快読日記

日々の読書記録

「ドルジ 横綱・朝青龍の素顔」武田葉月

2010年07月27日 | プロレス・相撲・ボクシングなど
《7/27読了 講談社文庫 2006年刊(2003年に実業之日本社から刊行された単行本に第8章・対談・成績を加えて文庫化) 【相撲】たけだ・はづき》

タミルちゃんとの復縁が最近噂のドルジですが、
子煩悩で愛妻家の彼にとって、あのタイミングで日本の相撲をやめたことはむしろラッキーだったわけです。
力士としてはよくない幕切れだったけど、ドルジ個人としては、また温かい家庭に戻れたんだから。
冬巡業中止だって、考えようによっては、
古傷を抱えて、治す暇がない多くの力士たちにとっては、この上ないチャンスじゃないですか。
ね? ものは考えようです。

そこで、4年前に出てた(このまえ本屋で見つけるまで知らなかった)ドルジの評伝です。
身体能力と強運と精神力だけで勝負してきたような見方をされることが多いドルジが、どれだけの努力と試行錯誤を積み重ねてきたか、どれだけの愛情を周囲に注いだか、など、ファンにとっては孫を見るように目を細めて楽しめる1冊。
とくに明徳義塾高時代のエピソードが読み応えありました。
もう一人の龍、朝赤龍ことダシにスポットが当たっているのもよかったです。

あえてクレームをつければ、
相撲ライター武田葉月はドルジ贔屓で、安心して読ませる反面、悪い話は極力避け、批判や分析・考察をほとんど加えずに淡々と書いているので、ちょっと御用記事みたい。

ドルジ好きには、これと「横綱・朝青龍」のロングインタビューとの併読をおすすめします。

→「力士はなぜ、四股を踏むのか」
→「親方はつらいよ」