快読日記

日々の読書記録

「短歌ください」穂村弘

2012年09月27日 | 言語・文芸評論・古典・詩歌
《9/26読了 メディアファクトリー 2011年刊 【短歌】 ほむら・ひろし(1962~)》

雑誌「ダ・ヴィンチ」の読者投稿コーナー「短歌ください」の書籍化。
選者・穂村が「弟の家には本棚がない」(吉野朔実のエッセイ漫画)の中で「俳句は訓練がいるみたいです。短歌はキャラクターというか、心の状態が極端ならそれだけでつくれる面があるので。恋愛中の人とか人殺しの人とか短歌書くでしょう?」と言っているのを読んで「なるほど」と思って。

わたしはどっちかと言えば俳句の「言い逃げ」みたいなところが好きなんです。
俳句は乱暴なくらい短くて潔く、その分余韻がしっかり残るから。
それに比べると短歌って感情がダイレクトで生々しいでしょ。
ものによってはそこがちょっと気持ち悪いくらい。
「そんなとこ見せるなよ、隠しとけよ~!」と言いたくなる。
でも読んじゃう。
臭いものを嗅ぎたくなる心理か?
っていうか好きなのか?短歌。
よくわからない。

それはともかく、穂村弘の解説に「ああ、そう読めるのか!」という面白さもあるし、なにより好きだと感じるいくつか歌の作者が同一人物の常連さんだったりするとファンになってしまいます。

いくつか紹介します。

・「日本野鳥の会」にいたという人よ わたしをかぞえたことありますか

・この部屋にはてんとうむしを閉じ込めてあるからこれはひとりごとじゃない

・広場にて酔いつぶれ寝る女らをまたいで歩く塾帰りの子

・五円玉ベストを作るおじさんを尊敬できず小三の夏

・少しだけネイルが剥げる原因はいつもシャワーだよシャワー土下座しろ!

/「短歌ください」穂村弘
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