快読日記

日々の読書記録

「吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集」吉田豪

2013年10月03日 | プロレス・相撲・ボクシングなど
《9/29読了 白夜書房 2013年刊 【プロレス インタビュー】 よしだ・ごう(1970~)》

index:天龍源一郎/武藤敬司/蝶野正洋/藤波辰爾/ドン荒川/藤原喜明/山崎一夫/船木誠勝/鈴木みのる/宮戸優光/鈴木健/安生洋二/菊田早苗/大仁田厚/ミスター・ポーゴ/マサ斎藤

吉田豪といえば紙プロ←プロレスなのに、たしかにプロレスラーのインタビュー本は少なかったですね、意外だ。

読みながら何度も、プロレスって何だったんだろうと考えました。
彼らの話がおもしろければおもしろいほどなんだかせつなくなるのはなぜだ。


今まであまりぴんとこなかったプロレス好きとアイドル好きのメンタリティの類似性がはっきり認識できたのは収穫かも。
この認識が果たして何の役立つかはわかりませんが。
両者とも偶像を追いかけて笑ったり泣いたりしたいんですね。
昔、ドラゴンが写真集で赤川次郎と対談してたのがずっと謎でした。
お互いに相手をよく知らないようで、話は全く盛り上がっていなかった気がする。
でも、そこに「藤波辰爾こそアイドルである」という名言を当てはめるとちょっと腑に落ちる。
かのRYU'S BARに河合奈保子が登場し、村上龍と全く会話にならなかった事件を思い出します。
二人の共通点は「アイドル」です。


吉田豪のインタビューは、「×年のあの試合のあそこはどうのこうの」というやつではなく、プロレスラー(1名を除く)たちの中身をこつこつと掻き出すような作業で、腰を低くもぐりこむように懐に入るかと思えば、まるで相手を慈しむかのような場面もあって本当におもしろい。
オタクとかマニアから一番遠い人なんではないかと。
忘れられないのは、長門裕之へのインタビューですが、今回はマサ斎藤が最高でした。
これを読んだらみんなマサ斎藤大好きになるはず。

菊田早苗にお父さん(死刑反対の菊田幸一)のことを聞いてくれたのも素晴らしい。いい仕事だ。

/「吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集」吉田豪