昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ポエム 黎明編 =はつこい=

2023-03-24 08:00:18 | 

淋しいよるが訪れて 
心にきりがかかる時 
いつも思う あのひとを

初めてであった なつの午後
あの日から
心にすみついた人

何も云えずにいたけれど 
あなたを想うだけで 
倖せだった

ことばを交わすこともできずに 
ただ見つめあうだけの 
いちねんでした

であったときと 
おなじなつの日に 
あの人から 封ひとつ

“好きよ”

ひと言 ありました

夏がすぎ 
このはが散るさびしい 
秋の黄昏に

とおい町に行った 
と 
風の
たよりに聞きました

ほんの少しのゆうきが持てずに 
一歩をふみ出せなかった
ぼく

年上のあなた …… 
大人のあなた …… 
子どものぼく

ほろにがい初恋でした


                                 
=背景と解説=

文芸部に所属していた定時制高校時代のことです。
一年生のわたし、そして四年生の先輩。(定時制高校=夜間の勉学で4年間通います)
平安美人を思わせる、清楚な女性でした。
でも、とても芯の強い女性でした。
わたしが書き上げた作品(地獄への招待=後に、愛・地獄変として書き直しました)を読まれて、悲しげな目を見せながら「あなたには、夢がないのね」とのひと言。
グサリと来つつも、なぜか誇らしくも思う自分がいました。
その方は、高校卒業後すぐに嫁がれました。
そうそう。
わたしの初恋は、ようちえんのせんせい? 小学校の先生? 中学のどうきゅうせい?

初デートの女子高生? 初キスのあいて? ○○○…… 

ほんとのところ、いつだったか分かんないんです。



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