埼玉のかあちゃん社長奮闘記_サステナブルな毎日

起業して20年超。藍染めを傍らに太陽や風、星や花の声を聴きつつ埼玉とみなかみを行き来する埼玉のかあちゃん社長奮闘記です。

ヤン場ダムと公共工事と私の人生

2009-10-04 15:07:47 | ライフ&ワーク
連日、ニュースでは補正予算の見直しと来年度予算案の話題。ムダな公共工事の中止、が伝えられている。そんなニュースを聞きながら、私の人生は1本の道路建設で変わったようなもんだわな、と思い出していた。

私は、生まれ育った生家の倒産により12歳の時に生まれた土地を離れた。会社の倒産と同時に親は子どもを残して逃げ、しばらく兄弟3人での暮らし。お金が無かった。お腹をいっぱいにするために、小麦粉と味噌を買ってすいとんを作って食べた。学校へ行くことも面倒になり、小学6年生の冬は休みがち。別の土地に落ち着くも、親の暴力とすさんだ生活に嫌気が差して知人の家に逃げた中学2年生。高校1年の15歳の春には、親に頼らないで生きて行こうと覚悟を決めて家出。けれども高校生の私には生活力がなく、無力感でいっぱいだったなー。働くこともできず、お金が無い暮らし。その空しさは身にしみている。

お金があったら幸せか?そうでもない。貧乏は切ないけれど、貧乏は不幸ではない。工夫する楽しみがある。這い上がる希望がある。そんな価値観も、こんな暮らしの中で出来上がったか。人生、私が私として生きぬくほかないじゃないか。だったら、笑って生きていこう。12歳の時、家も土地も親もいなくなり、あてがわれた借家で10円玉を眺めながら「裏と表がある」ことに気づく。あらゆることに希望を持って、笑って生きていこうと思った。

さて。
お嬢様だった私の人生が、一転したのは、ウチの裏にパイパスが空くという話から。駅前の国道に広い土地を持っていた私の生家は、土地の値上がりが期待された。営んでいた料亭の改修工事を持ちかけられ、借金して工事に踏み切る。しかし建物のほとんどを壊したところで、工事が中断。材木の値段が急騰したとの理由。子どもの私にはその後、どのようなやり取りがあったかは分からない。けれど銀行からは更なる借金を進められ、計画を変更して工事を再開。しかし、苦労の甲斐もなく改装して開店した数ヵ月後には会社が倒産。こうして私の生まれた土地も家もなくなった。

その国道353号線は、やん場ダム建設予定地の吾妻渓谷に続く。
それから随分たってバイパスが開通した。私の家があった国道沿いの町はすっかりすたれてしまった。車通りもまばらなバイパス、国道沿いのさびれた商店街。誰のための公共工事だったのか。

私の生まれた土地を転がした、不動産屋、銀行、そして建設会社。政治家の思惑も見え隠れする。誰かがきっと、得したのでしょう。

【今日の名言】
「他人の生活と比較することなく、君自身の生活を楽しめ。」
 コンドルセ

【写真】お墓参り
そのバイパス沿いにある我が家の先祖代々のお墓へお参り。おばあちゃん子だった私は、社会に出てからも辛いことがあると朝5時とかにお墓をお参りして、おばあちゃんと話してました。

有限会社E-スタヂオ
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2 コメント

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すざましい (小山(株)のtomi)
2009-10-06 12:57:03
すざましい人生ですね。私もそこまでではありませんでしたが、結構貧しかったでしたね。風呂は川から水を汲んで蒔きで焚いて、小遣いはほぼなく毎日を山村の田舎で住んでました。あったものがなくなるよりはずーっといいと思いました。でも阪神大震災の時被災というか、全ての者が、物が無くなるのを目の当たりにしてから本当に人生観が変わりました。「何が?」というと「人を羨む」ということと「自分は生き残ってラッキー」ということです。勿論、今は何も持っていないのではなく、多分他の人以上にある程度もっているでしょう。だから毎日あること、持っていることに感謝するだけです。なんせラッキーなんですから!!「生きてるだけでマル儲け」なんで!!
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生きている幸運! (とん)
2009-11-06 16:33:58
tomiさん、コメントありがとうございました。ご無沙汰しています!

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阪神大震災の時被災というか、全ての者が、物が無くなるのを目の当たりにしてから本当に人生観が変わりました。「何が?」というと「人を羨む」ということと「自分は生き残ってラッキー」ということです。

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大変な経験をされましたね。
その大変さ、どのようにお受けしたらよいかわからないほどです。
私も、前をみながら、こうして生きている幸運をかみ締めながら、感謝して生きていこうと思っています。
コメント、本当にありがとうございました!
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