萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:大菩薩峠の夏

2016-08-16 23:15:05 | 写真:山岳点景
水ゆく山嶺



山岳点景:大菩薩峠の夏

大菩薩峠を歩いてきました、ここは巨樹ゆたかな森が好きです。



標高1,840メートル上日川峠の登山口、広葉樹×針葉樹おりなす森を入っていきます。



椈ブナ、水楢ミズナラ、白樺シラカンバ、岳樺ダケカンバ、カエデあれこれ、落葉松カラマツ、



植生さまざまな森はいろんな巨樹に出逢えます。



星霜つもる老樹の傍ら、芽生えも。



夏山の朝は青に深緑のコントラスト・夏休みっぽくてイイなあと、笑



休業中の富士見山荘を過ぎて、下って、ちいさな沢に着きます。



冷たい清水は涼やかです、



静かな渓流に寛いで、この先から登り坂ちょっとキツクなります。



秋に紅葉あざやかな道、夏は深緑まぶしい木洩陽の道。



昨日の雨が苔から染み出ます。



茸もあちこち、



なんて見ているうち左に笹藪の尾根、大菩薩峠が近いです。



標高1,879メートル大菩薩峠、着いたら雲が巻きだしました。



夏山は朝スタートが常識、午後は天気が崩れるからです。
今日も10時には峠に着いたんですけど、台風の影響で風が強い=雲が速く動きます。



峠→親不知ノ頭へはザレ場の尾根道、
かたわら、南西の斜面には紅輪花コウリンカが咲いていました。



夏の大菩薩峠→親不知ノ頭はコウリンカの花園です。



花園をゆく道は礫と岩のザレ場、浮石が多いので足もと注意。
ここで濃霧に巻かれると視界不良×石が濡れ転倒しやすく、行動不能の危険もあります。



親不知ノ頭はケルンがあります。



親不知ノ頭は360度パノラマ、
南アルプスから雲取山@奥多摩も見えるんですけど・今日は雲が多め。



大菩薩嶺も雲に覆われていきます。



大菩薩嶺経由で下山したかったけど、雲の動きが速い・濃霧+雨の気配で峠に引き返しました。
その帰路、岩場でこんな↓花を見たんですけど名前まだ調べていません、笑



二度めの朝ごはん@大菩薩峠が終わる頃、雨が降りだしました。
峠なら山小屋・介山荘があり森も近いので雷雨も避けられます、今日も天気の様子見に留まっている人が多くいました。



雨ふる森は静かです。



莢蒾ガマズミらしき赤い実を見ました、この実が熟すと秋です。


撮影地:大菩薩峠@山梨県

大菩薩峠・大菩薩嶺の山頂付近は森林がなく360度パノラマ=濃霧・突風・雷撃の危険があります。
霧=雲に巻かれると岩場は水気を帯び、視界不良=足もとが見え難いためスリップの危険が増します。
ので、霧が出ると誰もが介山荘で待機するほどです。

○ヘッドライト+レインスーツ必携・濃霧への備えです、もちろん熊鈴も必携。
○登山靴など足もときちんとで・岩や礫のポイントは浮石での転倒に注意。
※夏場は午後から天気が崩れやすく雷雨も多いです、朝に登りだし昼前に下山が安全です。

初心者コース・ハイキングレベルと紹介するブログが多いためかTシャツ・短パン・タウンシューズといった方をよく見ます、
たしかに難易度は低いですが山は山、ザレ場も多い+天候変化の影響を受けやすいルート=装備+観天望気の技術がないと危ないです。
今日もコンビニへ行く恰好+ペットボトル500ml1本だけって人を見ましたが・かなりバテていました、装備不足は疲労→遭難の元になります。

適確な装備&観天望気+早めの行動・決断が安全な山行を楽しめます。

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