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聖グロ日記【ダージリン】

2016-08-08 22:31:46 | 聖グロ日記
 私は女に生まれたことを誇りに思っている。幸いにも男と比較されて、理不尽な想いを強いられたことなど一度としてない。
 私がアッサムを好きだと言う感情は、それはとても無垢で一途な想いで、自分の中に男性の本能のようなものはかけらも存在していないわけで、当然アッサムの傍にいる、そのことに満たされ、世界は清く美しく、私をより一層豊かにしてくれる。



 だけどこの両手は、しばしば、いえ、わりとよく、アッサムに触れたがる。彼女の髪に触れ、指にふわりと金色の恋を絡め、唇に押し当ててみたり、その華奢な腕を取り、引き寄せて抱きしめてみたり、さらりとした頬に指の腹を当ててみたり、とにかくどこかに触れたいと願ってしまうのだ。


 それは心から彼女を恋しいと思うからであって、けっしてやましい想いではない。両の腕のなかに抱き寄せると頬を赤く染め愛らしく、わずかに口角を上げて喜ぶと言うのに、アッサムったら、お胸あたりは徹底的にガードしてくる。触らせてください、と声に出してお願いをすればいいのかどうか、なやむところ。アッサムは私の胸に積極的に触れてくるような気配はない。私は、アッサムが触れたいと願うのならば、それはまったくもって問題はない。

 毎日、毎日、攻防戦の末、結局睨まれて諦める日々。こういうことを誰に相談をすればいいのかしら、と悩んでみても、周りに恋愛に長けた人間などいるはずもなく、いっそ前の副隊長のバニラ様にでも電話してしまいましょうか、なんて思ってみるけれど、アッサムにそれがばれてしまえば、きっともう、髪すら触らせてもらえない。


 まったく、私はこの沸々と湧き上がる恋情をただ、アッサムに伝えたいだけだと言うのに。胸に触れたいという感情を「いやらしい」だなんて言わないで欲しいものね。



 

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