快読日記

日々の読書記録

「力士はなぜ四股を踏むのか? 大相撲の『なぜ?』がすべてわかる本。」工藤隆一

2010年04月08日 | プロレス・相撲・ボクシングなど
《4/7読了 琴剣淳弥/イラスト 日東書院 2007年刊 【相撲】 くどう・りゅういち(1949~)》

質問です。
相撲に、柔道やボクシングみたいな体重別の階級制度がないのはなぜでしょう。

答えは、筆者が日刊スポーツの記者時代にある親方から聞いたこの言葉。
「相撲はな、煎じ詰めればバランスの崩し合いのゲームなんだよ(11p)」
なるほど~!と思ったあなた、この本おすすめですよ。

この原則を知ると相撲の見方がだいぶ変わります。
だからいわゆる蹲踞(そんきょ=体を凸の形にする)の姿勢が大事なんだ。
だから立ち会いが勝敗を左右すると言われるんだ。
だから怪力・把瑠都でもまだ白鵬に勝てないんだ(時間の問題だとは思うけど)。
などなど、いろんなことがわかります。
すると相撲がますますおもしろくなりますよね。

競技としての相撲の解説以外にも、肉体論・歴史文化・相撲協会のシステムの詳細など、「大相撲のすべてをわかりやすく解説(表紙折り返し)」というアピールも嘘じゃない1冊です。

相撲界が、ただ伝統をかたくなに守っているわけではなくて、
意外と柔軟に、変化を恐れず進歩を遂げてきてるってのにも驚き、うれしくなります。

欲を言えば、巻末にでも用語の索引をつけてほしかったです。


→「横綱 朝青龍」

→「親方はつらいよ」高砂浦五郎