快読日記

日々の読書記録

「街場のマンガ論」内田樹

2010年11月03日 | 漫画とそれに関するもの
《10/24読了 小学館 2010年刊 【評論 漫画】 うちだ・たつる(1950~)》

漫画論を通して、作品の背後に透けて見える日本そのものを論じています。
取り上げられているのは、井上雄彦・少女漫画・BL・「エースをねらえ!」・宮崎駿・手塚治虫 など。

「BLは反米ナショナリズムである」とか、
「少女漫画は女のビルドゥングスロマンだ」とか、
日米のヒーローものの違いとか、
相変わらず的の真ん中にストンストンと当たるようなご慧眼。
加えて、ブログにupされた文章ということもあってすごく読みやすい。

おもしろい指摘がいくつもありました。
例えば、佐々木倫子「Heaven?」の伊賀くんがオーナーに抱く感情の分析。
そういえば伊賀くんの母親とオーナーってそっくりでした。
たしかに、ウチダ氏の指摘は正しいかも。
あと、山岸凉子「恐怖の甘い物一家」と「天人唐草」が同じテーマだと言われると、すごく腑に落ちます、なるほど~。