《11/27読了 実業之日本社 1993年刊 【日本の小説】 なかじま・らも(1952~2004)》
予想以上、期待以上でした。
超能力や呪術の話であり、テレビという巨大な「呪い」の話でもあり、心理学であり、ホラーでもあり、「何か」に対する畏怖の話であり、家族ものでもあり、冒険活劇でもある。
前半の逸美のエピソードもただの伏線ではなく、ある「希望」によって不安定になった魂が、欲と悪意の暗い穴に落ち込む様子が丁寧に描かれていて胸に迫るし、
後半、「バキリ」や「オニャピデ」という人物を通して語られる真理に自分も取り憑かれるような気がしました。
ラストはもう、ここらへんしか着地点はないな、というかんじで、とにかくそこへたどり着くまでのエネルギーに飲み込まれました。
あー。おもしろかった。
職場で「えー!? まだ読んでないの?」と驚かれ、そこまで言うなら、と手にとった本。
もし、あなたが未読だったらぜひぜひ。
「言葉こそすべてじゃないか。人は自分の魂をちぎって投げるんだ。それが言葉だ」(317p)
「世界は、時の流れに添って一頁ずつひもとかれていくようにできているのだ。人はそれを読んで、自分の本を編集していく」(440p)
/「ガタラの豚」中島らも
予想以上、期待以上でした。
超能力や呪術の話であり、テレビという巨大な「呪い」の話でもあり、心理学であり、ホラーでもあり、「何か」に対する畏怖の話であり、家族ものでもあり、冒険活劇でもある。
前半の逸美のエピソードもただの伏線ではなく、ある「希望」によって不安定になった魂が、欲と悪意の暗い穴に落ち込む様子が丁寧に描かれていて胸に迫るし、
後半、「バキリ」や「オニャピデ」という人物を通して語られる真理に自分も取り憑かれるような気がしました。
ラストはもう、ここらへんしか着地点はないな、というかんじで、とにかくそこへたどり着くまでのエネルギーに飲み込まれました。
あー。おもしろかった。
職場で「えー!? まだ読んでないの?」と驚かれ、そこまで言うなら、と手にとった本。
もし、あなたが未読だったらぜひぜひ。
「言葉こそすべてじゃないか。人は自分の魂をちぎって投げるんだ。それが言葉だ」(317p)
「世界は、時の流れに添って一頁ずつひもとかれていくようにできているのだ。人はそれを読んで、自分の本を編集していく」(440p)
/「ガタラの豚」中島らも