昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ブルーの住人]第三章:蒼い恋慕 ~ブルー・ふらぁめんこ~

2023-08-19 08:00:47 | 物語り

(五)一途

「おい! あのボーヤ、またきてるぜ!」
「ああ、ホントだ。でもどうして? おどるわけでもなし……」
「へッ。どうせ、おどれねえのさ」
「あのぼーや、おとこか? それともおとこのかっこしたおんなか?」
「さあね、……、わかった! ちゅーせいよ!」

「こりゃいい、おかまか。そいつはいいや!」
「あのぼうや、マキにまいってるって?」
「へーえ、あのマキにか?」
「そうなんだってね。でも、よりによって、マキにねえ」
「なんだい、マキならだれでもOKじゃないか」

「だめだめ。、あのぼうや、だめなのよ。じっとみてるだけなの」
「ふーん。かわったやつう」
「でもさ、ちょっといいじゃん。さびしそうでさ、まもってあげたいってかんじ」
「ハン! おまえじゃだめさ! マキいちずって、はなしだ」
「えぇえっ、もったいないなあ」

「ネエ! マキにサ。このまえにおしえたのよ、あのボーヤのこと。あんたに、ホのじだよって」 
「うんうん、どうなった?」
「こういうの。『あたしのファンなんでしょ』って」
「シヨッテルう! ほんとにそうなの?」
「らしいわよ。サオリがこえかけてもさ、『ごめんなさい』だってえ」
「あのサオリをムシしたの?  やるうーう!」



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