「決壊が起こるなんて想像しなかった」 2021-01-14 00:00:00 | 日記 2021年1月14日、関東や東北地方を中心に降った豪雨は2015年9月11日未明、宮城県大崎市の渋井川の決壊を引き起こした。前日には、茨城県常総市の鬼怒川も決壊しており、気象庁は連日、大雨の特別警報で警戒を呼びかけた。しかし、想定を超える雨脚に自治体側の対応は後手に回り、多くの住民が逃げ遅れる事態に。専門家は、住民の水害に対する危機感の薄れも指摘しており、被害が拡大した背景には複合的な要因が潜んでいそうである。これでいいのか・・・茨城県に大雨の特別警報が出されたのは、2015年9月10日午前7時45分。特別警報発表に先立つ午前2時20分には、常総市も決壊地点の上流域に避難指示を発令し、機先を制する対応だったのだ。何とかできなかったのだろうか・・・しかし決壊地点の下流域への避難指示は遅れ、午前10時半になってからだった。決壊わずか2時間半前で、避難勧告や避難準備情報も出ていなかった。市によると、午前6時20分に上流が越水し、その対応に追われ発令が遅れたというのだ。これは人災なのか・・・自治体の対応が後手に回ったという点では、渋井川が決壊した宮城県大崎市も同様だ。気象庁は2015年9月11日午前3時20分に同県内に大雨の特別警報を発表。市は午前4時半、流域の古川西荒井地区や稲葉地区などに避難準備情報を発令したのだ。早朝で発令したのだ・・・市は午前5時前に市民からの通報で堤防決壊を把握したが、1段階高い避難勧告・指示を出す前に稲葉地区などは浸水し、住民らは孤立した。市は「避難指示を出して、住民を移動させるのはかえって危険」と考え、最終的に避難を断念せざるを得なくなったのだ。この判断は正しかったのか・・・特別警報は2013年に導入された。2011年に多くの死者を出した紀伊半島豪雨の反省を踏まえたもので、今回発表された栃木と茨城、宮城を含め計6件に上るのだ。こんなにあったのか・・・東京女子大の名誉教授(災害・リスク心理学)は「気象庁は空振りをしても見逃しはしないというスタンスで発表している。(大崎市は)特別警報が発表されなくても避難勧告や避難指示はあってしかるべきだ」と指摘した。自治体は発令を行う勇気があったのだろうか・・・一方、鬼怒川と渋井川の流域の住民自身にも避難行動の遅れが目立った。名誉教授は「日本人は治水が進んでいるため発生しにくい水害に対し恐怖感が薄く、特別警報などを受けても危機感を抱きにくいのではないか」と指摘したのだ。これは住民の意識を変えるべきであろう・・・住民への調査ではすぐに避難しなかった理由について「自宅が2階建てだから大丈夫と思った」「決壊が起こるなんて想像しなかった」などの声が聞かれたのだ。これは問題である・・・(井森隆)