快読日記

日々の読書記録

「日本まんが 第参巻 きらめく少女の瞳」荒俣宏

2015年08月09日 | 漫画とそれに関するもの
《☆☆ 8/9読了 東海大学出版部 2015年刊 【漫画 評論 対談】 あらまた・ひろし(1947~)》

登場する漫画家:里中満智子/竹宮惠子/萩尾望都/高橋真琴/楳図かずお


まず驚いたのが荒俣宏自身が少女漫画家を目指してたってことです。
もちろん作品の投稿もしていて、その選考で選ばれたのが里中満智子「ピアの肖像」だったんだそうです。

荒俣宏には、内田樹や高橋源一郎といった少女漫画の優れた読み手たちよりさらにディープなものを感じました。

読みの深さと知識の豊かさ、これだけの大物漫画家たちを相手にした聞き手として荒俣宏以上の人はなかなかいないのではないか。
漫画家に対する敬意と、“とにかく聞き出したい!”というマニア心のバランスが素晴らしいです。

この本、楳図かずお目当てで読んだんですが(その戦略性がよくわかる名インタビュー)、萩尾望都がやっぱりすごいですね。
漫画界の美空ひばりみたいな人だと思いました。

でもこういう本を読むたびに、どうして高階良子を取り上げてくれないのか、と思います。
少女漫画に新しい形式をガンガン持ち込んだ功績者のひとりだし、“裏・萩尾望都”みたいな存在だと思うんだけどなあ。

/「日本まんが 第参巻 きらめく少女の瞳」荒俣宏