Mikey Dread こと Michael Campbell のことをブログに書きましたが、彼がプロデュースに関わっていた Aswad というブリティッシュ・レゲエのグループのシンボルマークがライオンでした。アルバムのジャケットにも、ほら、この通り↓ライオンが使われています。






このライオン、どれも頭に王冠を戴き、十字架(最初のは何故かアンクですが...)を抱えています。十字架を持つライオンは王の中の王と呼ばれた「ユダのライオン」で、キリスト教徒(昔はコプト教だったみたい)であるエチオピア皇帝の象徴です。帝国時代の国旗は、緑・黄・赤の三色旗で、中央にこの「ユダのライオン」が描かれていました。ハイレ・セラシエ1世の王宮には、ユダのライオンの像が置かれ、本物のライオンを放し飼いにしていたといいます。Aswad とは、アラビア語で黒のことで、ライオンが黒いのはこのためです。黒は緑・黄・赤に続く四番目のラスタカラーで、黒人の肌の色でもあるのです。
アスワドは70年代半ばに結成され、ボブ・マーリーのいたアイランド・レーベルよりデビューを果たしています。ブリティッシュ・レゲエのグループとしてメジャー・レーベルよりデビューした最初の例ではないかと思います。スティール・パルスやマトゥンビなんかも少し遅れて登場して、レゲエ・シーンが賑やかになります。デビュー当時の彼らの演奏や歌はお世辞にも上手いとはいえず、どうしてもジャマイカのレゲエの亜流のように聞こえます。アスワドのアルバムを通して聞いていると「New Chapter」あたりから聞くに値するものになったように思えます。お薦めは「New Chapter」の一曲目の「African Children」。ライブ盤「Live And Direct」の方にも収められている名曲です。ライブでは、ポップになる前のハードで畳掛けるような、勢いのあるアスワドの音楽を聞くことができます。
アスワドはこの後、ライオンが象徴するようなラスタファリズムからはどんどん遠ざかり、ポップ路線を突き進んでいきます。恐らくはこの路線に進んだことが成功要因で、幅広いファンを得て、30年を超える長いキャリアを築けたのではないかと思います。甘甘のメロディーが嫌いな人も多いかとは思いますが。

最近作でお薦めなのは「Cool Summer Reggae」。題名もジャケットの絵も軽薄ですが、アスワドのヒット曲の新録の他、カバー曲が沢山入っていて楽しめます。
前にブログにも書いた Gregory Isaacs「Night Nurse」、日本ではスネークマン・ショーのアルバムにも収められていた Sugar Minott の名曲「Good Thing Going」(ジャマイカ盤のジャケットには前歯の欠けたシュガー・マイノットの写真が使われていましたが、日本でリリースされたものでは、熱帯風イラストに取り替えられていました。よくある話)、一発屋? Dawn Penn「(You Don't Love Me) No No No」、日本でも流行った Diana King の「Shy Guy」等々が収められています。

8月は、エチオピアとジャマイカについて、7月から続くマイケル・ラインと、色の話なんかも交えて書いていたら、かなり長くなってしまいました。9月はなるべくニューヨークの日記を前に進めたいと思っています。






このライオン、どれも頭に王冠を戴き、十字架(最初のは何故かアンクですが...)を抱えています。十字架を持つライオンは王の中の王と呼ばれた「ユダのライオン」で、キリスト教徒(昔はコプト教だったみたい)であるエチオピア皇帝の象徴です。帝国時代の国旗は、緑・黄・赤の三色旗で、中央にこの「ユダのライオン」が描かれていました。ハイレ・セラシエ1世の王宮には、ユダのライオンの像が置かれ、本物のライオンを放し飼いにしていたといいます。Aswad とは、アラビア語で黒のことで、ライオンが黒いのはこのためです。黒は緑・黄・赤に続く四番目のラスタカラーで、黒人の肌の色でもあるのです。
アスワドは70年代半ばに結成され、ボブ・マーリーのいたアイランド・レーベルよりデビューを果たしています。ブリティッシュ・レゲエのグループとしてメジャー・レーベルよりデビューした最初の例ではないかと思います。スティール・パルスやマトゥンビなんかも少し遅れて登場して、レゲエ・シーンが賑やかになります。デビュー当時の彼らの演奏や歌はお世辞にも上手いとはいえず、どうしてもジャマイカのレゲエの亜流のように聞こえます。アスワドのアルバムを通して聞いていると「New Chapter」あたりから聞くに値するものになったように思えます。お薦めは「New Chapter」の一曲目の「African Children」。ライブ盤「Live And Direct」の方にも収められている名曲です。ライブでは、ポップになる前のハードで畳掛けるような、勢いのあるアスワドの音楽を聞くことができます。
Many African children,
Living in a concrete situation
African children
Living in a concrete situation
African children
I wonder do they know where you're coming from
African children
Down there yes in a concrete situation
African children
I wonder do they know where you're coming from
The whole of the nation
Living in these tenements,
Crying and applying to their council
For assistance every day
Now that their tribulation so sad
Now that their environment so bad
High rise concrete
No back yard for their children to play
African children
I wonder do they know where you're coming from,
African children
In a concrete situation
African children
Wonder do they know where you're coming from
All of the nation are living in these tenements
Precast stonewall concrete cubicals
Their rent increases each and every other day
Structural repairs are assessed yet not done
Lift out of action on the twenty-seventh floor
And when they work they smell
African children
Living in a concrete situation
African children
I wonder do they know where you're coming from
African children
Living in a concrete situation
African children
I wonder do they know where you're coming from
African children
Down there down there in a concrete situation
African children
Wonder do they know where you're coming from
Where you're coming from
African children
REPEAT
Sometimes wanting to party late into the night
And when they're out of sight
The neighbours' complaining again
And its a place where
You don't even know your neighbour's name
It's a ghetto in the sky
アスワドはこの後、ライオンが象徴するようなラスタファリズムからはどんどん遠ざかり、ポップ路線を突き進んでいきます。恐らくはこの路線に進んだことが成功要因で、幅広いファンを得て、30年を超える長いキャリアを築けたのではないかと思います。甘甘のメロディーが嫌いな人も多いかとは思いますが。

最近作でお薦めなのは「Cool Summer Reggae」。題名もジャケットの絵も軽薄ですが、アスワドのヒット曲の新録の他、カバー曲が沢山入っていて楽しめます。
前にブログにも書いた Gregory Isaacs「Night Nurse」、日本ではスネークマン・ショーのアルバムにも収められていた Sugar Minott の名曲「Good Thing Going」(ジャマイカ盤のジャケットには前歯の欠けたシュガー・マイノットの写真が使われていましたが、日本でリリースされたものでは、熱帯風イラストに取り替えられていました。よくある話)、一発屋? Dawn Penn「(You Don't Love Me) No No No」、日本でも流行った Diana King の「Shy Guy」等々が収められています。

8月は、エチオピアとジャマイカについて、7月から続くマイケル・ラインと、色の話なんかも交えて書いていたら、かなり長くなってしまいました。9月はなるべくニューヨークの日記を前に進めたいと思っています。