桂木嶺のGO TO THE THEATER!~Life is beautiful!~

歌舞伎中心とした演劇・クラシック音楽・美術展・映画など芸術全般のレビューを書きます。優れた芸術は応援します!

ああ、そろそろ芝居は卒業かなぁ・・・。

2017-10-07 01:36:13 | きょうのオピニオン

風邪をひきました。

 

最近急に寒くなってきたせいもありますが、

おそらく、とても疲れが出たんでしょうね。

9月のパーヴォ月間、そして、プライベートで転職のことも含め、

本当に激動のことばかりでしたので、心労がかさなったのだと思います。

きのうはフラフラな状態ですごしていました。

すこしよくなってきたのですけれどね。

明日も、あまり無理はせずにすごそうと思います。

 

実は、芝居を観るのが、最近あまりうれしくありません。

おとといの「マハーバーラタ戦記」を見て、つくづく感じたのですが、

なんというか、これもなんですけど、

最近の芝居って、理詰めでつくられた物語が多くて、

魂をえぐられるような感動が、本当に少なくなりました。

気遣いや頭ばかり使って、気が付けばぐったり・・・という芝居が

ずいぶん増えたような気がします。

 

正直、楽しくないです。

なんかもっと高揚感のある芝居を観たいけれど、

いまの世の中って、とってもミニマムな世界で生きているひとが多いから、

自分のことで精いっぱいな芝居が増えてしまうかな、という気がしてなりません。

 

ま、わたしという観客が一人減ったところで、

演劇界はびくともしないんでしょうから、

どうぞこのままご自由にやってください、という感じですね。

 

こんな調子だから、最近すっかり、

クラシック(こと交響曲)の魅力に取りつかれてるのかもしれませんけれど。

クラシックのほうが全然高揚感ありますものね。

志高く生きている!という実感を得ることができます。

もちろん最低限のマナーはまもらなくてはなりませんが、

少なくとも、感激したことを素直にいい表せる意味において、

クラシック音楽のほうがずっと自由ですね。

もちろんロックやポップスのほうがもっと自由ですが、

高揚感、躍動感、感動という意味ではクラシックにかなうものはないと思います。

 

しかし、どちらにしても、優雅なくらしには違いないですね。

このご時世に。

万が一の事態におちいったとき、まっさきにやりだまにあがるのは

こうした芝居・音楽・芸術です。

おそろしい世の中になったものだと思います。

 

本来ならば批評家とは、その世の中のおそろしい兆候があらわれたとき、

体をはってでも、それにたいして警句を発信することが大事だと

私自身は思っていますが、

劇評家のほかのみなさんはどのように思われているのかな、

という気がしてなりません。

ただ、役者と舞台をほめればいいという仕事ではないはずだと

わたしは思っていたのですが・・・。

 

いろいろな意味で、私、劇評をやっていくのは

なんだか限界だなという気がしています。

劇評を通して、私が実現したかった理想はありますが、

それをつぶそうとする人の多いことに、暗然とさせられます。

 

この国が、どういう方向にいくのか、つねにチェックし、

その時代の趨勢を見極めることの大切さを、

今後は、このブログを通して、みなさまにお話していけたらと思います。