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聖グロ日記【ダージリン】

2016-07-27 23:09:01 | 聖グロ日記
最近、アッサムは無防備に目の前でセーターを脱ぐ。
心を許している証拠だと思う。部屋でくつろぎながら、セーターを脱いで、お風呂の準備なんかをするものだから、てっきり一緒に入りたいと思っているものだと。普通は思うはず。


でも、一声もかけないし、お風呂に入りたいから部屋へ戻れと言われてしまう毎日。ようやくキスをさせてもらえるようになったのだけれど、まったく、なぜ、追い出されるのか理解しかねる。


アッサムがお風呂に入っている間、私も自分の部屋でお風呂に入る。そう言う毎日を繰り返している。


でも、同じベッドで眠ることは許可をしてもらっている。

と言うか、恋人同士なのに、同じベッドで眠るのに許可?許可というのはいかがなものかしら?


とにかく、眠る前に儀式のようにキスをするのだけれど、毎度、へたくそと呟かれるのは納得ができないものね。


朝、目が覚めてアッサムはいつものように軽く、シャワーを浴びに行った。私は持ってきた制服に着替え、顔を洗い髪を編み込んでそのバスルームの曇り硝子を何となく眺めた。見るに見られないものなのだから、眺めたところで、犯罪ではない。

そもそも、恋人なのだし。


そっと小さく開かれた曇り硝子から、細くてしなやかな腕がのびて、バスタオルを取ろうとしたので、私はその掌にバスタオルを置いてあげる。いつもなら着替えの邪魔になるから、ベッドルームに戻るのだけれど、今日はそっとその硝子から影が見えない場所に隠れて、アッサムが出てくるのを待ってみた。

裸体の恋人が、身体の水分を拭いながら、脱衣所へと姿を現す。

小ぶりな胸の形と、細い腰。あまりにも愛らしくて綺麗で、この想いのたけを詩にまとめたら1冊の詩集になるのではないかと思うほど。

じっと見とれていたせいで、覗き見がばれてしまったと言うことに気が付かなかったの。



いえ、そもそも覗き見をせずに堂々と見ていい権利があるはずなのに、堅物几帳面のアッサムには、何をするにも許可を取らなければならない。
まったくもって、不可解なこと。


一応、取り繕うように、小ぶりで愛らしい胸ねって褒めたけれど、満面の笑みで右手が空を切ったわ。


ローズヒップに、頬に指の跡がくっきりと言われた。まったく、恋人をぶつなんて酷い人。
土下座させられたのは、人生で初めてだけれど、謝らないと今日の夜は部屋に入れないと言われたのだから、致し方がない。



好転する前には、悪化するという段階もあり得る。

チャーチルが言う悪化は、今この時だと思うほかない。


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