<川は流れる>

Reiの好きなこと、ここだけの話

新宿の母

2019年12月25日 |  ブログ
生涯で二度、占い師に手相を見てもらったことがある。
友達に誘われて新宿の母 栗原すみ子さんの元へ。

まだ、若干20歳の頃だ。

当時大人気だった栗原さんの占いは、若い男女が列を作っていた。
何故路上でやっているのかという点については
単に人気が出過ぎたからだろうと思っていた。
とにかく並んで30分以上は待っただろうか。 
異常なスピードで列がはけていく。
とんでもないスピードだ。
だって占いって、ゆっくり座って話を聞いてくれるもんなんではないの?

自分の番がやってきた。
目的もなく来ちゃった自分に栗原さんはこう言った。
「はい、両手出して、今日は何を聞きたいの?」

当時私は絶望のどん底にいた。
好きだった人に勇気を出して告白して振られたばかりだった。
まだ、本当の恋愛を知らず、
自分なんて…というコンプレックスの塊だった。 

「今好きな人がいるけどあきらめたほうがいいか?」
と聞いた気がする。
すると栗原さんは、ちらっと両手を見ただけなのに、

「その人はもうあきらめなさい。今年中に素敵な人が現れるから」
と、ただそれだけで占いは終わった。

私は半信半疑だった。
だってあんな短い時間で、、、
でも、なんだか希望がわいたな、
ちょっと期待してみようかな、
これで踏ん切りがついたな、
と、確かに心境の変化はあり
失恋の痛手から立ち直ることができた。

それが確か3月だった。
いつ現れるかなあ、と楽しみに日々を過ごしたが、
一向に現れない。
あきらめかけた10月の終わり。
ついに出会った。

会社にアルバイトの男の子が面接にきた。
同い年だった。
顔を見た途端、恋に落ちた。
運命としかいいようのない出会いだった。

彼にとっても同じだったらしく、
すぐに私達は大恋愛に発展した。

この出会いでその後の人生は大きく変わったと思う。

栗原すみ子さんは、ほんの数分で私の未来を予知した。

私にとっては思い出深い、そして一生忘れられない恩人。

栗原さん、幸せに。
ご冥福をお祈りします。

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