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萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:山の造形

2016-08-12 23:59:00 | 写真:山岳点景
摂理の芸術



山岳点景:山の造形

山を歩いていると、おもしろい形のアレコレに出逢います。
上は雨氷、零下に冷えこんだ樹木に水分が凍りつく現象。
下は銀竜草ギンリョウソウ、山野草で最も個性的です。



茎もなにもかも白い半透明、鱗みたいな蝋造りのような不思議な材質です。
ちょっとのぞいている紺色の部分が花になります。



その白い異質なカンジ+落葉つもる森の蔭→別名に幽霊茸ユウレイダケ・幽霊草ユウレイソウとも。
けれど個性的な形は竜の顔と似ていて、銀竜草のほうがやっぱり似合うかなと、笑



下は黄釣船キツリフネ、夏に咲く山野草です。



横から見ても前から見ても個性的、赤紫の釣船草ツリフネソウもあります。



真夏の山野草、蓮華升麻レンゲショウマも他と似ない花です。



蓮華座みたいな花+玉みたいな蕾、薄紫色の風合は森の静謐と似合います。



晩夏から秋の山といえば茸、



下は絵本みたいな紅天狗茸ベニテングダケ、標高1,700の森でよく見ます。
小人が出てきそうだけど猛毒キノコの代表です、笑



これ↓も茸です、花箒茸ハナホウキタケというそうで見てのとおり毒性あり。



厳冬期なら氷の花、カメバヒキオコシやシモバシラという植物の茎が破裂してできます。
茎の水分が凍ることにより膨張→破裂した勢いそのまな巻いた氷が花びらみたいです。



山上の湖、波飛沫も一瞬で凍てつき↓こんなことに。



〆は氷瀑、厳冬期1月中旬の三頭大滝@東京都檜原村です。
落差カナリな大滝ですが↓こんなカンジに全面凍結します、これも東京のリアル造形です。


第157回 1年以上前に書いたブログブログトーナメント
撮影地:奥多摩、秩父、山梨県

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山岳点景:夏に氷景

2016-08-12 10:05:02 | 写真:山岳点景
厳冬から、


山岳点景:夏に氷景

暑い日続き、で、凍てつく雨氷を。
こういうシーンつい好きで撮ります、笑

第149回 昔書いたブログも読んで欲しいブログトーナメント
撮影地:芦ヶ久保@埼玉県秩父

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山岳点景:山嶺の四季

2016-08-11 22:56:00 | 写真:山岳点景
Mountain Days


山岳点景:山嶺の四季

山の日なので好きな山写真を貼ります、トップは谷川岳@群馬県。
ここは分水嶺だけあって天候変化も激しいです、秋~春は急な降雪に注意。



下は丹沢山系@神奈川県、師走の夕陽。



雁坂峠@山梨県の冬。



秩父山系の十二月↓ダム湖畔の午後。



冬の南アルプス遠望、美し森@山梨県より。



凍りだす払沢の滝@東京都檜原村、十二月の奥多摩は氷瀑の始まり。



十二月↓精進湖畔@山梨県より。



初春の一月、山は氷雪の時。



戦場ヶ原@栃木県の一月、白銀に埋もれます。



雨氷に凍てつく樹木、秩父山系にて。



氷瀑の一月、三十鎚の滝@埼玉県秩父山系。



氷の花@一月の三頭山、カメバヒキオコシという植物の水分が膨張して茎が破裂して起きる現象です。



草木も凍てつく厳冬、滝壺も蒼い氷に覆われます。
下も三頭山にて、三頭大滝@東京です、笑



三月、森の陽だまりに三角草ミスミソウが咲きだします。



落葉の底から花ひらく、その小さな可憐つい撮りたくなります、笑



三月終わり、福寿草フクジュソウも木洩陽と雪解にひらきます。



次に咲くのは碇草イカリソウ、踊り子みたいな姿は不思議なカンジです。



それから二輪草ニリンソウの純白。スプリング・エフェメラル「春の妖精」と呼ばれる春植物のひとつです。



四月の山野草といえば片栗カタクリ↓これが咲くと春山だなあと。



片栗が終わる森は新緑まぶしい木洩陽。



四月の終わり、低山の森では金蘭キンランの黄色あざやかです。



四月の春富士↓雪×豪風に雲が湧いては流れます。



4合目からの富士山頂↓手前のシルエットも富士山です、笑



富士桜↓五月の富士中腹にて。豆桜の一種で花は径1センチほど、可憐な山桜です。



水芭蕉、雪解けの湿原に純白が映えます。



晩春から初夏、山藤の紫があまく香ります。



東石楠花アズマシャクナゲ、五月の終わり標高1,700にて。
山神の花かんざしとも言われるとおり、初夏の女王なカンジです。



銀竜草ギンリョウソウ、石楠花が終わる頃ひっそり咲きだします。



純白の透ける竜の顔みたいな花、腐生植物という面白い植物です。



八島湿原↓長野県蓼科に広がる高層湿原の初夏。



六月の山は九輪草クリンソウ、薄紅ふくんだ露に惹かれます。



梅雨が終わる七月、水豊かな滝@山梨県小菅村



真夏の山野草なら蓮華升麻レンゲショウマ。



涼やかな薄紫に蜂も誘われます。



夏、山霧あわい三頭山@東京都奥多摩。



真夏の女王は山百合ヤマユリ、霧の湿度に芳香を誘います。



晩夏の山、松虫草マツムシソウの薄紫が秋を告げます。



竜胆リンドウが咲くといよいよ秋。



九月の丹沢山系↓相模川から。



大菩薩嶺の十月、紅葉が始まります。



入笠山より八ヶ岳遠望↓あわい雲海の秋。



三頭山の紅葉@奥多摩十月。



小田代ヶ原@栃木県日光の秋↓草紅葉がよくて通っています。



十月の小田代ヶ原、楓の紅葉すこし終りかけ。



小田代ヶ原にて↓落葉松の黄金と碧い川のコントラストがきれいです。



晩秋そまる紅葉の一滴@十二月の奥多摩。



ラストは故郷の山から遠望。


山の日に、
撮影地:関東地方

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山岳点景:水の風景

2016-08-10 14:30:06 | 写真:山岳点景
Waterfall of Metropolitan



山岳点景:水の風景

あんまり暑いので水をUPします、ちょっと穴場な滝です、笑



苔ゆたかな渓谷、静謐の流れを遡ります。



ある山の登山口なんですけど、マイナールートで鬱蒼と緑しげります。



滝までの道はアップダウンも少なめ、根っこや浮石など罠が多いので登山靴×長ズボンが無難です。
そんな道のかたわら玄いほど澄んだ水が奔ります。



滝があるのは標高600メートル付近、真夏に歩けば汗滴る道です。
足もと気をつけながら辿ると古びた橋もアリ・滑りやすく要注意ですが谷間の風情がイイカンジです。



渓谷のどんつき、滝壺は現れます。



淵の水際、深い水面と飛沫の風が涼やかです。



で、滝の全景はこんな↓カンジ。
落差30メートル、何段いくつも落ちる垂水は夏の一服×一幅です。


撮影地:大滝@東京都檜原村大岳山

この滝は駐車場がありません。
道の入口に一台分のスペースはありますが、緊急車両が入る可能性があるため長時間はNGです。
それだけ遭難事故が多い山域になります、低山とはいえ転滑落・道迷い・クマ遭遇など珍しくありません。

○今年はクマ目撃が多くなっています、熊鈴・ラジオの携行は必須&単独行は避けて無難です。
○穴場=人が通らないため薮がしげっています、蛇・蚊などもいるため長袖長ズボンで。
○ヘッドライト&水分ちゃんと準備してください、自販機・街燈etcナニもありません。

水の風景ちょっと涼めたら↓
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第85話 暮春 act.6-side story「陽はまた昇る」

2016-08-09 22:50:18 | 陽はまた昇るside story
He keeps, and gives to me His death’s conquest. 命の稜線
英二24歳3月下旬



第85話 暮春 act.6-side story「陽はまた昇る」

ツェルトは新雪に埋もれていた。

「朝に出た形跡はないな、」

簡易型の薄い生地、さらり雪こぼれてたわむ。
踏みだして雪ずぶり沈む、股下まで埋もれピッケルふるう。

「積雪60センチってとこか、」
「はい、後藤さんは後ろから来てください、俺がラッセルします、」

ピッケル掻いた雪が舞う、吐息あわく白く昇る。
芽吹きまだ遠い木々の挟間、深い声が呼んだ。

「宮田っ、あそこだ!」

登山グローブの指がさす。
息白く舞う三月の冬、あわい木洩陽にオレンジ色が映る。

午前11時35分、遭難者を発見した。



俯せで顔は見えない、だが骨格は男性。
新雪に積もられ隠れた足、登山ジャケットのオレンジ色も白く淡い。

そして動かない。

「亡くなられてるな、霜が積もっている、」
「はい、」

ウェアまで凍てつく春の山、その北斜面で登山者は動かない。
俯せた頭部こぼれる髪も白く凍えて、登山ザックもない空身に上司が呟いた。

「…せめて南でビバークしていればなあ、」

もし南斜面なら、夜の体感温度は違っている。
けれど選んでしまった北の森に英二も口開いた。

「登山靴も履いていません、寒さに耐えきれない精神錯乱かと思われます。昨夜は体感温度もマイナス10度を超えたはずです、」

積雪1メートルはある北の樹林帯、谷から吹き上げる北風が頬なぶる。
斬られる冷感は真昼の今も鋭い、これが夜の吹雪ならもっと凍える。
その寒さが精神錯乱を誘発し着衣を脱ぎ、凍死に至るケースは多い。

「そうだなあ、昨夜は町でも冷えこんだよ?彼も吹雪で歩けなくなったのかもしれんなあ、」

深い声おだやかな眼ざしは悔恨が悼む。

“もっと彼に知識があれば、技術があれば?”

そんな仮定めぐらす北斜面、新雪あおらせ舞いあがる。
谷底から這いあがる風花に吐く息も白い、その彼方から雪音が近づいた。

「後藤さん?宮田も一緒かね、」

ざぐりざぐっ、踏みしめる雪音にテノールが呼ぶ。
聴き慣れた声にふりむいて応えた。

「国村小隊長、遭難者を発見しました、」
「遭難者?」

テノールかすかに硬くなる。
ざぐりざぐり雪音が速まって、雪の樹林に青い冬隊服が現れた。

「あー…初歩的ミスなビバークか、春だねえ?」

白い吐息そっとテノールが悼む。
そんな後輩にベテラン警察官はうなずいた。

「国村もビバークミスの凍死だと思うかい?」
「見たカンジじゃ事件性はなさそうですけどね、雪と霜の具合から言っても昨夜かねえ?」

応えながら遭難者の傍ら、長身が跪く。
細身しなやかな冬隊服姿、そのくせ広やかな背中に言った。

「死体見分をします。国村さん、メモお願いできますか?」

手を動かす側、メモとる側、その分担いつも決まっている。
応急処置も死体見分も事情聴取してくれたパートナー、けれど今日は微笑んだ。

「今日は俺に見分させてくれないかね?」

え?

―光一が死体見分を?

意外で見つめてしまう、けれど確かに「まったくしていない」わけじゃない。
先輩だから経験当然ある、自分が週休の日も行っていただろう?それでも驚いて訊いた。

「光一が死体見分するのか?」
「だね、」

雪の森、澄んだ瞳が笑ってくれる。
青いヘルメットの翳まっすぐな視線は微笑んだ。

「医者になったら検案があるだろ、勉強の場をもらってイイかね?明日からは現場ないからさ、」

ほら、もう未来を見ている。
ほんとうに辞めるんだ?あらためての今にテノールが続ける。

「最終日の今日に出会ったご遺体なんてね、勉強しろ言われてるって思うしかないだろ?きっちり医者になって警察医もヤレってさ?」

雪深い森の底、斃れたオレンジ色にテノール低く響く。
くゆらす靄に雪白の貌しんと静かで、けれど訊いた。

「凍死体だぞ、大丈夫か?」

辛くないはずがない、だって記憶がある。
それでも山っ子はすこし笑った。

「オヤジたちのコトなら超えたよ?北鎌尾根とアイガーでね、」

あのときに?

『槍ヶ岳っ、雅樹さんを返せよっ!』

白銀の稜線に谺した、あの叫び声。

悲痛、哀悼、愛惜、あの声すべて響いた。
あの声きっと一生忘れられない、それでも北鎌尾根を超えた声が笑った。

「あのさ英二、あのとき槍のテッペンにいたのはさ、おまえじゃなかったよ?」
「え…?」

どういう意味だろう?
記憶と見つめた雪の森、澄んだ瞳そっと笑った。

「北鎌尾根では“俺”って言ってたよ、でも、テッペンでは“僕”になってたね?」

木洩陽ふる雪の上、遺体のかたわらテノール響く。
澄んだ瞳は静かに笑って穏やかな声が微笑んだ。

「おまえは知らないはずだろ、雅樹さんがナンて一人称つかってたかってさ?」

あのとき、あの山頂は確かにそうだ。

『約束するよ、だから忘れないで?僕はずっと一緒に山に登っているよ、そうやって僕は光一と一緒に生きている、』

あのとき自分の唇が出した声、けれど誰の言葉だった?
あのときなぜ“僕”だったのか?記憶にザイルパートナーが微笑んだ。

「あのとき“僕”だったからアイガーの夜で超えたワケ、雅樹さんごとオヤジたちもマルっとさ?だから医者になろうって決められたね、」

北鎌尾根と槍ヶ岳、そしてアイガー北壁。
あの場所たちで自分も見ていた、その俤ごと笑いかけた。

「今も光一の隣にいるよ、雅樹さんは、」

そう、だから自分じゃない。
もう離れて歩きだす瞳はきれいに笑った。

「ありがと英二、じゃ見分のメモよろしくね?」
「うん、その前に無線いれるな?」

肯いて無線機セットしながら手帳とペンを出す。
その傍らベテラン警察官の横顔を一滴、光こぼれた。

「うん…そうか、」

つぶやくような深い声、けれど静かに明るい。
この声こそ想いどれだけ抱くのだろう?そんな独り言に瞳そっと閉じ無線つないだ。

「こちら宮田、日陰名栗峰のコル北斜面にて遭難者を発見、既に死亡。見分を国村小隊長と始めます、後藤副隊長も一緒です、」

無線機に報告してゆく新雪の森、青い背中ふたり合掌する。
斃れた登山者への哀悼しずかな横顔、若い瞳は穏やかに感染防止グローブ嵌める。
落ちついた仕草もう惑わない、そして深く澄んだテノールが言った。

「後藤さんも俺の見分なんて久しぶりだろ?最後にシッカリ見といてよ、次は医者としての検案だからさ?」

ひさしぶり、最後、次は。

そんな言葉の眼ざしは静かに明るい。
向きあう死を悼みながら次を祈る、そんな横顔にベテラン山ヤは肯いた。

「ああ、光一なら立派な医者になるだろうよ?雅樹くんも誇らしがる山の医者だ、」

誇り高い山ヤ、そんな二人が死と雪の稜線に佇む。
そこにある時間どれだけ積もる、その想いに深い低い声が紡ぐ。

「ありがとうなあ光一、警察官の経験も生かすってなあ…ありがとうよ?」

ベテラン山ヤの声が告げる、その想い静かに雪稜を届く。
吹きあげる北の谷風は凍えて、けれど温かな声ふりつもる光に雪焼の頬がまぶしい。


(to be continued)

【引用詩文:John Donne「HOLY SONNETS:DIVINE MEDITATIONS」】

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山岳点景:大樹の懐で

2016-08-08 23:54:05 | 写真:山岳点景
匂い、色、木蔭の風



山岳点景:大樹の懐で

山を歩いていると大きな木に出逢います。
その幹は節くれ大きくて、その樹肌から生まれる香ほっと寛がせます。
大らかな梢は天を抱くような腕いっぱい伸ばすような、その木蔭に涼む風は幼い日の木登りが懐かしいです。


撮影地:三頭山@東京都檜原村

大樹ちょっと和んだら↓
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街角点景:夏空の帰路

2016-08-08 23:21:00 | 写真:街角点景
夏山の帰り道、ちょっと寄った店の駐車場にて。
こういう夕空はなんとなく懐かしくて、どこか切なくなるのが不思議です。
夏休みの郷愁かもしれません、笑

朝日夕日空88ブログトーナメント

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時事雑談:個の尊厳―法科大学院の事件から

2016-08-08 12:00:08 | 思考雑談
一橋大学の事件をどう考えるか?ってリクエスト頂いたので想うことを。

一橋大学法科大学院で、
男子大学院生Aが友人だった男子大学院生Bに告白し、
大学院生Bが「オマエがゲイだってことをばらしてやる」と発言し、その1ヶ月後に大学院生Aは自殺した。
そして大学院生Aの遺族が大学院生Bと一橋大学に対して訴訟を起こした。

っていうのが事件の経路ですけど、
ちょっと把握していない事実関係があるので明確なことは言い難いけれど、

1)男子大学院生Aから大学側は差別について相談を受けていたのか?それは教員か大学の相談窓口か?
2)男子大学院生AとBの共通知人はAに対してセクシャルマイノリティを理由とする差別的態度をとったか?
3)男子大学院生Aが自殺した理由は何か?セクシャルマイノリティへの差別か、告白を受け入れられなかった傷心か?

結論から言っちゃうと勝訴の可能性もアリって思います、その論点は4つ。

1.セクシャルマイノリティに対する世論
2.倫理観「いじめ」問題
3.プライバシー保護
4.法科大学院という教育機関の社会的意義

セクシャルマイノリティの世論の流れから考えると
同性カップルを家族に準じて認める渋谷区条例、ローマ法王の同性愛に対する見解、ロシアの同性愛否定に対する世界の反応、
そうした近年の法整備・世論から考えると司法の見解は「性的少数であることを理由に差別・迫害されてはいけない」になるだろうなあと。

次の2.は「人間関係のもつれた相手を追い詰めることが正しいのか?」って問題です。
ようするに「いじめ」問題、学校や職場など所属する組織内で迫害・孤立させられたことが争点になります。
こうした「いじめの果の自殺」については多くの判例が加害者に対して損害賠償命令を出しています。

3.については1.と関連して判断されるとこで「カミングアウト」をめぐる問題です。
セクシャルマイノリティ=少数者である本人にとって「大多数に受け入れてもらえるか?」は苦しい壁でもあります。
世間の差別的視線に耐えられるのか、親しい人から拒絶されたらどうしよう?という不安と恐怖が大きく覚悟が強いられることが現実です。
本人がカミングアウトに至るだけの相手への信頼感がある、それは「プライバシー保護を守ってくれる」という信頼感でもあります。
こうした信頼感を裏切るということは倫理上はもちろん、現在はコンプライアンスの問題としても法的に禁止されていることです。

この3点を踏まえて4「法科大学院」について考えると、

法科大学院側に大学院生Aから差別について相談があった、と仮定した場合は一橋大学も責任を負うことになると思います。
1.について適切な処置がとれなかったことは=大学という組織内で起きた差別問題について管理責任を問われます。
2.を放置したとすれば「いじめ」の放置=教育機関として倫理責任が問題です、法科大学院=法曹の育成機関である責務にも尚更かと。
3.に関しては国立大学も法人としてコンプライアンス規定があります、その違反に該当することが問題です。

大学院生Bについても同様三点すべてが問われるかなと。
法曹に就けば上記3点は遵守する義務があります、それを理解していない=不適格者として退学の可能性もあるかなと。

法科大学院は司法試験を受け法曹を目指すための教育機関です、
法曹=裁判官・検察官・弁護士ですけど、裁判官と検察官については前科者は就くことができない規定があります。
弁護士も守秘義務があり、職務上知り得た秘密・プライバシーを漏らせば資格剥奪もありうることです。

ようするに、
法科大学院生としてBは「倫理観がありプライバシー保護を理解している」という信用を持たれてしかるべき立場にある、ってことです。
その信用を裏切ることは法律家を目指す人間という社会的立場を壊すことでもあります、で、

1.セクシャルマイノリティへの差別的態度は法科大学院生として相応しいのか?
2.大学内の人間関係で追い詰めたことは「いじめ」ではないか?その倫理観は法科大学院生として相応しいか?
3.プライバシー保護は法の規定もあり社会的通念でもある、それを法科大学院として遵守することは当然ではないのか?

といった法的判断がされていくと思いますが、
大学が有責を問われるかは「相談の有無」と「相談があってから自殺に至るまでの期間」によるかなと。
大学院生Bについては裁判で有責とならなかったとしても、法曹の世界で生きることは難しいかと思います。

1.差別的偏見的視点がある
2.弱者を攻撃することで自身の立場保全をはかる自己中心性
3.他者の秘密にしたいことを安易に暴露する弱い自制心=守秘義務を担える精神的能力・判断力に欠ける

この三点が法科大学院生Bに見られるってことです。
こうした評価は相手が同性愛者だったことが問題なのではなく、自己愛から相手を攻撃したという事実がポイントです。
とりわけ「社会的弱者・少数派である弱点を追い詰めた」ことが問題で、これは異性間の恋愛においても同じことです。

たとえば被差別出身者で同じような事例があります、
被差別出身であることを理由に結婚を断られ、出身であることを言いふらされ自殺に至った事件です。
被差別については同和問題と呼ばれていますが、出身者の差別問題も少数派=社会的弱者であるための偏見が原因です。

こうした「社会的弱者・少数派」への攻撃は人間社会ならどこでもあります。
子供の世界でも学校カーストと呼ばれる階級制度が暗黙され、会社組織の派閥争いなども同じ問題があります。
この「どこでもある」ことの一環として同性愛者・セクシャルマイノリティへの偏見や差別問題も存在しているわけです。
ようするに「同性愛であること」が問題なのではなく「社会的弱者・少数派であることを弱点として攻撃した」ことが問題になるってことです。

こうしたマイノリティに属する人で法律に携わる仕事をしている方もいます。
それは「社会的弱者・少数派を守るために法に携わることは正義」という社会的通念があるから実現していることです。
とはいえ法曹界の人間関係にあっても個人レベルでは同性愛者に対する偏見的視点はあると思います、が、それを理由とする攻撃は許されません。
日本では恋愛について異性間に限るという規定はなく、むしろ上述したとおり渋谷区の条例など同性愛者の権利を保護していく流れにあります。

また歴史的観点で言えば、日本における同性愛・特に男性同士の恋愛関係は明治まで普通のことでした。
男はバイセクシャルであることが常識で、女性にしか興味がない男性はむしろ異常=少数派だったわけです。
義兄弟の契り・血契ともいわれる関係で男同士の恋愛こそ崇高とされ社会的仕組みとしても有効でした、BLとはちょっと違う世界です、笑
が、明治になり西洋の風潮を真似ることが近代化との判断から同性愛は否定されることになります、キリスト教では同性愛を否定したからです。
キリスト教の同性愛は前にも書いたことあると思うんですけど、BLが大好物(笑)な倒錯的ケースを制限するために否定された経緯があります。
ようするに自制心ある関係性なら同性愛も否定する必要が無かった、そのためローマ法王から同性愛を否定しない意向が最近は示されるワケです。

訴状ちゃんと読んだワケじゃないから勝訴断定もしがたく、
判断材料も少ないので確かなことは言わないけれど、有責は認められる点が多いかなと。

で、個人的なセクシャルマイノリティに対する考え&経験論ですけど。
ずっと「雑談寓話」に書いていますが、自分にはバイセクシャルの友人が二人います。
自分自身も同性から告白されたことがあります、応えることはできませんでしたが・その後も友達関係は続きました。

バイセクシャルの友人も告白してくれた人も、普通に人間です。
どの人も普通に生活していて普通に家族生活があり友人もいる、好きな食べもの好きな場所がある。
告白してフラれたからってムリヤリ襲ったりなんかしない普通の良識ある人間です、だから自分も人間として普通に好きな友人です、笑

同性愛の人間もフツーに生きているだけで・その人それぞれ尊敬すべき点があるタダの人間。

ってことを言いたいから同性愛の人間を主人公にして、ごくフツーな生活を小説に描いてみています。
たとえば世の中そこらにあるBL小説とかマンガでは同性愛の主人公たちはヤタラSEXばかりするけど、
現実ではフツーに会社生活や学校生活があり、家族があり、恋人とSEXばかりしているわけじゃない。

同性愛=日常普通にあること。

タダそれだけのコトで、ソレは異性との恋愛とマッタク変わらないことです。
肉体関係目当てのツキアイもあるだろうし・心重視のプラトニックも当然ある。
ただし・男と女では思考パターンが違う=恋愛の価値観も違っているけれど。

「私と仕事どっちが大事?」

って女の人は言っちゃうことがある、
それは恋愛>仕事っていう方程式がドッカあるから言っているわけで、
ようするに恋愛も仕事も同じ次元のなかで起きている、だから順位付けもしてくる。

それが男だとドウかって言うと、恋愛と仕事は別次元の話とも言える。
サッカーと数学どっちができるほうがエライのか?っていう順位づけを無理矢理させられるようなモノ。
じゃあ恋愛と仕事ドウ別次元なのかっていうとタトエバ、

恋愛=感情・癒し休息
仕事=能力・評価競争

ってカンジに脳内スペースも居場所としてもマッタク性質が違う。
性質が違うわけだから、感情と能力を比較してどっちが上なのか?なんて順位づけは有得ない、
だからドッチが大事なんて言われても「はあ?」ってなってしまう、で、そこらへんすれ違いも出る。

だけど女性は感情論で動くことが多い、
ソレはタトエバ「自分磨き」とか「女子力」とか「モテワンピ」なんて言葉に出ている。
自分磨きして女子力UPしてモテワンピを着る、その結果に求めることは言ってしまえば「モテる女」になること。

恋愛=能力=評価競争

恋愛も能力の一つで評価基準、だから仕事=能力のフィールドに一緒に乗せてしまう。
で、彼氏ないし夫の職種社会地位が妻のステータスなんてことにもなる。
だから「結婚=勝ち組」なんて考え方も出てくる。

たいして男は「結婚=勝ち組」というよりも「結婚=墓場」なんて考えもフツーにしてしまう、
それは結婚する=女性の価値観と一緒に暮らすことになる、で、

「家族と仕事どっちが大事?」

なんて責められることが出てくるワケで、
それから逃げられなくなるのが結婚、だから「ご愁傷様」なんて結婚するヤツに言ったりもする、
ほんとに自分が求めて一緒にいたい結婚相手ならソンナこともないだろうけれど、それでも恋愛/仕事のメーターが重荷になりやすい。

そういう恋愛の性差がある以上、男同士の同性愛と女同士の同性愛では価値観バロメーターが違っていてアタリマエ。
そこらへん理解しないで女の子がBLなんて書くからリアルと当然全く違う世界になる、
で、同性愛の男からすると「BLが偏見を生む嫌い迷惑」なんてコトになる。

少数=出会うことが少ない=現実を知れない=「理解する機会が少ない」

こんなふうに・セクシャルマイノリティの偏見は「少数」だからこそ生まれます。
たとえば異性愛者は多くいて、多くいる中にはSEX中毒者もいるだろうしSMあれこれ性的倒錯ってやつもいる、
ソウイウ性的倒錯いわゆる変態嗜好は刺激的=メディアに取り上げられやすいから有名で、でも同時にちゃんと分かっている。

「ああいう人間もいるけれど恋愛すれば誰もがSEX中毒になるワケじゃない、」

ようするに「多くいる」なかの「特殊」だと知っているから「恋愛=変態になるわけじゃない」だと解かっている。
だけどセクシャルマイノリティは人数が少なくて、その少ない中の特に特殊な人間がメディア化されてしまうわけで、

「少ない+特殊=全員が特殊」っていう誤解を生むことになる。

こうした特殊性は刺激的、そして非現実性が高いです。
日常から離れていける非現実の刺激=それは楽しい娯楽で、だからメディアが取りあげる。
そういう刺激的娯楽としてBLもあるんだろうなって思います、で、刺激的であるほど楽しいって図式もある。
だから変な場所でXXXしたり強姦的であったりと倒錯した世界を妄想して、ただただ「楽しい」だけを理由に書いてしまう。
その「楽しい」は非現実性=妄想ファンタジーにあり、そこには一つの差別感があるなあと。

同性愛は差別され迫害されて当り前=迫害されてこそ美、

っていう上から目線の見下し感「下に見て同情的に理解する」ことを快感にする「楽しい」です。
この見下し感を正当化したいがため倒錯的描写はエスカレートする、っていう心理ベクトルがある。

その倒錯しか読み手には情報がない、情報が少ないため「その情報で全部=現実」となる。
そうした妄想からの誤解に「同性愛は倒錯的XXXする」っていう偏見が生まれるワケです。

そういう偏見について去年の9月に記事にしています。
「文学雑談:ある偽善小説」知る人ぞな実話から書いた記事なんですけど、ご興味あったら、笑

今回の事件はセクシャルマイノリティと法科大学院に起きたことです、
これを裁判所はどう判断するのか?それは偏見と法律の関係を問うことでもあるかなと思います。
ただ同情論的な恋愛論で片づけるようなモンじゃない、人間が築いてゆく社会規範と個人の尊厳をどう綯い合せるかってとこです。

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山岳点景:夏山夏花

2016-08-07 22:30:10 | 写真:山岳点景
水源の山で



山岳点景:夏山夏花

水源林の山、三頭山を歩いてきました。
目的は大木×夏の山野草といえばな↓この花。



蓮華升麻レンゲショウマ、蓮の花と似ているキンポウゲ科の花です。
東北南部から近畿地方あたり、太平洋側の落葉広葉樹林に咲きます。



あわい薄紫×紫色の花は深緑に涼しげ、
吸蜜にくる蜂の黄色とコントラストがいいです、笑



三頭山は水源林の山、そのとおりに大木をよく見ます。



広葉樹に針葉樹、多種多様な葉・樹皮・匂いetcなんど歩いても飽きません、笑



どの木もカッコいい、なかでも桂の大木につい立ち止まります。



桂の木は晩夏から秋ごろ砂糖醤油みたいな香がします。
みたらし団子屋がいるのか?って思うくらい今日も香っていました、笑



梢のはざま清流は豊かに流れ落ちていきます。



沢沿いの道、玉川杜鵑草タマガワホトトギスの黄色がゆれていました。



三頭山は監視&整備が行き届いて歩きやすい道が多いです、が、遭難件数が多い山でもあります。
木の根や浮石・岩場など転倒から転落、道迷いなど、ちょっとの油断が遭難に繋がりやすいところです。



ソンナワケで足もと注意しながら歩くんですけど、豊かな植生と花につい見惚れたくなります。



夏山の女王みたいな山百合ヤマユリ、
苔むした切株のちいさな茸、



晩夏の山はよく茸も見ます、
で、今日いちばん不思議だったのが↓白い珊瑚みたいなやつ。



ちょっと変わった玉紫陽花タマアジサイを見ました、



岩場に岨菜ソバナの紫が映えます。



標高1,531メートルの夏は深緑あふれる水源の懐です。


撮影地:三頭山@東京都檜原村

三頭山は歩きやすいルートです、が、道迷い遭難&転滑落+クマ遭遇も多い山なので気をつけて楽しんでくださいね、笑

○崖に面した狭い道や滑りやすい岩場etc…転んだら転滑落する危険ポイントもあり・木の根や落石・浮石に注意。
○登山靴&長袖長ズボン・帽子&余裕ある水分携帯など、装備それなり整えて歩いてください。
○道が交錯して迷いやすいルートもあります、踏み跡が少ないところもあり。
○登山地図&コンパス・高度計が無いなら人が少ないルートは入らない方が無難です。

夏の低山歩きはトリワケ熱中症&脱水症状に注意です。
標高1,000メートルより低いとカナリ汗かきます、水消費目安は1リットル/1時間くらいです。

○蚊・アブ・マムシなど蛇や毒虫も夏は多いため長袖長ズボン推奨、ヤマビル大発生の山域では流血騒ぎにも。
○池沼や川など水場は要注意※深さ+流れ+水量変化などプールとは大違い、不用意に入りこめば水難事故につながります。
下調べ&安全第一で楽しんでくださいね、笑

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花木点景:夏休みの花

2016-08-06 22:55:00 | 写真:花木点景
夏の朝に



花木点景:夏休みの花

夏休み=祖母の家、その屋敷畑に咲いた花と浅漬けの記憶。

畑のお花とお野菜さん91ブログトーナメント

撮影地:胡瓜@神奈川県某所

胡瓜まるごと一本かじったなあ、笑
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