快読日記

日々の読書記録

「すーちゃん」益田ミリ

2010年03月16日 | 漫画とそれに関するもの
《3/13読了 幻冬舎文庫(幻冬舎から2006年に刊行された単行本を文庫化) 2009年刊 【漫画】 ますだ・みり》

30代独身上京組一人暮らしの すーちゃん と まいちゃんの話。
自分を変えたくて本を読んでみたり、米飯を玄米食に変えてみたりするすーちゃんにものすごい既視感。
まるで かずえちゃん(仮名)だわ!
さらに読み進むと、彼女たちの黒いつぶやきにも心当たりが。
まるで わたしだわ!
そう。これ、今の日本で仕事を持つ30代独身女子からとても共感を得ている作品なんですね、納得。
絵がかわいらしいので見えにくいけど、彼女たちの胸中の毒気もしっかり描かれているところに唸りました。

高野文子「るきさん」(1993年)も似た設定なんですが、両者を比べると「すーちゃん」はほとんどモノローグで展開するので、彼女たちの内外を覆う閉塞感が一層際立ちます。
閉塞感って「るきさん」には感じませんでした。
それから、すーちゃんの「正しさ」への指向。
これも、るきさんにはあまりありません。

つまるところ、すーちゃんは少し真面目すぎるかもしれない。
あと、自分と向き合い過ぎ。
そんなの適当に、見たり見なかったりすればいいのに~ と思いました。