山篭り

山篭りをするにつけ夜に思うのが静寂だ。

日頃いかに騒音の中で暮らしているかを実感する。

いま住んでいるところの交通量が結構多く、JR東海道線沿いにあることも原因して騒音慣れしている自分に気が付く。
米軍厚木基地のNLP(夜間離発着訓練）などはじまったものならそれどころではなくなる。地下鉄なみの騒音に生活全体が踏みにじられることになる。

ところが山の中にいると「音」というのがすべて自然の発するもので、"機械的"でなく"規則性"もない。

じっとしていると、その機械的で規則性のある「音」が気になってくる。
その種の音のひとつが置き時計の秒針、もうひとつは外にある浄化槽に空気を送るモータ、冷蔵庫のモータ音。

普段湘南で過ごしているときには聞こえない音だ。いや聞こえているのかもしれないがそれ以上に騒音がたくさんあるので埋もれてしまうのだろう。

朝はウグイスの鳴き声で目が覚める、ちょうど夜明けの時間だ。
この時期、微妙に違いはあっても、一応どれも「ホーホケキョ」となっていて完成度が高い。後半に「ケキョ・ケキョ・・・」と余韻を続けるのはベテランの証でしょうか。

聞いた話だけれど、練習を重ねて上手になっていくのだそうだ。

もう少しするとシジュウカラやツグミ（だと思う）の鳴き声などが聞こえてくる。

友人の奥様から渋滞なく埼玉へ帰った、という電話をもらった。
「熊に食べられないように」との忠告つきでありました。

鳥の声がいつも同じ調子にしか聞こえてこないというのは、無頓着な人間の粗雑な耳だけのことです。
ローザ・ルクセンブルク「獄中からの手紙」