係にあったことも忘れて、両手で何回も握手しあってた。
今日はすごくいいことがあったんだよな、って思いながらも、忘れかけてる僕・・・。
あの感動が、今日の出来事だった気がしなくなってる僕は記憶障害もある障害者・・・。