<川は流れる>

Reiの好きなこと、ここだけの話

1999年「大阪物語」

2008年10月31日 | ジュリーインタビュー
今日は、「大阪物語」のジュリーのインタビューを少し抜粋。


りゅう介は別の若い女との間に子供を作って、はる美と離婚。それでもはる美とコンビを続けるのは、「漫才が捨てられないのではなく、はる美と別れられないから。別れた後もりゅう介が何事もなかったように過ごせるのは、生活の知恵ですね(笑)」

と沢田研二は言う。その後、彼は突然に失踪する。市川監督は、失踪にいたるりゅう介に、「ねじれていくような感じを出したい」と言ったとか。

「破綻を起こして失踪するような人には、どこか狂気じみたところがあるというのは、インテリっぽい考え方だと、僕は思うんです。そんなことを普段全く見せない人が、いきなり失踪するほうがショッキングな訳ですよね。ですから監督が“言動に少しづつおかしいところがあって、ねじれた感じにしたい”と言われた時に、僕は“能天気なほうがいいんですけどねぇ”って言いました。これが関東の人だとねじれるのかもしれないけど、大阪の人には“大阪がだめなら名古屋へ、名古屋がだめなら東京がある”といつもどこかで“まあ、いいか”と断ち切ってしまえるところがあると思いますしね。」

その失踪のポイントになるのが、娘を演じた池脇千鶴が言う“おとうちゃんはカスや”という、痛烈なひと言。

「あのセリフは、僕と監督とチーちゃんで話し合ったんです。最初はカスじゃなくてクズだったんですけれど、クズってトイレットペーパーに代えられるし、お金に結びつくイメージがある。それよりもカスの方がいいじゃないかと。」


「今は人間の“強さ”より“弱さ”を演じてみたいと思ってるんです。まあ、自分でそう思っても今回のように“ダメもと”で僕にりゅう介の役をやらせようと思って貰えなければ、成立しないんですけどね。これからもおもしろい企画があったら、映画をやりたい、出てみたいという気はいっぱいありますよ。」

ジュリーはこのあと、「カタクリ家の幸福」「eiko」「幸福のスイッチ」と映画を撮っている。
ジュリーの言う、普通の人間、弱さ、そしておかしみ、そんな配役になってるんじゃなかろうか、と思う。

どれもとても魅力的だ。

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