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昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ライフ!] ボク、みつけたよ! (二十九)尻切れトンボ的に、 

2025-03-20 08:00:44 | 物語り

 尻切れトンボ的に、地獄巡りからの退出です。
遊びほうけていた20代前半ですが、どう位置づけすればよいのか。
人生における華ととらえるべきか、禍と評すべきか。
ただこの時代がなければ、老をむかえた現在を悠然と過ごせぬのも事実だと思えるのです。
当時にしても現在にしても、わたしがわたしであることに変わりはありません。

 意味不明ですか? 
正直わたし自身もどう伝えたらいいのか、ことばが見つからないんです。
「人間は変われる」。「人間は変われるものじゃない」。
どちらもよく聞くことばです。
わたし自身の経験から言えば「変われる」ですし、「でも変われない」なんです。
思いだしてもらえませんか、はじめのころにお話しした、ある疑問を。

 矛盾してますよね、矛盾してます。
哲学論を聞きたいんじゃない! お叱りはごもっともです。
それではわたしの経験をお話ししましょうか。
わたしが心臓をやられて、現在ペースメーカーを植えこんでいることはご存じですよね。
心臓移植がひつような拡大型心筋症だと診断されて、正直「ここまでか」と覚悟させられました。

ですがペースメーカー植え込みによって、劇的に回復しました。
肥大していた心臓が通常サイズにまでちぢみました。
ただ、伸びきったゴムのごとくになった心筋は回復しません。
なので現在でも、心臓から送り出される血液量が、常人の半分以下です。
不整脈が起きやすくもあります。
そこでペースメーカーのお仕事です。
送り出す血液量を増やすことはできませんが、心拍だけはリズムよく補ってくれます。
おかげで体の隅々にまで血液が送りとどけられています。ありがたいことです。

――・――・――
(二十九)の2

 長口舌はこれくらいにして、本題にはいりましょうか。
「変われる」。でも「変われない」。
 大病をされた方なら、克服された方ならば、わたしの言わんとするところがお分かりだと思います。
死地を脱した人間というのは、面白いものですね。
それまでとは違った自分になれるんですよね。
というより、なりたいと思うのでしょうか。

ことし古希を迎えるわたしを、友人たちは口をそろえて「こんなキャラじゃなかった」と言います。
「しかめっ面のクラーイ男だった」。「うつむいてあるく男だった」。「女の話にはいっさい乗ってこなかった」。
 まったく失礼な話ですよ。
わたしだって笑うときもありましたし、異性に関心はありましたよ。

ただその機会に恵まれずにいただけの話で。
いやいや、そうじゃない。
わたしだってナンパされたことがありました。
ナンパをしたことだってあるんですから。
その話をしましょうかね、笑い話になるかもしれませんが。
ああ、これからの話は事実ですから。
創り物ではありませんから。



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