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ゴールデンスランバー 観劇後感想

2010年02月27日 12時29分23秒 | 映画
SMAP香取慎吾さんの番組、smaステーションにて、この映画を、香取君が絶賛して居たのを見て、観たくなり行きました。

事前には、TVCM以外の予備知識が無い状態で、観に行きました。
CMから想像するに、何者かに(テロリストの類)嵌められ、
犯人に仕立て上げられて逃亡し、真犯人を捜すミステリー的サスペンスだと思ってました。
しかし、物語が始まってから、暫くすると直ぐに、
そう言う認識で観てた自分は、この映画に対して凄い違和感を感じている事に気付きます。

何だか怖いんです。

ミステリー的サスペンスを観ている筈の自分に、無い系統の恐怖感が感じるのです。
この恐怖感が、漠然と感じていた違和感なのだと気付いた時に、
その恐怖感の原因と言うのが何処に有るのか?と言う事を考えながら観てました。

その恐怖と言うのは、ミステリー的サスペンスを見てる時の、ドキドキ的な感覚よりも、
ホラー映画を観ている時の恐怖感に、非常に近い感覚でした。
もっと言うと、怖い話系の時の「世にも奇妙な物語」を見ている時に感じる恐怖でした。

それで、その原因に思い当たる事に気付きました。
それは、幾ら犯人と疑われて居るからとは言え、
警察が簡単に、主人公を殺そうとする行動に有るのだと、気付きます。
物語開始の早い段階に起こる、首相暗殺事件直後に、
まだ主人公が、“ただの不審者。”と言う段階で、
お巡りさんが簡単に主人公に発砲して来たのが良い例です。

当初、テロリスト的な真犯人が居て、それを発見する。
的なストーリー展開を想像して来た筆者は、
それは違うと気付きます。

世にも奇妙な物語の、怖い話の時に感じる恐怖感と同じだ。
と書きましたが、まさにこの映画の世界は、
国家権力が、非常にやばい組織に成ってる。と言う設定の、
奇妙な世界に、主人公が迷い込んでしまったのだと考えると、
この恐怖感が凄く納得できました。

他にも、物語初期の頃は、大学時代の親友を含め、
街の人々が、誰が味方で、誰が敵かが、判らないのもスリリングで、
登場人物の中には、連続殺人鬼も登場したりして、
更にスリルとホラー的恐怖を掻き立てます。

物語の中心は、その普通じゃ無い国家権力から、主人公は逃亡を繰り返すのです。
その中で、作者がメインとして伝えたかったのは、
友人を始め、人々との信頼や友情が大切だ。と言う事です。

その想いが、この物語の題名「ゴールデンスランバー」に込められて居るようです。
このゴールデンスランバーとは、ザ ビートルズの解散直前の頃に歌われた曲の一つ。
この頃のメンバーは仲が悪く、それぞれの気持ちもバラバラ…
そんな中、メンバーが帰った後に、一人スタジオに残って、
気持ちがバラバラのメンバーの演奏を、一つの曲として完成させようと、
編集作業をして居た、ポール・マッカートニーは、どんな気持ちで編集して居たのだろう?
と言う事を、大学時代の親友達と、曲を聴きながら想像します。
その中で、「ポールは、この曲を一つの曲として纏め上げれば、
メンバーの気持ちも、また一つに纏まってくれる。纏まって欲しい!と思って、
作ったんじゃないかなぁ~…」と言う想いを吐き出します。

これが、この物語のテーマ、信頼と友情への想いと繋がって行くのです。
劇中、街の人々や親友・元恋人との繋がりの尊さ、
その中で、それが逃亡の助けに成って行きます。
そして、国家権力との攻防の末はどうなったのか!?
と言うのがこの物語です。

恐怖有り、友情有り、そして笑いも有り。
な映画、事前にハードルが上ってしまったので、
その辺を考えると、マイナス要素は無きにしも有らずでしたが、
普通に楽しませて貰いました。

あ、お勧め3点の一つ、“笑い”ですが、
これは、監督が、スリルだけじゃ無くて、笑いの要素もちゃんと有りますよぉ~
的な感じで、劇中ちょくちょく挿入して来てたんですが、
残念ですが、筆者含め、この日の同劇場のお客さん達には不評だった様で、
殆どが滑り捲くってたのは、此処だけの秘密です(苦笑)

あと、役者に関しては、やはり香川照之さんは凄いです。
筆者の中では、現在国内の中堅どころの役者さんの中では、
彼の演技力が一番だと思っています。
冷徹な追跡者として、この映画でも、その実力を遺憾なく発揮してました。


ゴールデンスランバー(公式web)