相当、何度も書き直して書き直して書き直して、書き直したものになりました。
とにかく、もう書き上げることを目標としてやっつけてしまった感じもあるのですが、
長年、夢を食べる「バク」の話を書こうと思っていたので、それが消化できたことは良かったと思います。
シオンという男性をもっと深く掘り下げて書こうかと悩みました。
没小説ではまだ書ききらずにいたのですが、もっとみちるとのシーンを入れることも考えて . . . 本文を読む
「その状況だと、しばらくこっちに帰って来ないんじゃないかしら?」
「……おじいさまが、レイに近づかない方がいいって。ずっと、祈祷をしたまま出てこないそうよ」
みちるはシオンの遺体がイタリアに無事に帰ることを祈り、この件にはもう関われないと事務所に伝えた。教会に彼を安置させることで、あの頃の感謝と、そして永遠のお別れと思っている。イタリアまで行って葬儀に参加する理由もなく、彼の死を嘆く涙は出尽くし . . . 本文を読む
世界中に溢れる愛のすべて
あなたに捧げた
だから、あなたが私を愛さない世界なら
私は、死んでもいい
霊感を働かせ、公園で倒れている被害者を見つけ出したときはもう、妖魔“バク”の姿を捉えることは出来なかった。レイたちと変わらない年齢に見える少女は、わずかに目を開けているが生気はない。その両手が自らの首を絞めるような恰好で横たわっていた。レイはその両手を抑え、傍にいたみちるさんに救急車を . . . 本文を読む